神眼使いの異世界生活
第43話 依頼
「さて、今回2人に用意したのは幾つかあるよ。」
「なんで複数あるんだよ」
「いやいや、こっちがどれだけ踏ん張ったと思ってるんだい?君たちには塩漬け依頼をしてもらうよ」
「塩漬け依頼?」
「うん。様々な理由から誰からも受注されない依頼とかいろんな人がやったけど誰もクリアできなくってそのうちだれも受けなくなった依頼の事さ。まあ、受けない理由としては活動の割に報酬が少ないとか長期間すぎるとか討伐内容の魔物が滅多に出てこないとか依頼主のことが嫌いだからとか様々な理由さ」
「……最後のやつはどうかと思うが今はあんまり王都から離れられないぞ?」
「それは分かってるよ。まあ、かかっても一週間程度さ。長いやつだと10年近いものもあるからね」
「逆に誰が受けると思って依頼だしたんだよそいつ…………」
「その依頼を見た人全員が思う疑問だろうね。さてそろそろ依頼内容を言わせてもらうよ。今回2人に頼みたい依頼はアレトニウス山にいる暴竜の討伐だよ。依頼成功証明はその死体。」
「お前、アルテミスにそんな依頼を受けさせるつもりか?」
ソウマが少し怒気をどしてシフォルにたずねる。
当たり前だ。暴竜はSSランク指定魔物。最強種と言われる竜種の中でも最凶と言われるほど危険なのだ。理由はその凶暴性。過去の資料の中にはタイラントドラゴン一体によって滅ぼされた国もあるぐらいだ。確かにソウマはのちのちアルテミスにもそのぐらいは倒せるように指導するが今は圧倒的に力不足だ。
そして2つ目の理由がアレトニウス山にある。アレトニウス山は別名死の山。死の山には数々の狂暴な魔物がいて麓の方ならば薬草採取などの低ランク依頼にも使われる程の魔物や獣、植物等しかない。しかし、登っていくにつれて魔物の数は多くなり強さもだんだんと強くなっていく。そして奥の方に入っていった冒険者や商人などが帰らずの人となるから死の山。ひとつの説ではアレトニウス山自体がダンジョン化してしまっているのではないかと言われている超危険な山なのだ。
「いや、さすがにアルテミスさんにさんにこれは重すぎるでしょ。分かってるよ。だから、そんなに怒らないでくれ。僕の言い方が悪かったから」
シフォルがソウマの殺気に怯え直ぐに謝る。それと同時にソウマは殺気を解いた。
「つまり、その依頼は俺だけでいけということか?」
「まあ、そういうことになるね。正直この王都でもタイラントドラゴンを倒せるのはソウマ君だけだろうしね。流石の僕もタイラントドラゴンを1人で倒せるわけがないからね。」
そう言ってイケメンスマイルで笑う。
「ではシフォルさん。私はどうするのですか?このままでは剥奪になってしまうのですが」
「うん。それに関してはこっちも考えてある。まずはアルテミスさんに出す依頼は初めてだし簡単なものにした。それが最近アレトニウス山近郊で増えているグリーンウルフによる村への被害の調査だよ。」
「うん。普通の調査依頼ならEランクとかDランクでもいいんだけどそれはゴブリンとかオークとかが多くてね。けどグリーンウルフはCランク指定魔物。さすがにゴブリンとかオークと同じようにするのは厳しいと思ったからCランクの依頼にしたんだ。ついでにこれは僕からの依頼だから塩漬け依頼ではないよ。」
「なぁ、シフォル。最近お前俺ならなんでもしていいと思ってないか?一応俺も初めての依頼なんですが?初めての依頼がタイラントドラゴンってそんな冒険者いないよ?」
「あははは。ナンノコトカナヨクワカラナイヤ」
「おい、こっち見て言いやがれ。」
片言な喋り方になったシフォルの肩を揺らしながらジト目で睨む。
そこにアルテミスが入る。
「けれどシフォルさん。さすがに調査を1人では出来ませんよ?と言ってもソウマはタイラントドラゴンの討伐に行かなきゃ行けないだろうし」
「いや、俺なら大丈夫だぞ。なんならあの山の頂点にいる魔物生け捕りにして連れてきてやろうか?」
「それはもっと大変だから辞めてくれ。というかそんなことが出来るソウマ君が怖いよ。まあ、僕もさすがに1人でやらせるほど鬼畜ではないからね。信頼出来るパーティを呼んでおいた。入ってくれるかい?」
シフォルが扉の外に向かって声をかける。
すると返事が聞こえて3人の男女が入ってきた。
「失礼します!師匠!お呼びと聞いてまいりました!」
「うん、ありがとうカロナくん。それにシェヘラザードさん、フィリップくん。二人ともありがとう」
「まあ、師匠に呼ばれたら来ないと行けませんからね。」
「師匠の呼び出し。断ることは出来ない」
シフォルの誘いにより入ってきた3人はソファに座る。
「さてソウマ君、アルテミスさん。紹介しよう。僕の弟子のカロナくんとシェヘラザードさんとフィリップくんだ。3人ともこの2人は男の人の方がSランク冒険者異端者のソウマくん。女性の方がCランク冒険者のアルテミスさんだ。」
「なんと!あなたがソウマ殿でしたか!噂はかねがね聞いております!なんでも師匠を倒したとか!ぜひ手合わせお願いしたいものです。あ!申し遅れました!私はBランク冒険者パーティ『疾風の剣』のリーダーをしていますBランク冒険者のカロナと言います!よろしくお願いします!」
「あ、ああ。」
「私はシェヘラザード。師匠の弟子。噂は聞いている。ぜひ手合わせ願いたい」
「…………」
「僕はフィリップと言います。僕もカロナと同じBランク冒険者です。回復系も魔法使いです。よろしくお願いします」
ほっ…………1人はまともな奴がいた?
「ほら、ソウマ君達も自己紹介」
「あ、ああ。俺はSランク冒険者のソウマだ。一応形ではネクサス商会の最高責任者もしている。オールラウンダーだ」
「私はCランク冒険者のアルテミス・ライム・ロディアです。一応魔法使いですが今は剣術もやっています。」
「え?ロ、ロディアってもしかしてアルテミス王女ッ?!」
「あ、はい。そうです」
「も!申し訳ございませんでしたぁっ!数多くのご無礼をどうかお許しください!!」
と言ってもアルテミスが王族だと気づいた瞬間3人とも床に跪いた。
「ま、そうなるわな」
「み、皆さん、そんなに畏まらないでください。今はCランク冒険者のアルテミスですからぜひさっきのように接してください」
焦ったようにアルテミスが言うとカロナ達は顔を見合わせながら立ち上がった。
「よ、よろしいのですか?」
「もちろんですよ。」
「はあ、それでは失礼して……じゃあこんな感じで行きますね!」
「はい!もちろんです!」
カロナやフィリップはアルテミスの可愛らしい笑顔に顔を赤くする。
そこにソウマが口を出す。
「ついでに言うと俺はアルテミスの婚約者だからな?」
「「「えっ…………」」」
3人ともポカーンとしたようにこっちを向いた。
「なんで複数あるんだよ」
「いやいや、こっちがどれだけ踏ん張ったと思ってるんだい?君たちには塩漬け依頼をしてもらうよ」
「塩漬け依頼?」
「うん。様々な理由から誰からも受注されない依頼とかいろんな人がやったけど誰もクリアできなくってそのうちだれも受けなくなった依頼の事さ。まあ、受けない理由としては活動の割に報酬が少ないとか長期間すぎるとか討伐内容の魔物が滅多に出てこないとか依頼主のことが嫌いだからとか様々な理由さ」
「……最後のやつはどうかと思うが今はあんまり王都から離れられないぞ?」
「それは分かってるよ。まあ、かかっても一週間程度さ。長いやつだと10年近いものもあるからね」
「逆に誰が受けると思って依頼だしたんだよそいつ…………」
「その依頼を見た人全員が思う疑問だろうね。さてそろそろ依頼内容を言わせてもらうよ。今回2人に頼みたい依頼はアレトニウス山にいる暴竜の討伐だよ。依頼成功証明はその死体。」
「お前、アルテミスにそんな依頼を受けさせるつもりか?」
ソウマが少し怒気をどしてシフォルにたずねる。
当たり前だ。暴竜はSSランク指定魔物。最強種と言われる竜種の中でも最凶と言われるほど危険なのだ。理由はその凶暴性。過去の資料の中にはタイラントドラゴン一体によって滅ぼされた国もあるぐらいだ。確かにソウマはのちのちアルテミスにもそのぐらいは倒せるように指導するが今は圧倒的に力不足だ。
そして2つ目の理由がアレトニウス山にある。アレトニウス山は別名死の山。死の山には数々の狂暴な魔物がいて麓の方ならば薬草採取などの低ランク依頼にも使われる程の魔物や獣、植物等しかない。しかし、登っていくにつれて魔物の数は多くなり強さもだんだんと強くなっていく。そして奥の方に入っていった冒険者や商人などが帰らずの人となるから死の山。ひとつの説ではアレトニウス山自体がダンジョン化してしまっているのではないかと言われている超危険な山なのだ。
「いや、さすがにアルテミスさんにさんにこれは重すぎるでしょ。分かってるよ。だから、そんなに怒らないでくれ。僕の言い方が悪かったから」
シフォルがソウマの殺気に怯え直ぐに謝る。それと同時にソウマは殺気を解いた。
「つまり、その依頼は俺だけでいけということか?」
「まあ、そういうことになるね。正直この王都でもタイラントドラゴンを倒せるのはソウマ君だけだろうしね。流石の僕もタイラントドラゴンを1人で倒せるわけがないからね。」
そう言ってイケメンスマイルで笑う。
「ではシフォルさん。私はどうするのですか?このままでは剥奪になってしまうのですが」
「うん。それに関してはこっちも考えてある。まずはアルテミスさんに出す依頼は初めてだし簡単なものにした。それが最近アレトニウス山近郊で増えているグリーンウルフによる村への被害の調査だよ。」
「うん。普通の調査依頼ならEランクとかDランクでもいいんだけどそれはゴブリンとかオークとかが多くてね。けどグリーンウルフはCランク指定魔物。さすがにゴブリンとかオークと同じようにするのは厳しいと思ったからCランクの依頼にしたんだ。ついでにこれは僕からの依頼だから塩漬け依頼ではないよ。」
「なぁ、シフォル。最近お前俺ならなんでもしていいと思ってないか?一応俺も初めての依頼なんですが?初めての依頼がタイラントドラゴンってそんな冒険者いないよ?」
「あははは。ナンノコトカナヨクワカラナイヤ」
「おい、こっち見て言いやがれ。」
片言な喋り方になったシフォルの肩を揺らしながらジト目で睨む。
そこにアルテミスが入る。
「けれどシフォルさん。さすがに調査を1人では出来ませんよ?と言ってもソウマはタイラントドラゴンの討伐に行かなきゃ行けないだろうし」
「いや、俺なら大丈夫だぞ。なんならあの山の頂点にいる魔物生け捕りにして連れてきてやろうか?」
「それはもっと大変だから辞めてくれ。というかそんなことが出来るソウマ君が怖いよ。まあ、僕もさすがに1人でやらせるほど鬼畜ではないからね。信頼出来るパーティを呼んでおいた。入ってくれるかい?」
シフォルが扉の外に向かって声をかける。
すると返事が聞こえて3人の男女が入ってきた。
「失礼します!師匠!お呼びと聞いてまいりました!」
「うん、ありがとうカロナくん。それにシェヘラザードさん、フィリップくん。二人ともありがとう」
「まあ、師匠に呼ばれたら来ないと行けませんからね。」
「師匠の呼び出し。断ることは出来ない」
シフォルの誘いにより入ってきた3人はソファに座る。
「さてソウマ君、アルテミスさん。紹介しよう。僕の弟子のカロナくんとシェヘラザードさんとフィリップくんだ。3人ともこの2人は男の人の方がSランク冒険者異端者のソウマくん。女性の方がCランク冒険者のアルテミスさんだ。」
「なんと!あなたがソウマ殿でしたか!噂はかねがね聞いております!なんでも師匠を倒したとか!ぜひ手合わせお願いしたいものです。あ!申し遅れました!私はBランク冒険者パーティ『疾風の剣』のリーダーをしていますBランク冒険者のカロナと言います!よろしくお願いします!」
「あ、ああ。」
「私はシェヘラザード。師匠の弟子。噂は聞いている。ぜひ手合わせ願いたい」
「…………」
「僕はフィリップと言います。僕もカロナと同じBランク冒険者です。回復系も魔法使いです。よろしくお願いします」
ほっ…………1人はまともな奴がいた?
「ほら、ソウマ君達も自己紹介」
「あ、ああ。俺はSランク冒険者のソウマだ。一応形ではネクサス商会の最高責任者もしている。オールラウンダーだ」
「私はCランク冒険者のアルテミス・ライム・ロディアです。一応魔法使いですが今は剣術もやっています。」
「え?ロ、ロディアってもしかしてアルテミス王女ッ?!」
「あ、はい。そうです」
「も!申し訳ございませんでしたぁっ!数多くのご無礼をどうかお許しください!!」
と言ってもアルテミスが王族だと気づいた瞬間3人とも床に跪いた。
「ま、そうなるわな」
「み、皆さん、そんなに畏まらないでください。今はCランク冒険者のアルテミスですからぜひさっきのように接してください」
焦ったようにアルテミスが言うとカロナ達は顔を見合わせながら立ち上がった。
「よ、よろしいのですか?」
「もちろんですよ。」
「はあ、それでは失礼して……じゃあこんな感じで行きますね!」
「はい!もちろんです!」
カロナやフィリップはアルテミスの可愛らしい笑顔に顔を赤くする。
そこにソウマが口を出す。
「ついでに言うと俺はアルテミスの婚約者だからな?」
「「「えっ…………」」」
3人ともポカーンとしたようにこっちを向いた。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
353
-
-
26950
-
-
0
-
-
1978
-
-
125
-
-
4405
-
-
3087
-
-
337
-
-
59
コメント
ハジメ
続きが読みたいです!
シャル猫
早く続きが読みたいです
ハジメ
面白いので更新されるのを楽しみに待ってます!
これからも頑張ってください!
応援してます!