最弱が世界を救う。

しにん。

入国。

約三日歩き続け、目的地へと辿り着く。


「ここが獣人の国か?」
「は、はいぃ。詳しく言うと、亜人の国、です」
「と、言うことは獣人の他にも種類はいるのか」


二人の目の前に立ち塞がる壁は国全体を覆い、悪魔達から守られている。
早速入国しようとすると門番に足止めを喰らう。


「おい、お前ら入国許可証を見せろ」
「そんなものが必要なのか?」
「国に、在籍している、人なら、出入り自由、です」


ミルティがフードを脱ぐと門番の二人は了承し、国へと入り込めた。
暫く大通りを進んでいると、ソロモンは誰かとぶつかる。


「ってて、私にぶつかったのは誰だ?」
「ははは、すみません。よそ見をしてまして。ってあれ、エクスくんじゃないですか?いやぁ、久しぶりですねぇ」


男は仮面をし、素顔を隠している。


「誰だ貴様」
「嫌ですね、ファントムですよ。《強欲》の悪魔を一緒に討伐したファントムですよ」
「《強欲》の悪魔を?ほう、興味深いな。その話を聞かせろ」


ファントムは少し戸惑いながらも近くの喫茶店へと足を運ぶ。
二人は珈琲を頼むとミルティは申し訳なさそうに頼むのをやめる。


「どうした?頼めば良いではないか」
「わ、私貧乏で、お金……ないから、遠慮します」
「大丈夫だ。金の心配をしなくてもいい」
「でも……」
「仲間の分ぐらい払う。さっさと頼め」


少し嬉しそうにカプチーノを頼む。


「それで、エクスくんどうしたんですか?まるで別人ですよ?」
「そのエクスとやらは知らない。私はソロモンだ」
「またまた、ご冗談を。それでレインくんはどうしたんだい?」
「レイン?あぁ、あの城にいた娘か。アイツは知らない」


エクスの変わりようにファントムは気づく。


「あぁ、ソロモンって確か神殺しを目論もくろんで失敗した人ですか?」
「おい貴様、何故それを知っている」
「教えられませんよ。契約で詳しい事は話せません」


仮面越しでニヤリと笑うファントムにソロモンは怒りを隠せない。
次第に怒りは強くなり、周りの人間は恐怖により逃げ出す。
ソロモンから発せられる魔力により店内は嵐が来たかのように荒れる。


「おやおや、まだ力の制御ができてないようですね?それだと一生神なんて殺せませんよ」
「黙れ、いつかこの手で殺してやる」


気がつくとファントムはその場から消えていた。
横で怯えているミルティを見て頭を冷やす。


「また、感情的になってしまったか」
「大丈夫、ですか?」
「あぁ一応」


店を後にすると大通りに人が集まっていた。
騒ぎの中心の方へ向かうと三人の女がいた。


「おお、七大悪魔を倒した英雄の三人がいるぞ!!」
「どこどこ!!」


どうやらその女達は七大悪魔を倒しているらしい。
自分には関係ないとミルティを連れその場を離れようとすると名前を呼ばれる。


「ちょっと、エクスくん!!」
「あぁ?私はエクスではない」
「嘘をついた所でそのネックレスは誤魔化せないよ」


白いドレスのような服を着た女はソロモンが装飾していたネックレスを握る。

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