神眼使いの異世界生活

黒鉄やまと

第12話 モテモテ

ソウマは森から出て王都に戻ってきた。

「つっかれたァ」

『ずっと動きっぱなしでしたからね』

「ああ。じゃあハクを迎えに行こうかな」

ソウマはギルドに向かって歩いていく。

「そう言えばギルドって魔物の素材の買取もしてたな。無限収納の中にあるだけだと無駄だから売っちゃうか」

『そうですね。自分で食べる分は取っておいてよろしいかと』

「そうだな」

ソウマがギルドから戻ってくると中が少し騒がしかった。

「なんだろ」

ソウマはギルドに入ると、受付には女性の冒険者や受付嬢が集まっていた。
女性達のあいだからハクの尻尾が見えた。

「あれって……」

どうやらハクが可愛くてみんなが集まったようだ。
確かに可愛いもんな

「キュ!」

すると、ハクは急になにかに反応して飛び出した。そして、そのまま俺の頭に降りる。

「ハク。どうしたんだ?」

「キュゥ……」

どうやら女性達にもみくちゃにされて疲れたみたいだな。
すると、女性の群れの中からアリサさんが出てきた。

「ソウマさん!」

「アリサさん。これはハクに群がってたってことでいいんですよね?」

「は、あはははは。そうですね。ハクちゃん可愛くて」

「そうですね。けど、この視線は困るなぁ」

さっきから女性達の視線が痛い。
まるでなんだこの男は、私たちのハクちゃんを……と言っているようだ。

「み、皆さん!この人はハクちゃんの主の、ソウマさんです!」

「こんにちは皆さん?うちのハクがお世話になったようで。けど、あまり調子に乗ってもらっては困りますよ?」

笑顔を作りながらちょっとだけ殺気をだす。いわゆる顔は笑ってるが全然笑ってないってやつだ。
女性達は直ぐにあおい顔をして蜘蛛の子のように散っていった。

「こ、怖いですよソウマさん」

「ご、ごめんなさい。ハクを困らせてたんでちょっと怒っちゃいました。」

「ゴメンねハクちゃん。」

「キュイ!」

「ありがと。それよりソウマさん。その服は?」

「あ、気にしないでください。それより魔物の素材を売りたいんですが、」

「素材ですか?それだったらここで換金しますけど」

「うーん。さすがにここじゃ入らないかな」

「それでは、裏の倉庫に案内しますのでそこで出してもらってもいいですか?」

「じゃあ、それでお願いします」

「では、こちらです。」

ソウマはアリサの案内のもと、裏の倉庫にむかった。
この冒険者ギルドには、ギルド本舎と訓練場、倉庫などがあり、訓練場は本舎の地下と隣、倉庫は裏にある。
本舎には1階が受付、酒場、換金所があり、訓練場への通路や階段もある。
2階にはクラン部屋や貸出個室などがある。
3階にはギルマスの執務室、会議室、客室などがあるそうだ。
クランは冒険者のパーティーやソロの冒険者が集まって出来た大集団で、いくつものクランがあるそうだ。

ソウマ達は倉庫につくと中にはほかの冒険者が売ったと思われる素材やそれを調査しているギルド職員がいた。

「では、ここに出してください」

「わかりました」

ソウマはさっき倒した魔物をどんどんと出していく。そう、どんどんとだ。
この後調査するギルド職員のことも考えずに一気に出していく。
しかし、スペースは有限。いっぱいいっぱいになってしまった。

「そ、ソウマさん。これは一体……」

「さっき倒してきたんですよ。ちょうど、王都に向かってる魔物の群れがあったんで全滅させてきたんです」

「そ、それって魔物の侵攻スタンピートでは?普通ならギルドにいる冒険者全員や国の騎士団が総出で倒すのを1人で?」

「ええ、俺一人で倒しましたよ」

「…………」

「まだあるんですよね」

「そ、ソウマさん。さすがにこれを一気に調査するのは無理です。終わった頃には腐っていて売れるものになりません。せめて、半分より少なくして貰えませんか?」

「え?あ、そうでしたね。こんなに一気に出来ませんでしたよね。すみません」

ソウマは出した死体を閉まっていく。
半分より少なくなった頃にアリサに話しかけた。
「これくらいならどうでしょう」

「これならばまだ大丈夫かと思います。終わった頃にまた、お願いしますね」

「わかりました。」

「それではちょっとだけ待っていてください。」

すると、アリサさんは職員たちの方へ小走りで言ってしまった。
職員たちに何やら話しかけているようだ。
すると、職員たちは次の瞬間青い顔をした。
アリサさんは話が終わったのか戻ってきた。

「どうしたんですか?」

「いえ、なんでもありません。それでは戻りましょうか」

ソウマとアリサは倉庫を出た。
倉庫を出る時、さっき来た時よりも早く凄い勢いで調査をしている職員たちがいた。
アリサとソウマは本舎に戻ってくると、ギルド内は元の活気があるところに戻っていた。

「じゃあ、今日はこれで」

「ありがとうございまた。明日もこられますか?」

「ええ、依頼も受けたいので」

「…………わかりました。それではまた明日」

「ええ、また明日」


ソウマはギルドを出て宿に戻った。

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コメント

  • かりんとう

    以来ではなく依頼だと思います
    面白いですこれからも頑張って下さい

    1
  • けせらとてん

    面白いです

    2
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