最弱が世界を救う。

しにん。

仕事。

エクス達が『アテナ』入隊して、1週間が経った。
二人専用の軍隊服が出来たということで試着してみることになった。


「なんだか気が引き締まった……気がする。」
「どうかなエクスくん。ひらひらだよ。えへへ」


それぞれ特注の仕様にして貰っていた。
エクスは白と青をベースの軍隊服に、今後水魔法を使う時のために、耐水性をよくしてもらった。
レインは嫌々話を進められたため、普段着ている白いドレスをベースに、右手に青、左手に赤の手袋をしている。
赤い手袋は炎魔法を表しているらしい。
本人はだいぶ気に入っている様子でエクスに見せつける。


「こないだまで嫌々言ってた子は何処に行ったのやら……」
「まぁ、昔のことは忘れなよ。後ろじゃなく前を向いて生きていこう、エクスくん。」
「なんだかいい事言ってるけど……まぁ、いいか。」


2人が和気藹々と話していると、ゼノが目の前に現れる。


「2人とも、仕事だ。結界が薄いところを突破され、約300体の悪魔がここへ向かってきているらしい。敵を倒しつつ結界を貼り直す。君達は討伐部隊に入ってもらう。」


エクス達は初めての仕事を体験することになった。
初めての仕事の割には、とても難しい仕事の内容だった。


ゼノの指示を受け2人は討伐部隊の皆と合流した。
歴戦の戦士という言葉が似合うほど、皆からはただならぬオーラが出ていた。


「エクスくん。初めての仕事だね。300体ともなると相当骨が折れちゃうよ。」
「でも、俺らがやらないと死者が出てしまう。なんとしても食い止めるんだ。でもやっぱりこの戦いは厳しい。」


悪魔は一体ずつでも強いため、一体倒すためには最低でも3人のチームでないと勝てないと言われていた。
そのため、今ここにいる討伐部隊の人数は10人しか居らず、少し不安だった。
一人頭約30体。とてもではないが、勝てる戦いではないことは確実だ。
唯一の救いは討伐部隊にゼノがいること。
手合わせをし、ゼノの強さは体をもって知っている。


「ゼノ……俺らで何とかなるのかな……」
「なに、心配はいらない。何とかするのが俺達の仕事だ。」


ゼノは自信に満ち溢れていた。
エクスとレインは少し怖気づいていたが、ゼノは何も恐れていなかった。
これが、リーダーという素質なのだろうか、とエクスは考えていた。




ラフィナの最終防御壁と呼ばれる大きな壁は、街全体を覆っていた。
壁から半径10kmの円形の結界で街に悪魔が入らないように守っていた。
今回の出来事は、結界の綻びにより薄くなっていた場所を悪魔達は調べ、破壊し街へと進軍している。


「では、『アテナ』参る!」


ゼノの合図とともに、悪魔たちの集団へと皆は走っていった。
エクスたちも負けじと剣を振るう。




すると、目の前の悪魔の集団を無視し、皆は孤立している悪魔へと逃げる。
エクス達は何が起こっているのかわからなかった。


状況をうまく判断出来ないエクスは立ち止まっていた。
刹那、目の前にいた悪魔の集団、約200体は一瞬で消し炭になった。
一瞬思考が停止したエクスを起こすように、レインは腕を引っ張りその場を離れる。

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