最弱が世界を救う。

しにん。

記憶。

エクスはファントムの声を聞いてどこか懐かしい気がした。昔に沢山聞いた声のような。
「その……ファントムさん?俺らに何か用かな?」
「おっと、これはこれは失礼しました。私はフォルトの旦那の息子がエインガルドに来ていると噂を聞いてやって参りました。」
「お父さんの知り合い……?」
「まぁ、そんなところでしょう。それで貴方の事を頼まれまして。」
 仮面の奥でニヤリと笑った気がした。レインはずっと表情を変えずに男を睨む。
「頼まれた?何を?」
「フォルトの旦那は言いました。息子のエクスはきっと呪いのことに気づいてそれが何なのか調べると。そこでとあることを頼まれたのです。」
「お父さんが呪いのことを知っている……?それで頼まれた……?すまないが理解できない。」
「それもそうでしょう。呪いをかけた張本人が貴方の父親。ゼクス=フォルトなのですから。」
「っ!お父さんが……一体何を考えてるんだ。」
「隣のお嬢さんはもう気づいてるみたいですね。流石はレイン・シェインと言ったところでしょうか。」
 ファントムはレインを眺めがらそう告げる。
 レインは視線を一気に落とした。
「えっ?レインも気づいていた……?」
「黙っててごめんねエクスくん。傷つくと思って言い出せなかったんだ。」
「俺がそんな事で傷つくわけが無いよ。それでレイン。どうしてお父さんが呪いをかけたと気づいたの?」
「エクスくんは知らないかもだけど君のお父さんは腕利きの魔法使いだった。剣も魔法も使えて言わば最強と言えるだろう。セレネでもわからない呪いとなると発動者は限られてくる。そこで君のお父さんがそうなんじゃないかと……」
 レインは泣き出した。
「レ、レイン!何も泣かなくたっていいんだよ。」
 エクスはレインを抱きしめ頭を撫でる。
「うぅっ。ごめんなさいエクスくん……」
「それで、ファントム。お父さんから頼まれていた事って何を頼まれていたんだ?」
 エクスはファントムを睨みつける。
「おっと。いろいろと話が逸れてましたね。それで呪いが何かを封印した、ということは理解してますね?」
 エクスはちらりとセレネを見る。セレネは頷く。
「あぁ。セレネから何かを封印されていると言われた。何を封印したのかはわからないが。」
「私がここに来た理由はその封印された物について話すためです。率直に申し上げますと、封印されているものは記憶と聞いています。」
「記憶……?何の記憶だ?」
「いえ。詳しい記憶の内容は教えてくれませんでした。ですが彼は封印を解くヒントをくれました。それは七大悪魔。つまり七つの大罪の悪魔を倒すことと。」
「それは丁度いい。俺らが旅に出た理由がその7体を倒すことだからな。」
「それはそれは。世界の為にも頑張ってください。それともう一つ。悪魔を倒すと石がどうてらと聞きました。恐らくは神殿の主などに見せるとわかるとか何とか。」
「悪魔を倒すと石に……?なんだかお前の言ってることは曖昧だな。」
「では、私の仕事は終わりです。またどこかで会いましょう。エクスくん。」
 ファントムは別れを告げたと思うと背中に異空間が広がっていた。その暗闇の中にファントムが飛び入ると一瞬で異空間は消えた。
「転移魔法……?いや、それにしてはあの入口は……」
 ファントムが突如消えたことにレインは頭を抱える。
「あの魔法は一体なんだ……。」
 レインが深く考えているとエクスは
「っじゃ、旅の最終目標以外にも目的ができたことだし、明日の朝にここを出ますか。」
 エクスは前向きに考えていた。ゼクスの事についてわかるかもしれない。記憶の中にゼクスのことがあるかしれない。エクスは父、ゼクスの事を考えていた。
「うん!でも旅に出る前にまずはエクスくんの特訓が必要だと思うんだけど……」
 周りのみんなはエクスを見て笑い出した。

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