最弱が世界を救う。
終了。
水のドラゴンが咆哮し、部屋全体が揺れる。
「な、何このドラゴン!?」
「これがエクスくんの中に潜んでいる力の正体?」
『我の力を使うか、人の子よ。』
ドラゴンは直接脳内へ話しかける。
「力?お前の力って何?」
『今の姿は仮の姿に過ぎない。本来は魔王候補の一角。その力を使うかと聞いている。』
ドラゴンは魔王候補と告げるが、理解は無理だった。
目の前の状況が把握できず、力を拒むと───
『調子に乗るな人の子よ!!我を封印した事を死ぬまで後悔していろ!!』
ドラゴンはそう叫ぶと一瞬で水へと変化し、形を崩し消える。
「今のは何だったんだ。」
「君の中に潜んでいる力が仮の姿で出てきたって所かな。《嫉妬》の悪魔の私でも知らない悪魔なことは確実。」
エクスは悪魔の招待を知りたかったが、手掛かりがないため諦める道しか残されていなかった。
「ひとまず、今は『トリアイナ』の修行だよ。」
───レヴィの指示通りに試行錯誤してみるが、『トリアイナ』を形にする事は無理だった。
「『トリアイナ』はネプチューンの進化と考えれば少しはいいんじゃないかな?」
「ネプチューンの進化……よしっ、やってみる。」
「唸れ!!聖なる水よ!!ネプチューン!!」
ネプチューンの生成はだいぶ慣れて、すぐに出せるようになった。
進化という形を思い浮かべ、挑戦すると少しずつだが完成へ近づいていった。
───試練開始から一ヶ月後
「長くかかったけど、だいぶ形にはなってきたね。」
「それでもまだ留めておくだけで精一杯……これを使えるようになるのはまだまだ先かな。」
一ヶ月の成果は、五秒だけ顕現させることに成功していた。
本来であれば、長時間出せることが目標だがそれに届くことはほぼ不可能だ。
「マスター、試練の長時間の挑戦は現実世界の体に過度な負担がかかってしまい、死ぬ恐れがあります。タイムリミットはあと2日です。」
ムシュは説明していなかったが、試練の部屋は40日が限度で、それを過ぎると死ぬ。
その事実を今頃聞かされ、エクスは焦っていた。
「あと2日で完成させる……」
「エクスくん。少し話があるんだけどいいかな?」
「いきなりどうしたの?」
レヴィは試練を一時中断させ、休憩を取ることにした。
積もる話があるが、一つ聞いておきたかったことがあるらしい。
「ムシュから聞いたけど、エクスくんの約束ってどんな内容?」
「ムシュ何か話したのか?」
「マスターが悪魔を倒す理由を端的に話しました。」
「それで、約束って?」
「笑わないでよね?」
レヴィはこくこくと頷き、話に聞き入る。
「小さい頃ある女の子と約束をしたんだ。」
〝 全ての悪魔を倒す〟
「ぷふっ、ごめんちょっと面白くて。」
「笑わないって言ったよね……」
「まさか、最弱と言われた少年がここまで強くなるとはね。」
「どうしてそれを?」
「それもムシュから。」
どうやら、ムシュから過去の沢山のことを聞いたらしい。
「そう言えば俺も質問があるんだけど、《嫉妬》の悪魔として対峙した時、あの仮面は何だったの?」
「あの仮面は《嫉妬》の悪魔本体と言っても過言で無いですね。私は元人間です。一度殺され、悪魔になっています。」
「嫉妬の感情が強いからそうなったと。」
「正解。」
人間から悪魔へと変わると言うことは昔聞いたことがある。
「あの仮面は私の嫉妬の感情が強くなると現れるようになってる。」
レヴィはエクスのことが好きだったことを告げているため、エクスは無言で察する。
レヴィはレインにヤキモチを焼いていたことを。
「七つの大罪って聞いたことあるかな?世界の常識になりつつある、七大悪魔の本当の呼び方。」
「七つの大罪?なにか罪が?」
「七つの大罪はすなわち、七つの死に至る罪。それが七つの感情のことだよ。」
傲慢・憤怒・嫉妬・怠惰・強欲・暴食・色欲
これら全て七つの大罪。
人を死へと貶める罪。
「さて、お喋りは終わりだね。この試練は終了にささてもらうよ?」
「で、でもまだ完成はしてない……」
「うぅん。いつかは完成できる。そう信じてるから。」
レヴィは笑顔で答える。
「『トリアイナ』を使う時はまだ、控えておいたがいいよ。いつか時が満ちる時、必ず使えるようになる。さぁ、これで本当のお別れだよ。」
「消え、ちゃうんだね。最後に一言言わせてくれ。」
「うん。」
「ありがとう。君と出会えて俺は幸せだった。」
エクスの一言でレヴィは溜めていた涙を流す。
涙が地面へ落ちる瞬間、レヴィは淡い光に包まれ姿を消した───
「な、何このドラゴン!?」
「これがエクスくんの中に潜んでいる力の正体?」
『我の力を使うか、人の子よ。』
ドラゴンは直接脳内へ話しかける。
「力?お前の力って何?」
『今の姿は仮の姿に過ぎない。本来は魔王候補の一角。その力を使うかと聞いている。』
ドラゴンは魔王候補と告げるが、理解は無理だった。
目の前の状況が把握できず、力を拒むと───
『調子に乗るな人の子よ!!我を封印した事を死ぬまで後悔していろ!!』
ドラゴンはそう叫ぶと一瞬で水へと変化し、形を崩し消える。
「今のは何だったんだ。」
「君の中に潜んでいる力が仮の姿で出てきたって所かな。《嫉妬》の悪魔の私でも知らない悪魔なことは確実。」
エクスは悪魔の招待を知りたかったが、手掛かりがないため諦める道しか残されていなかった。
「ひとまず、今は『トリアイナ』の修行だよ。」
───レヴィの指示通りに試行錯誤してみるが、『トリアイナ』を形にする事は無理だった。
「『トリアイナ』はネプチューンの進化と考えれば少しはいいんじゃないかな?」
「ネプチューンの進化……よしっ、やってみる。」
「唸れ!!聖なる水よ!!ネプチューン!!」
ネプチューンの生成はだいぶ慣れて、すぐに出せるようになった。
進化という形を思い浮かべ、挑戦すると少しずつだが完成へ近づいていった。
───試練開始から一ヶ月後
「長くかかったけど、だいぶ形にはなってきたね。」
「それでもまだ留めておくだけで精一杯……これを使えるようになるのはまだまだ先かな。」
一ヶ月の成果は、五秒だけ顕現させることに成功していた。
本来であれば、長時間出せることが目標だがそれに届くことはほぼ不可能だ。
「マスター、試練の長時間の挑戦は現実世界の体に過度な負担がかかってしまい、死ぬ恐れがあります。タイムリミットはあと2日です。」
ムシュは説明していなかったが、試練の部屋は40日が限度で、それを過ぎると死ぬ。
その事実を今頃聞かされ、エクスは焦っていた。
「あと2日で完成させる……」
「エクスくん。少し話があるんだけどいいかな?」
「いきなりどうしたの?」
レヴィは試練を一時中断させ、休憩を取ることにした。
積もる話があるが、一つ聞いておきたかったことがあるらしい。
「ムシュから聞いたけど、エクスくんの約束ってどんな内容?」
「ムシュ何か話したのか?」
「マスターが悪魔を倒す理由を端的に話しました。」
「それで、約束って?」
「笑わないでよね?」
レヴィはこくこくと頷き、話に聞き入る。
「小さい頃ある女の子と約束をしたんだ。」
〝 全ての悪魔を倒す〟
「ぷふっ、ごめんちょっと面白くて。」
「笑わないって言ったよね……」
「まさか、最弱と言われた少年がここまで強くなるとはね。」
「どうしてそれを?」
「それもムシュから。」
どうやら、ムシュから過去の沢山のことを聞いたらしい。
「そう言えば俺も質問があるんだけど、《嫉妬》の悪魔として対峙した時、あの仮面は何だったの?」
「あの仮面は《嫉妬》の悪魔本体と言っても過言で無いですね。私は元人間です。一度殺され、悪魔になっています。」
「嫉妬の感情が強いからそうなったと。」
「正解。」
人間から悪魔へと変わると言うことは昔聞いたことがある。
「あの仮面は私の嫉妬の感情が強くなると現れるようになってる。」
レヴィはエクスのことが好きだったことを告げているため、エクスは無言で察する。
レヴィはレインにヤキモチを焼いていたことを。
「七つの大罪って聞いたことあるかな?世界の常識になりつつある、七大悪魔の本当の呼び方。」
「七つの大罪?なにか罪が?」
「七つの大罪はすなわち、七つの死に至る罪。それが七つの感情のことだよ。」
傲慢・憤怒・嫉妬・怠惰・強欲・暴食・色欲
これら全て七つの大罪。
人を死へと貶める罪。
「さて、お喋りは終わりだね。この試練は終了にささてもらうよ?」
「で、でもまだ完成はしてない……」
「うぅん。いつかは完成できる。そう信じてるから。」
レヴィは笑顔で答える。
「『トリアイナ』を使う時はまだ、控えておいたがいいよ。いつか時が満ちる時、必ず使えるようになる。さぁ、これで本当のお別れだよ。」
「消え、ちゃうんだね。最後に一言言わせてくれ。」
「うん。」
「ありがとう。君と出会えて俺は幸せだった。」
エクスの一言でレヴィは溜めていた涙を流す。
涙が地面へ落ちる瞬間、レヴィは淡い光に包まれ姿を消した───
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