最弱が世界を救う。

しにん。

新たな旅。

「それでは、いってらっしゃいませ。」
「じゃあね、エクスくん、レインちゃん、セレネちゃん。頑張ってね!!」


王女様とリリーから見送られ、次の旅へ出発した。
前とは違い今回はセレネが着いてきた。
レインの転移魔法を使えば一瞬で会えるが、セレネ本人も旅をし、様々なことを学びたいらしい。


旅の目的地は、絶対王政の国ラズ。
噂では、国王が魔法とは説明がつかない特異能力が使えると言われている。
レインの睨みでは、悪魔ではないのかと。
その調査をするため、ラズへと向かう。


「レインってラズに行ったことは?」
「行った事あるなら転移魔法を使うよ。それと、ラズは隣の国なんだからすぐ行けるし、試しに力を使えるでしょ?」


エクスは試練終了後、水を扱う記憶を取り戻した。
レヴィから教えて貰った魔法以外に、細かな調整もできるようになった。
どの程度まで使えるかわからない為、旅の途中に悪魔と遭遇した場合エクスに全て任せることにしてある。


「言ってるそばから目の前に二体の悪魔。まぁ、今のエクスくんなら雑魚だろうね。」


二人の前に立ち、エクスは水を生成する。
愛用していた剣はゼノとの戦いで折れてしまい、武器がない。
そのため、水で剣を創る。


「行くよ、リヴァイアサン!!」


水は一気にエクスの掌に集まり、形を整える。
剣の周りには水で出来た輪が回っている。


「これが、エクスくん本来の力。やっぱり只者じゃないね。」
「そうですね。私自身こんな魔法初めて見ました。」


レインとセレネの会話を聞き流し、目の前の悪魔へ近づく。
悪魔はこちらの存在に気づき襲いに来るが、もう遅い。
遠距離から、輪を飛ばし真っ二つにしていた。


「飛距離はせいぜい50m。コントロールが効くのが10mってところかな。」
「エクスくん今のは?」
「飛び道具の一種だよ。俺が初めて習得した技。取り戻した記憶の中にこれがあったんだ。」


剣を収めラズへと向かった。




───ラズ王国都心
のどかで自然が沢山ある。人口は5万人。
最大国家ラフィナは100万人のため、とても静かだ。


「空気が澄んでいて美味しい。さて、国王の調査だね。」
「でもどうやって会おう……」
「よぉ、エクス。久しぶりだな。」


突然背後から声がした。
昔何度も聞いた、懐かしい声。


「お、親父!?今まで何して……それよりも封印のこと話せよ!!」
「いやぁ、大きくなったなエクス。立ち話もなんだ、どこか店に入ろう。」


声の主はゼクス。
エクスの父にして、封印の術者。
世界最強の魔法使いと世界最強の剣士の名を持つ。
悪魔襲来後、消息が不明だった人物。


「親父、何個が聞きたいがまず最初に、なぜ記憶を封印した?」
「お前の素質が世界を変える恐れがあったから、とでも言っておこう。」
「素質?一体何の?」
「まだ秘密だ。今教えてもお前には理解出来ない。」
「それじゃ二つ目。なぜ、七大悪魔を倒すと魔石になりそれを使うと記憶を取り戻す?」
「そのへんもまだ秘密だ。」


ゼクスはどの質問にも「秘密」と言って、まともな返答がなかった。


「それにしても、噂では聞いてるぜ?二体の七大悪魔を倒したって。俺の息子は流石だな。」
「親父が戦えばすぐに終わるんじゃないのか?」
「生憎そう上手くは行かねぇって話だ。ちと俺も力を封印された。」
「親父の力が封印?」
「神様に封印された。」


ゼクスは煙草を一服すると、仕事があるからと言ってその場を去った。
久しぶりの再開もあっという間に終わった。


「さて、レイン、セレネ行こうか。ひとまず王宮へ行って話をしてみよう。」
「それしか無いだろうね。それよりも外が騒がしいね。何があったんだろう。」


先ほどとは一変して外は大騒ぎだった。
ラズの国王が近くを通りかかったらしい。
普段は人が少ない通りのはずだが、この時ばかりは人で埋め尽くされていた。


「ひとまず、どんな人なのか見ておこうよ。」


レインの一言により、三人は店の外へ出ることにした。

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