最弱が世界を救う。
七つの死に至る罪
「今宵はパーティナイト!なんと素晴らしきこの世界……嗚呼、実に素晴らしい!!さぁ、今度はどんな物語を紡いでくれるのか、楽しみで仕方ないよ!!」
男は手を叩き上機嫌。
終いには、一人で踊り始める────
とある田舎の街、声が響く。
声の主は、一人素振りをしていた少年───エクス。
一人で修行をしていると、近くを通りかかった子供たちから声をかけられる。
「エクス、また一人で頑張ってるのか?どうせ頑張ってもお前じゃ強くならねぇって」
「えっと、確かエクスくんの夢って悪魔を全部倒すんでしたっけ?頑張ってね」
「おいやめろって、あんな奴じゃ無理だって、まともに戦えやしねぇ」
「女にも負けそうだよな、ハハハッ」
子供たちの声はエクスを小馬鹿にしていた。
「うるせぇ!俺は強くなるんだ!黙ってろ!」
「止めとけって、お前じゃ戦いに行ってもすぐに殺されるって」
「────ッ」
(何もしないより、何かをして死んだがマシだ!)
そんなことを思いながらただひたすら木刀を振っていた。
この世界に悪魔が来て早四年。
突如現れた悪魔達は、次々と人間を襲い殺した。
目的は未だに不明。
大量の悪魔には、それぞれの負の感情を罪とされた悪魔、通称七つの大罪と呼ばれる七体の悪魔の元で暴れている。
人は七つの大罪の悪魔を七大悪魔と呼び、恐れてきた。
人類は衰退し、今では全盛期の人口の二割にも及ばない。
殺された人数は測りきれない。
勿論、対抗すべく人類はあらゆる手を使った。
持ちうる全てを使い、負けていた。
『アテナ』と呼ばれる討伐部隊や、様々な団体は七大悪魔こそ倒せないものの、数え切れぬほど悪魔を倒してきた。
エクスもまた、悪魔を倒さんとする一人だった。
「────ッ!?」
いつものように修行していると街の方が騒がしい。何かが起きている。
エクスは剣を握り騒ぎの中心へと向かった。
エクスが騒ぎの中心へ辿り着くと、何人もの犠牲者が倒れており、町は全壊だった。
「誰がこんなことを……」
エクスが膝をついていると空から声が聞こえてきた。
「ギャァァァァァァァァア!!!!」
咄嗟に上を向くとエクスは目を疑った。
ライオンの下半身に鷲の上半身と翼。あれはまさしくグリフォンだ。
「な、なんで悪魔がこんな所に!!」
持っていた剣を強く握り、グリフォンに立ち向かうが人間の何倍もの大きさの悪魔にはダメージは行かない。
何度も攻撃をするが、一向に倒せる気配がしない。
攻撃を続けていると、低い声が聞こえてきた。
「人の子よ。お主はなぜ怒っておるのだ?散々バカにした奴らはもう死んだのだぞ?お主をバカにするもはもういない。喜ばしいことではないのか?」
「黙れ……!黙れ黙れ!!それでもあいつらは俺の大事な友達だったんだ!なのに貴様は!!」
「言っても無駄なようだな。まぁ良いお主も死ぬが良い」
グリフォンはエクスを掴み、握り潰そうとした。
その瞬間グリフォンは遥か後方に吹き飛ばされた。
一体何が起きているのか理解できないエクスの前に一人の少女が舞い降りた。
少女は無言のまま立っている。
見た目は幼く白いドレスを着ていて美しいというよりかわいい。
そうエクスが思っていると、
「君はなぜ無謀だとわかっていてグリフォンと戦っていたのだ。いや、それ以前になぜ逃げない」
急に喋りかけられて戸惑う。
一瞬思考が停止したが胸に秘めた思いを吐き出す。
「お、俺はグリフォンが許せない……あいつは沢山の人を殺した。罪のない人までも殺したんだ!そんなやつを前に逃げるなんて死んだ方がましだ!」
そう叫ぶと少女は無邪気な笑顔をし、笑い出す。
「君、面白いことを言うね。うん、うん、気に入った!!君に私の力を貸そうではないか」
そういうと彼女はエクスに一つの剣を差し出した。
「この剣は…?」
「この剣は星砕きと言われている。その名の通り星を砕く剣だ。それをどう使うかは君次第だよ」
そう言われてエクスは決心した。
「ここであいつを倒さないと被害は増える一方だ……!グリフォン!!!勝負だ!!」
そう叫ぶとグリフォンは目を見開いてこちらに問いかける。
「お主……その剣をどうしたのだ!!その剣はその剣は……ここは一旦引くとする、さらばだ人間の子よ」
そう吐き捨てると、グリフォンは羽ばたき、空へと逃げようとする。
「逃がすか」と叫び、エクスはグリフォンへと一直線に走り出す。
一閃、グリフォンの体を貫き、切り裂く。
──こうしてグリフォン襲撃は幕を閉じた。
エクスは星砕きをくれた少女に問いかける。
「君は一体何者なんだ…?」
「さぁ?私は誰だろうね」
そう笑いながら答えを貰うと逆に質問される。
「あ、そうそう私君の事気に入っちゃった!君の名前はなんて言うのかな?」
「俺はエクス、エクス=フォルト。君は?」
「私の名前はレイン、レイン・シェイン。気軽にレインって呼んでねエクスくん」
彼女からはどこか懐かしい感じがする…
「さぁ行こう、エクスくん!全ての悪魔を退治するんでしょ?」
「ど、どうしてそれを?」
「ふふふっ、まだ秘密。さっ行こ!」
初めてあったはずの少女は、昔出会った少女を連想させた。
「エクスくん、私……悪魔が怖い……」
「大丈夫だ、俺が何とかしてやるから、もう泣くな」
「じゃあ、約束……して?」
「おう、守れるものは守るぜっ」
「悪魔を……全部の悪魔を倒して!!」
エクスは、昔少女と約束したことを思い出す。
相手の顔や特徴全てが記憶にないが、そのことだけは覚えていた。
男は手を叩き上機嫌。
終いには、一人で踊り始める────
とある田舎の街、声が響く。
声の主は、一人素振りをしていた少年───エクス。
一人で修行をしていると、近くを通りかかった子供たちから声をかけられる。
「エクス、また一人で頑張ってるのか?どうせ頑張ってもお前じゃ強くならねぇって」
「えっと、確かエクスくんの夢って悪魔を全部倒すんでしたっけ?頑張ってね」
「おいやめろって、あんな奴じゃ無理だって、まともに戦えやしねぇ」
「女にも負けそうだよな、ハハハッ」
子供たちの声はエクスを小馬鹿にしていた。
「うるせぇ!俺は強くなるんだ!黙ってろ!」
「止めとけって、お前じゃ戦いに行ってもすぐに殺されるって」
「────ッ」
(何もしないより、何かをして死んだがマシだ!)
そんなことを思いながらただひたすら木刀を振っていた。
この世界に悪魔が来て早四年。
突如現れた悪魔達は、次々と人間を襲い殺した。
目的は未だに不明。
大量の悪魔には、それぞれの負の感情を罪とされた悪魔、通称七つの大罪と呼ばれる七体の悪魔の元で暴れている。
人は七つの大罪の悪魔を七大悪魔と呼び、恐れてきた。
人類は衰退し、今では全盛期の人口の二割にも及ばない。
殺された人数は測りきれない。
勿論、対抗すべく人類はあらゆる手を使った。
持ちうる全てを使い、負けていた。
『アテナ』と呼ばれる討伐部隊や、様々な団体は七大悪魔こそ倒せないものの、数え切れぬほど悪魔を倒してきた。
エクスもまた、悪魔を倒さんとする一人だった。
「────ッ!?」
いつものように修行していると街の方が騒がしい。何かが起きている。
エクスは剣を握り騒ぎの中心へと向かった。
エクスが騒ぎの中心へ辿り着くと、何人もの犠牲者が倒れており、町は全壊だった。
「誰がこんなことを……」
エクスが膝をついていると空から声が聞こえてきた。
「ギャァァァァァァァァア!!!!」
咄嗟に上を向くとエクスは目を疑った。
ライオンの下半身に鷲の上半身と翼。あれはまさしくグリフォンだ。
「な、なんで悪魔がこんな所に!!」
持っていた剣を強く握り、グリフォンに立ち向かうが人間の何倍もの大きさの悪魔にはダメージは行かない。
何度も攻撃をするが、一向に倒せる気配がしない。
攻撃を続けていると、低い声が聞こえてきた。
「人の子よ。お主はなぜ怒っておるのだ?散々バカにした奴らはもう死んだのだぞ?お主をバカにするもはもういない。喜ばしいことではないのか?」
「黙れ……!黙れ黙れ!!それでもあいつらは俺の大事な友達だったんだ!なのに貴様は!!」
「言っても無駄なようだな。まぁ良いお主も死ぬが良い」
グリフォンはエクスを掴み、握り潰そうとした。
その瞬間グリフォンは遥か後方に吹き飛ばされた。
一体何が起きているのか理解できないエクスの前に一人の少女が舞い降りた。
少女は無言のまま立っている。
見た目は幼く白いドレスを着ていて美しいというよりかわいい。
そうエクスが思っていると、
「君はなぜ無謀だとわかっていてグリフォンと戦っていたのだ。いや、それ以前になぜ逃げない」
急に喋りかけられて戸惑う。
一瞬思考が停止したが胸に秘めた思いを吐き出す。
「お、俺はグリフォンが許せない……あいつは沢山の人を殺した。罪のない人までも殺したんだ!そんなやつを前に逃げるなんて死んだ方がましだ!」
そう叫ぶと少女は無邪気な笑顔をし、笑い出す。
「君、面白いことを言うね。うん、うん、気に入った!!君に私の力を貸そうではないか」
そういうと彼女はエクスに一つの剣を差し出した。
「この剣は…?」
「この剣は星砕きと言われている。その名の通り星を砕く剣だ。それをどう使うかは君次第だよ」
そう言われてエクスは決心した。
「ここであいつを倒さないと被害は増える一方だ……!グリフォン!!!勝負だ!!」
そう叫ぶとグリフォンは目を見開いてこちらに問いかける。
「お主……その剣をどうしたのだ!!その剣はその剣は……ここは一旦引くとする、さらばだ人間の子よ」
そう吐き捨てると、グリフォンは羽ばたき、空へと逃げようとする。
「逃がすか」と叫び、エクスはグリフォンへと一直線に走り出す。
一閃、グリフォンの体を貫き、切り裂く。
──こうしてグリフォン襲撃は幕を閉じた。
エクスは星砕きをくれた少女に問いかける。
「君は一体何者なんだ…?」
「さぁ?私は誰だろうね」
そう笑いながら答えを貰うと逆に質問される。
「あ、そうそう私君の事気に入っちゃった!君の名前はなんて言うのかな?」
「俺はエクス、エクス=フォルト。君は?」
「私の名前はレイン、レイン・シェイン。気軽にレインって呼んでねエクスくん」
彼女からはどこか懐かしい感じがする…
「さぁ行こう、エクスくん!全ての悪魔を退治するんでしょ?」
「ど、どうしてそれを?」
「ふふふっ、まだ秘密。さっ行こ!」
初めてあったはずの少女は、昔出会った少女を連想させた。
「エクスくん、私……悪魔が怖い……」
「大丈夫だ、俺が何とかしてやるから、もう泣くな」
「じゃあ、約束……して?」
「おう、守れるものは守るぜっ」
「悪魔を……全部の悪魔を倒して!!」
エクスは、昔少女と約束したことを思い出す。
相手の顔や特徴全てが記憶にないが、そのことだけは覚えていた。
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