最弱が世界を救う。

しにん。

《強欲》1

魔力が全回復し、エクスはレヴィとの試練を思い出す。


「あの技なら確実に殺せる……後のことなんて何も考えるな。今やるべき事をやれ!!」
「儂を殺す?そんなことが出来るとでも?」
「出来る出来ないじゃない。殺るだけだ。」


エクスは人が変わったかのように、冷たく、慈悲はない。


「唸れ……聖なる水よ。ネプチューン!!」


二又の槍を作り出すと一気に国王へと近づく。


「やれやれ、儂も本気を出さないと無理そうだ。うおおおおおおおおおっ!!」


国王は雄叫びを上げると、肌は緑に染まり元の姿へと戻る。


「我が名は《強欲》の悪魔、マモン。すべて我の願い通り。」


覇気に気圧され、エクスは一度離れる。


「最強の剣が欲しい。」


マモンが願いを告げると、空中に異空間の穴が開きそこから剣が出てくる。
マモンは欲深く、願いを全て叶える能力を持っている。
初めて見る光景にエクスは驚くが、即座に冷静になり復讐のことだけを思い浮かべる。
ネプチューンは黒く霞み負のオーラを漂わせる。


「さぁ、終わりの時だ。人間。」


マモンが剣を振るってきたが、剣術は素人のようだ。
今まで剣の道を歩んできたエクスには止まって見えていた。


「貴様如きが剣を握ってんじゃねぇっ!!」


普段剣を使っているとは思えないほど、槍を使いこなし圧倒する。


「ま、まてまて!!謝るからやめてくれっ!!」
「命乞い……無様だ。」


だが、エクスの体は動きを止める。


「無様なのは貴様だっ!!」
「これが願いを叶える能力……」


一気に形成は逆転。
今度は攻守交替でマモンがエクスを押していく。
拙い剣で徐々にエクスを弱らせていく。


「《暴食》や《嫉妬》が殺られた時は驚いたが、所詮はこんなもんか。我の前に敵はなし、ふははははははっ!!」


エクスは黙り込み、下を向く。


「戦意喪失か?我を傷つけた分お前は死刑だ。」


マモンがエクスを殺そうとした瞬間、エクスは動き出す。
怒りが、殺意がエクスを動かせる。


「ど、どうして動けるんだっ!!」
「言ったはずだ……お前だけは殺す!!」


エクスの目は蒼く光り出す。
周りに水が出現し、暴れだす。


穿うがて!!地を割り海を割りて、星をも貫け!!海王ポセイドン『トリアイナ』!!」


水は掌に集まり、ネプチューンを覆う。
ネプチューンは三又の槍となり、更に大きさを増す。


「な、なんだその力は!!」


『トリアイナ』。レヴィから教えて貰った最後の技。
レヴィ本人ですら使う事が不可能と言われた槍。
それに加え、エクスが顕現させた『トリアイナ』は試練の時よりも強く、恐ろしい力を持っている。
見るもの全てを恐怖の底へ突き落とす様な禍々まがまがしいオーラを放つ。


「ま、待ってくれ!!止まってくれ!!」


マモンは願いを大声で叫ぶが、エクスには届かない。
一振りで地面は割れ、地震を引き起こす。


「これが……『トリアイナ』の力。ありがとう、レヴィ。」


再びレヴィに感謝を告げ、マモンへと近づく。
マモンはエクスの圧倒的な力の前に、ただただ立ち尽くすしかできなかった。


「エノシ・ガイオス!!」


『トリアイナ』から無数の槍が顕現する。
エクスは走り出し、マモンを貫くと無数の槍全てがマモンへと突き刺さる。


「ば……かな、我が負けるとは……」


マモンが倒れると同時にエクスも倒れる。
『トリアイナ』を使った代償として、全魔力を吸い取られた。


「エクスさん……大丈夫ですか……」


なんとか回復したセレネが立ち上がり、エクスへと近づく。
エクスは全身から血を流し気を失っていた。


「よかった、なんとか無事です。」


セレネが安心し、レインの元へと近づくと、不気味な笑い声が式会場に響く。


「やりおるな、人間の子よ。ただ、油断したな。」


マモンは立ち上がり、再度大声で笑い出す。


「な、なんで……」
「我は最後の願いとし、蘇ることを望んだ。それだけだ。」


セレネは絶望した。
全員が瀕死状態。勝ち目は……ない。

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