最弱が世界を救う。

しにん。

《暴食》6

ベルゼバブは警備隊の兵士達をいとも容易く殺して見せた。まるで殺戮ショーを見せられてる気分だった。
「もう俺の相手はいねぇのかぁ?つまんねぇな。暇つぶしにもならねぇよ!!」


そう叫びベルゼバブは殺した兵士達へ近寄る。
「さぁ、食事の時間だ。」
短く小さな声で呟き兵士達の魂を貪る。
ベルゼバブは食事をしにこの街へやってきたと予測できる。
食事を終えるとベルゼバブの魔力は元通り。いや、それ以上に膨れ上がっていた。


少し離れていた場所でレインの回復を待つエクス。
「っ!警備隊の人達が……すまないみんな……仇は必ず取る……!あのベルゼバブをぶっ倒してやる。」
エクスは普段と違い怒りの声を漏らす。グリフォン襲撃の時の様に、エクスの目には抱いてはいけない感情が写っていた。
「だいぶ魔力は回復したよ。ありがとうセレネ。」
回復が終わりレインは立ち上がる。
「反撃開始だ!」
3人は大きな声で叫んだ。


「ん?ようやくお前らのお出ましか。こいつら暇つぶしにもならなかったからなぁ……お前らはいい暇つぶしになってくれるよなぁ!」
ベルゼバブは食事を終え無詠唱で魔法を使う。
今までの戦いでは1度も見せてこなかった魔法。
ベルゼバブは素手と剣1本のみでこれまで戦ってきた。3人は魔法を警戒した。
「さぁて本気で行くかな!」


ベルゼバブがそう口に出すと、ベルゼバブの体中に刻印が現れる。同時に大量の魔力を消費した。
やがて全身に刻印が行き渡ると掌を前に突き出した。掌には小さな魔法陣があった。
「来い!パルミュラ!」
掌からは先程まで使っていた剣とは違い、大剣が現れた。両手で持たないと行けないぐらい大きな剣を片手で持ちニヤリと笑う。


「なんて大きな剣……だけどあれほど大きければ動きは鈍くなるはずだ。そこを狙って───」
エクスが作戦を告げようとした瞬間、ベルゼバブはエクスの横腹を目掛けて大剣を振りかざす。
瞬間移動とまで言えるほどの速度で攻撃してきたのだ。
「エクスくん!大丈夫!?」
突然の出来事にレインは思考が追いつかなかった。
エクスはギリギリのタイミングで剣を盾にし防いでいた。だが、完全には防ぎきれていなく少しだけ横腹から血を垂らす。
「なんとか無事だけど……それよりも予想を遥かに超える速度だ……気をつけて。」
セレネとレインは今までにないほど集中しベルゼバブの動きを見極め攻撃を避ける。
「あぁ?全く当たらねぇ。まだギアが足りねぇのか?」
ベルゼバブはギアによって身体的強化のレベルを調節できる。無論いい事ばかりではなかった。
「ぐふっ……ハァハァ……」
ベルゼバブは血を吐き出した。
恐らくは魔力の使いすぎにより命を削っていた。
「俺はまだまだやれるぜぇ!!」


「それではあの作戦を使いましょう。恐らくチャンスは1度限り。失敗するとそこでこの街は終わりです。」
いつも通り表情のない顔でエクスとレインに合図をする。
合図を見届け2人は剣を握り並んだ。

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