最弱が世界を救う。
結婚。
「レインー?儀式は終わったぞ。どこにいるんだー?」
「あ、エクスくん。で、結果はどうだったの?」
「セレネにもよく分からないらしい。恐らくは何かを封印されているのかもって。」
 一気にレインの表情が険しくなる。
「レイン?」
「いや、何でもないよ。あははー……」
「ならいいけど。それでエインガルドに戻ることについて話があるんだけど……」
「もしよろしければ、私も御一緒させて頂いて宜しいでしょうか?」
 セレネが前に出た。
「え?別に4人までなら私の転移魔法で運べるけど。いきなりどうしたの?」
「私はここでのやるべき事は全て終わらせました。1度外に出て別のことをしようと思いまして。」
「わかった。エクスくんの呪いについて調べてくれたお礼に連れてってあげる。」
「ありがとうございます。」
 セレネはレインに深々とお辞儀をした。
 寝ているリリーを部屋まで連れていき、レインはエクスに話があると外へ連れ出した。
「それじゃ、エクスくん。約束のこと覚えてるよね?」
 一瞬なんのことかわからなかったがよく考えてみると、この依頼が成功した時レインの願いを叶えると約束した。
「あー、そういやそうだったね。それで何をすればいいの?」
「その……言いづらいんだけど……リ、リリーとの結婚を取りやめて欲しいんだけど……」
 何の事かと思えばリリーとの結婚についてだった。エクスは思い切って告げる。
「もちろんそのつもりだよ。いきなり結婚だなんて流石にゴメンだ。」
「ほんとにっ!?ホントにいいの?」
「え、うん。断るつもりだけど?」
「よかった……エクスくんが遠い存在になるんじゃないかって思ってて。これで一安心だ!」
 レインはとても嬉しそうに飛び跳ねる。
 こうして見るとやっぱりまだまだ幼いな、そう思いながらレインを見てふと疑問に思う。
「レインって何歳なんだ?」
 考えていたつもりが口に出てしまった。
「女性に年齢を聞くのは禁止だよ?まぁ、エクスくんになら教えてあげる。私は14歳だよ!」
「え、10歳ぐらいだと思ってた……なんかごめん。」
「それはどこを見て言ってるのかなー?」
 レインはトーンを下げてジト目で睨みつける。
 エクスの視線は主に身長と胸に行っていた。
「どーせ私はちっさいですよ!!!」
 レインは半泣きでエクスを軽くポカポカと叩く。
 すると、セレネとリリーがやってきた。
 どうやらリリーは目を覚ましたみたいだ。
「あ、あの……この度は私のためにありがとうございました!」
 リリーは別人のようになっていた。
「いや、こっちこそリリーに助けられたからね。あの時リリーがいなかったらどうなっていたことか……思い出すだけでも寒気が。」
 エクスは洞窟の状況を思い出す。
「あ、そうそうリリーに話があるんだ。こないだの結婚の話を取りやめてくれないか?リリーが幸せな人生を送れなくなるかも知れない。結婚相手はちゃんと考えてから選んだ方が絶対にいいよ!」
 エクスはリリーとの結婚を断った。
「へ?結婚?ごめんなさい。エクスさん何言ってるのかしら?」
 リリーは結婚の話を忘れてしまっていた。
 エクスはふと考えると、
「あ、そう言えばセレネが儀式が成功すると記憶が消えるとか言ってた気が……」
 エクスはそう思い出すと顔を真っ赤にして落ち込む。
「ま、まぁ曖昧にするよりはきっぱり言った方がいいよね!大丈夫だよエクスくん!」
 レインはエクスの頭を撫でて励ます。
────その日の夕方。
 日が暮れて空は徐々に赤く染まる。
「さて、夜になる前に戻るとしますか。」
 レインが書いた魔法陣の中に4人は集まる。
「皆、くれぐれも私から離れないでね。私を離れるとどこに転移されるかわからないから。」
 そういいレインは詠唱を始める。
 突如、目の前が真っ暗になる。エクスはレインの手を離しそうになるがぎゅっと握り締める。
 目の前が明るくなり目を開けるとそこはもうエインガルドの王宮の前だった。
「よし、みんな居るね。転移成功!あ、あとエクスくん……もうそろそろ手を離してくれないかな……ちょっと恥ずかしいよ……」
「あっ!ご、ごめん!!」
 エクスとレインは顔を赤くして下を向く。
 すると王宮の扉が開きそこには王女様がいた。
「おかえりなさい。っ!リリー!」
 王女様とリリーは久しぶりの再会で嬉しくなり抱き合っていた。
「本当に……本当にありがとうございます!このご恩はいつかお返しします。」
「お返しは後でいいからさ、とりあえずは再会を喜びなよ。」
「心遣い感謝します。それと貴方達にお客様が来ていますよ。いま応接間にいます。」
「俺らに客?誰だ……?」
 案内された部屋の扉を開けるとそこには仮面の男がいた。
「やあ、はじめましてエクス=フォルト君。レイン・シェインちゃん。僕はファントムと言います。以後お見知りおきを。」
 そういい仮面の男は深々とお辞儀をする。
 一瞬レインの目に殺意を感じたがすぐ消えたので気のせいだとエクスは思い仮面の男を見る。
「あ、エクスくん。で、結果はどうだったの?」
「セレネにもよく分からないらしい。恐らくは何かを封印されているのかもって。」
 一気にレインの表情が険しくなる。
「レイン?」
「いや、何でもないよ。あははー……」
「ならいいけど。それでエインガルドに戻ることについて話があるんだけど……」
「もしよろしければ、私も御一緒させて頂いて宜しいでしょうか?」
 セレネが前に出た。
「え?別に4人までなら私の転移魔法で運べるけど。いきなりどうしたの?」
「私はここでのやるべき事は全て終わらせました。1度外に出て別のことをしようと思いまして。」
「わかった。エクスくんの呪いについて調べてくれたお礼に連れてってあげる。」
「ありがとうございます。」
 セレネはレインに深々とお辞儀をした。
 寝ているリリーを部屋まで連れていき、レインはエクスに話があると外へ連れ出した。
「それじゃ、エクスくん。約束のこと覚えてるよね?」
 一瞬なんのことかわからなかったがよく考えてみると、この依頼が成功した時レインの願いを叶えると約束した。
「あー、そういやそうだったね。それで何をすればいいの?」
「その……言いづらいんだけど……リ、リリーとの結婚を取りやめて欲しいんだけど……」
 何の事かと思えばリリーとの結婚についてだった。エクスは思い切って告げる。
「もちろんそのつもりだよ。いきなり結婚だなんて流石にゴメンだ。」
「ほんとにっ!?ホントにいいの?」
「え、うん。断るつもりだけど?」
「よかった……エクスくんが遠い存在になるんじゃないかって思ってて。これで一安心だ!」
 レインはとても嬉しそうに飛び跳ねる。
 こうして見るとやっぱりまだまだ幼いな、そう思いながらレインを見てふと疑問に思う。
「レインって何歳なんだ?」
 考えていたつもりが口に出てしまった。
「女性に年齢を聞くのは禁止だよ?まぁ、エクスくんになら教えてあげる。私は14歳だよ!」
「え、10歳ぐらいだと思ってた……なんかごめん。」
「それはどこを見て言ってるのかなー?」
 レインはトーンを下げてジト目で睨みつける。
 エクスの視線は主に身長と胸に行っていた。
「どーせ私はちっさいですよ!!!」
 レインは半泣きでエクスを軽くポカポカと叩く。
 すると、セレネとリリーがやってきた。
 どうやらリリーは目を覚ましたみたいだ。
「あ、あの……この度は私のためにありがとうございました!」
 リリーは別人のようになっていた。
「いや、こっちこそリリーに助けられたからね。あの時リリーがいなかったらどうなっていたことか……思い出すだけでも寒気が。」
 エクスは洞窟の状況を思い出す。
「あ、そうそうリリーに話があるんだ。こないだの結婚の話を取りやめてくれないか?リリーが幸せな人生を送れなくなるかも知れない。結婚相手はちゃんと考えてから選んだ方が絶対にいいよ!」
 エクスはリリーとの結婚を断った。
「へ?結婚?ごめんなさい。エクスさん何言ってるのかしら?」
 リリーは結婚の話を忘れてしまっていた。
 エクスはふと考えると、
「あ、そう言えばセレネが儀式が成功すると記憶が消えるとか言ってた気が……」
 エクスはそう思い出すと顔を真っ赤にして落ち込む。
「ま、まぁ曖昧にするよりはきっぱり言った方がいいよね!大丈夫だよエクスくん!」
 レインはエクスの頭を撫でて励ます。
────その日の夕方。
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 レインが書いた魔法陣の中に4人は集まる。
「皆、くれぐれも私から離れないでね。私を離れるとどこに転移されるかわからないから。」
 そういいレインは詠唱を始める。
 突如、目の前が真っ暗になる。エクスはレインの手を離しそうになるがぎゅっと握り締める。
 目の前が明るくなり目を開けるとそこはもうエインガルドの王宮の前だった。
「よし、みんな居るね。転移成功!あ、あとエクスくん……もうそろそろ手を離してくれないかな……ちょっと恥ずかしいよ……」
「あっ!ご、ごめん!!」
 エクスとレインは顔を赤くして下を向く。
 すると王宮の扉が開きそこには王女様がいた。
「おかえりなさい。っ!リリー!」
 王女様とリリーは久しぶりの再会で嬉しくなり抱き合っていた。
「本当に……本当にありがとうございます!このご恩はいつかお返しします。」
「お返しは後でいいからさ、とりあえずは再会を喜びなよ。」
「心遣い感謝します。それと貴方達にお客様が来ていますよ。いま応接間にいます。」
「俺らに客?誰だ……?」
 案内された部屋の扉を開けるとそこには仮面の男がいた。
「やあ、はじめましてエクス=フォルト君。レイン・シェインちゃん。僕はファントムと言います。以後お見知りおきを。」
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