最弱が世界を救う。

しにん。

《嫉妬》1

一ヶ月が経ち、リーダーとしても様になってきたエクス。
レインもエクスのサポートに慣れてき、『アテナ』も落ち着いていると言えた。


「ついにこの日がやってきた。各自準備は出来ているはず。この戦い、勝ちに行こう!!」


マーメイド襲撃からちょうど一ヶ月のこの日、《嫉妬》の悪魔の住処へ襲撃する日。


「エクス。何度も言うが、この度はリーダーを引き受けてくれ、本当に助かった。ありがとう。」
「そのセリフはみんなで帰ってきた時に言って欲しい……かな」
「ふっ、それもそうだな。」


二人は笑いあい、レインと三人で『アテナ』の皆の前に立つ。
エクスは昔から愛用する剣を腰に下げ、ゼノとレインは胸を張り、声を上げる。


「『アテナ』出陣!!」


従来同様のチーム編成で《嫉妬》の悪魔の元へ向かう。
前衛で、ドカドカ戦う近距離部隊のチームニケ。
後衛で、ニケのサポート、及びに遠距離部隊のチームアイギス。
ニケのリーダーをエクス、レイン。
アイギスのリーダーをゼル。


「待っていてくれ……ミラ……今、仇をとってやるやるからな……」


ゼノは目を瞑り、昔殺された妻、ミラのことを思い出しながら泣いていた。
エクスとレインは無言で察し、少し一人にさせた。


「昔……俺にも結婚しようと約束した子がいたっけな……」
「エクスくんに?」
「小さい頃だったから、相手が誰だったかも覚えてない……また会いたいな……」
「会えると、いいね……」


エクスの昔話を聞き、レインは少し表情が暗くなる。
雰囲気が重くなると、気づけば目的地についていた。
そこは、断崖絶壁の秘境。
人が寄り付かない場所だった。
到底、人間がいける場所ではなかった。
一歩間違えれば海へ落ち、まず助からないだろう。


「皆気を引き締めて……いこう!!」
「おおおおおおお!!!!」


全員は雄叫びを上げ、前進する。
目の前の光景に、皆は動揺を隠せない。


「なんだこれは……ゼノ話が違うぞ。」
「確かにここのはずだが……だが、確かに何かがここに住んでいた形跡はある……」


二人が詮索をしていると、レインの姿が消えた。
エクスは、《嫉妬》の悪魔を探しに少し離れていったのだろう、そう思っていたため、特に気にしてはいなかった。




詮索から一時間が経ち、なにも手がかりが無いため一度引き下がる事にした。
だが、エクスはレインの存在に気づきレインを探す。
少し離れていた所にレインは立っていた。
潮風により、髪は綺麗に舞っていた。


「レイン、一度ラフィナへ戻ることになった。帰ろ……っ!!」


レインは、振り向くとエクスに攻撃を仕掛けた。
突然の事にエクスは、大きく後ろへ飛び、攻撃態勢に入る。


「どうしたんだ、レイン!!」
「エクス!!離れて!!」


後ろから聞こえたゼノの声を聞き、その場を離れる。
ゼノは雷でレインを攻撃するが、当然のように避けられる。


「一体何が……」


エクスはまだ知らなかった。
レインの心の闇を。

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