神眼使いの異世界生活

黒鉄やまと

第49話 フィリップはうちに泊まります。


「それでソウマ。あの女の人誰?」

俺は今ギルドの酒場でアルテミスと対峙している。対峙・・・いや、問い詰められている。ちなみにシュレイは酒場で酔っ払って寝てしまったのでギルドの部屋を借りて寝させている。


「隠し事はしないでね」

「はい」

仕方が無く俺はアルテミスと別れた後のことを話した。

「つまり新しい仲間ということ?」

「そういうことになる。勝手に仲間にして悪い」

アルテミスは少しムスッとした後諦めたように溜息を吐いた。

「まあ、シュレイさんの事を考えると追い出すことなんて出来るわけないから仕方が無いけど。あんまり勝手にそういう事されると嫌いになっちゃうからね」

「そんなぁ・・・」

アルテミスに嫌われたら・・・・・・そうだ。天国に行こう。

「あ、そんなに悲しそうな顔しないでよ。私が悪いみたいじゃん。」

「ごめん」

「許してあげよう」

「ありがとうございます」

俺は運ばれてきた酒を飲んで気になっていたことを聞いた。

「そう言えば依頼は終わったのか?」

「ああ、それに関してなんだけどね」

アルテミスは村で何があったのかを話し、何故ここに戻ってきたのかを話した。

「なるほどね。それでギルドに上位冒険者を手配してもらうことにしたのか」

「うん。さっきフィリップさんが受付で話してたんだけど・・・あれ?どこ行ったんだろ」

「さあ?どっかのは部屋で詳しい話をしてんじゃね?」

「そうだね」


運ばれてきた食事を綺麗な所作で食べているアルテミスに俺は声をかけた。

「さすがに今日は王都で一泊するだろ?」


「さすがにね。夜は魔物が活発化するんでしょ?そんな所に出歩きたくない」

「城にするか?屋敷にするか?」

「城」

「了解」

すると、フィリップが戻ってきた。

「お、お疲れさん。どうだった?」

「事情は話しました。高位の冒険者を手配してくれるそうです。」

「そりゃよかったな。それより出発は明日だろ?今日はどこで泊まるんだ?」

「普通に宿にしようかと思いますよ。」

「そうか・・・なら、うちに来いよ」

「ソウマさんの自宅ですか?」

「ああ、アルテミスは王城に1度帰るそうだから俺達は俺ん家で泊まろう。」

「いいんですか?」

「全然いいぞ。」

フィリップは少し悩んだ末に結局「よろしくお願いします」と言ってきた。


「任せろ任せろ」

その後俺は嫌がるシフォルにシュレイを預けるとフィリップと共にアルテミスを王城に送り、貰った屋敷に帰った。

「ここがソウマさんの家・・・・・・」

フィリップは屋敷を見てとても驚いていた。

「ソウマさんは貴族だったんですか?!」

「いや、ちげぇよ?たまたま貰ったんだよ。」

「たまたまでこんなに大きな屋敷を貰えるものでしょうか・・・」

その後、屋敷に入り、クラウスにフィリップの案内や食事の支度、部屋の支度などをお願いして一日を終えた。


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