最弱が世界を救う。

しにん。

《強欲》3

「エクスくんは私が守るっ!!」


レインはそう叫び、『星砕き』を握ると周りの石が空を舞い始める。


「これが『星砕き』……いや、明けの明星か……」


ファントムは誰にも聞こえない小さな声で呟く。


「ま、待ってくれっ!!」


マモンは目の前の圧倒的な力の前には、ただただ命乞いする事しか許されなった。
レインは無視をしてマモンを殺す。


「レインさんっ!!まだです!!奴は生き返るという願いをする限り死にません!!」


セレネが叫んだすきにマモンは復活する。
魔力も全て再生するため、無敵だった。
しかし、レインは慌てる素振りをせずその場を離れる。


「ぜぇ、はぁ、こう何度も死ぬと流石に精神的にきついな……まさか儂が1日に二度死ぬとは……」


マモンは魔力こそ減っていないものの、度重なる精神的ダメージに頭を悩ませていた。


「最強の体、最強の力、最強の武器が欲しいっ!!」


マモンはついに正しい願いの使い方をした。
武器だけでは勝てない、そう理解したのだろう。
だから、全てを最強と願えば完全無欠の化物になれると考えた。
マモンの願いが部屋中に響くと同時に、体はどんどん大きくなり、筋肉で膨れる。
更には、雷が落ち剣が地面へと突き刺さる。
エクス達はその剣を知っていた。
世界最強の『アテナ』の団長が使う武器───


雷霆らいていケラウノス……」


ケラウノスの力は身で実感したエクスにはわかる。
レイン一人では荷が重すぎる。
マモンはケラウノスを握るまでは良かったが、腕が焼けただれていく。


「なんのこれしきっ!!」


無理やりケラウノスを我が力にして、立っているだけでも精一杯に見えた。


「エクスくん。本当にごめん。事情は後で話すけど、今はただ私を信じて。」


レインは振り向いて話しかけてくる。
エクスはうなずき、信じる。
半年とわずかの仲だが、互いに信用し信頼している。


「《強欲》の悪魔よ。あまり背伸びをし過ぎていると弱く見えるよ?」
「言ってろ。わしは最強の悪魔だっ!!人間如きに負けるわけがなかろう!!」


ケラウノスを振り下ろすと周りは雷が絶え間なく落ち始める。
防御不可能とまで思えるほど、ケラウノスは強い。
だが、レインはただ目をつむり時が満ちるのを待つ。


「ほらほらぁ!!さっきまでの威勢はどうしたぁ!!」


マモンがレインを挑発すると同時に、羽根を広げ目を開く。


「時は来た。安らかに眠れ。」


激しい落雷の中レインは全てを避け近づく。
周りから見たら、雷がレインを避けているように見える。


「ば、馬鹿な、有り得ない有り得ないっ!!」


マモンはレイン目掛けて剣を振るうが当たらない。


「私は光をもたらす者。大天使ルシファー!!」


レインの叫びと共にマモンは切り裂かれる。
復活をしようとするマモンを更に追い討ちをかけ、再生不可能へと持ち込む。


「レインさん、《強欲》の悪魔の消滅確認しました……」


マモンがいた場所には魔石が落ちていた。


「やっと倒せたようだね。全く、この悪魔は私を嫁にするとか言い出しやがって。嫌になっちゃうよ。」


レインがわかり易く怒っていると、エクスが口を開く。


「レイン……君は一体何者なんだ?」
「詳しくは話せないけど、私は天使のおさ。最強の天使だよ。」


これ以上にない美しい笑顔で返事をする。

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