インセクト ケージ

内藤 涼

3話 パラサイトベビーIII

[うぇっ!?デカくない?これが女王なの?話が違うじゃんお姉ちゃん!]
[逃げるよ月夜こんな奴は資料で見た事ない]
予想外の敵に元来た道を慌ててもどる。
階段を降り先ほどのリビングにたどり着いた時、玄関の方から近づいて来る人影を見つけた。
[人間なら返事をして下さい]
朝陽が問いかけるが、返事は無い。
相手が人でない事を察した朝陽は無言で矢を放った。
放った矢は胴体に突き刺さり人影は玄関の方まで引き飛んで行った。
しかしすぐに人影は立ち上がる。矢は当たったが浅かったのである、寄生型のバグは宿主の背中に張り付き脊柱に通る神経を乗っ取る事で宿主をコントロールする、そのため正面からの攻撃はあまり効果的では無かったのだ。
[全然効いてないじゃんか]
月夜が呆れた様な声をだし朝陽を見つめる。
朝陽が弓の持ち手にあるトリガーの様な物を引いた刹那、強烈な破裂音とともに目の前の人影の上半身が吹き飛んだ。
[効いてるから大丈夫、早く出よう]
いきなりの出来事に唖然としている月夜の腕を掴み急ぎ玄関の外に出た。
するとちょうどIcの人間が到着した。
[黒崎 朝陽だな?俺はIcの士道しどう タケルだ状況を説明してくれ]
家に帰るとバグが侵入していた事、その人物の家を調査した事、見た事の無いタイプのバグを見つけた事など一通りの説明をした。
[資料に無いバグか……調査が必要だな、聞こえたな千翼ちひろ?俺のキルフレームと捕縛兵装ほばくへいそうを用意してくれ]
[はい準備は済んでおりますタケル様]
[んじゃ行くとしますかねぇ、二人はここで待機な、何かあったらそこの千翼に言ってくれ]
そう言うとタケルはキルフレームなる物を装着してバグの元に向かった。






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