最弱が世界を救う。

しにん。

ラズ王国。

次の日の朝、地下へと逃げ隠れていた国民の元へ向かう事にした。
安全の報告をしたら、皆はどう喜んでくれるのだろう。そんな期待を胸に地下シェルターへと急いだ。




国王の案内の元地下シェルターの扉を開くと、皆は喜び声を上げていた。
至るところから感謝の言葉が飛んでくる。
こんな経験は2度目だが、今回のは長年の苦しみから開放された者達の言葉。


「何度も申し上げますが、私どもの命を助けてくださり誠にありがとうございます。あと数ヶ月遅れていたら、私たちの命はありませんでした。この恩は必ず返します」


国王は国民の代表として、エクス達に感謝の言葉を告げる。
国王の言っていたとおり、地下の生活もギリギリのラインだった。
食糧は貯めていた分が底を付き始め、水は下水道を飲まざるを得なかった。
そのため、地下へ避難した時は4万人だったが、現在は500人とわずか。
沢山の者達が死に、犠牲者が後を絶たなかった。


「お礼とかは大丈夫です。俺はただ約束の為に戦っているだけですので」


エクスは淡々と自分の夢を語る。
一般的な返答は「無理」や「不可能」しか言われないがラズ王国国王は違った。


「その夢……必ず叶います。どれだけの時間がかかるかは関係ありません。きっと貴方達ならやり遂げるでしょう」


国王は頭ごなしに無理とは言わず、エクスたちを応援した。
エクスは急にそんなことを言われ、 戸惑いをか隠せない。
悪魔全討伐なんて夢のまた夢。誰しも思ってきた。エクスも心の隅では無理と思っている。


「なんだか元気、貰いました」


エクスは飛び切りの笑顔で答える。




次の日から、ラズ王国の国民は地上へと戻っていった。
少なかった人口は更に減り、人々は途方に暮れていた。
四人の英雄により救われた国、ラズ。
ラズが成長し、大きな国となるのはまた別のお話────






《強欲》の悪魔討伐の次の日、エクス達はエインガルドへ戻っていた。
シャルテ女王から祝福され、エクス達はその状況に慣れつつあった。


「エクスくん、残る七大悪魔は4体。油断するな、なんて事は言わない。もうそんなにエクスくんは弱くない。だから、残り4体もパパッと片付けちゃお♪」


レインは無邪気に笑う。
つられてみんなが笑っていた。


「簡単に言ってくれるね……まだまだ俺には課題があるから、それを克服しない限り苦戦を強いられるだろう」
「私も二人に付いて行くと決めたので、勿論戦力になるように私自身も強くなくては」


無邪気なレインとは反対にエクスとセレネは真剣な顔をする。


「んもー、そんな暗い顔しない!元気だしていこうよ」


レインが場を盛り上げようとして、エクスは思い出す。


「そういえばセレネ、儀式をお願いできるか?」
「もとより私は皆さんの力になる為に強くなりましたので、いつでも構いませんよ」


テンションが高いレインを置いて二人で別室へと行き、試練の儀式を始める。

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