拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。
拝啓、❬法王❭。ようやく正体が分かったよ。
「グッ……!?」
俺の斬撃をまともにくらった❬大神父❭さんは困惑をふくんだ小さなうめき声を上げた。
「❬大神父❭さん。今俺が使った技……《裁式:天秤》は俺自身が完成させた剣技です」
体から血を流す❬大神父❭さんに向かって言う。
❬大神父❭さんは苦しそうにしながらも疑問を口にした。
「へぇ?それってさ……どんな攻撃でも反撃できるの?」
この技の核心を突く質問。流石神様達からも認められる武人、一度見ただけで不自然な点に気づくとはやはり普通ではない。
「はい。この技は俺の❬因果逆転の魔眼❭の能力を応用した技なんです。この技はどんな攻撃でも相手に返すことができるんです。……まぁ、もちろん条件付きですが」
自らの魔法を使って怪我を回復させた❬大神父❭は先ほどの苦しみなど忘れたかのように笑った。
「ハハハ!良いね、見事に私は一本取られたってことか!」
「でも、もう通じないでしょう?」
「そりゃそうでしょ?」
冗談抜きでそう返してくるあたり本当にもう通じないだろう。
「しっかしまあ……本当に一週間で私を倒すまでになるとは」
驚嘆した様子でそう言われた。
「約束通り❬法王❭について教えてくれるんですよね?」
「もちろん!約束は守るさ。まあ、取りあえず中でゆっくり話そう。レナとルナも交えてね?」
「はい!」
こうして俺は❬大神父❭さんを(よく分からない力や、初見殺しとも言える技を使ったにせよ)倒したのであった。
「さて……どこから話そうか?」
俺の向かいに❬大神父❭さん、レナとルナが左右にいて向かいあって座っている。
「別にどこからでもいいでしょ、おじいちゃん」
レナが言う。
「まあ、それもそうか。えっとね、秤君。❬法王❭はね……一人じゃない」
「え?」
呆気に取られる。俺はずっと法王は一人だと考えていたから。
「でも、❬法王❭は常人族の長なんでしょう?確か魔法を使えるのも❬法王❭だけって……」
そう、神様は常人族で魔法が使えるのは❬法王❭だけと言っていた。
「うーん?なんて言えば良いんだろう。いやまあ確かに❬法王❭の肩書きを持つ者は一人だよ?でも魔法を使える常人族は一人じゃない」
遠回しな言い方をする❬大神父❭さん。
「だから、どういうことですか?」
「今までの❬法王❭は強力な力を持つ者が王として君臨していた。だけどね今の❬法王❭は……その強力な力を分割して自分が認める手下の何人かにその力を渡したんだ」
「じゃあ……全員倒さないといけないんですか?」
「まあ、そうなるね」
「じゃあ……その人達はどこの誰なんですか?」
多分、最も大事な情報。この世界に来てからずっと追ってきた相手。グラハムさんから託された願いの対象。
「今の❬法王❭は……」
それが今、ようやく分かる。
「この国の王レイク・ウル・イリスティア。彼こそが神イル・リアスを信仰するイリスティア教の長であり……君がずっと知りたがっていた❬法王❭だよ」
「……!」
……なんとなく、そうじゃないかとは思っていた。思ってはいたのだ。
しかし今、こうして❬大神父❭さんの口から改めてはっきりと告げられると本当なのかと思う気持ちが湧いてくる。
「ちなみに❬法王❭が力を渡した手下っていうのは教会のトップに位置する数人の聖者達さ」
「あと……」
ルナが何かを言いづらそうにしている。
「なんだ、ルナ?」
「いえ、やっぱり何でもないです!」
「……?そうか?」
ルナの様子に少し違和感を覚えたがそれよりも❬法王❭についての情報の衝撃が残っていてあまり気にならなかった。
「で、これから秤君は❬法王❭を倒しに行くんだよね?」
そこで、❬大神父❭さんがそれまでの会話を一旦止め、これからについての話題をふった。
「はい。その為にもここで特訓していたんですし」
「本当は❬法王❭の情報が第一目標だったくせに」
レナが突っ込みを入れてくる。
「ま、まあそうだったけどさ……」
「まあまあ、それはともかく、提案なんだが秤君。私達にも❬法王❭を倒すのに協力させてくれないか?私達は聖者達、秤君は王様を倒すという形で」
意外な提案を❬大神父❭さんが出してきた。
内心驚く。❬大神父❭さんはこの戦いには参加しないものだと勝手に思いこんでいたから。
「もちろんいいですけど……どうしてですか?」
❬大神父❭さんは異様に強い。その人が加わってくれるとは。
「どうしてって?それはね……私は神の言葉と偽って自分達の言葉を信徒達に伝えているあの腐った奴らが大嫌いでね。ずっといつか今の教会のトップ層を潰してやろうって思ってたんだ。今回がちょうどいいタイミングなんだよ」
「へえ……」
確かにそんな奴らが上に立っていると思うとあまり良い気分ではない。
「じゃあ、早速作戦会議しよう!」
こうして本格的に❬法王❭を倒す動きが始まった。
俺の斬撃をまともにくらった❬大神父❭さんは困惑をふくんだ小さなうめき声を上げた。
「❬大神父❭さん。今俺が使った技……《裁式:天秤》は俺自身が完成させた剣技です」
体から血を流す❬大神父❭さんに向かって言う。
❬大神父❭さんは苦しそうにしながらも疑問を口にした。
「へぇ?それってさ……どんな攻撃でも反撃できるの?」
この技の核心を突く質問。流石神様達からも認められる武人、一度見ただけで不自然な点に気づくとはやはり普通ではない。
「はい。この技は俺の❬因果逆転の魔眼❭の能力を応用した技なんです。この技はどんな攻撃でも相手に返すことができるんです。……まぁ、もちろん条件付きですが」
自らの魔法を使って怪我を回復させた❬大神父❭は先ほどの苦しみなど忘れたかのように笑った。
「ハハハ!良いね、見事に私は一本取られたってことか!」
「でも、もう通じないでしょう?」
「そりゃそうでしょ?」
冗談抜きでそう返してくるあたり本当にもう通じないだろう。
「しっかしまあ……本当に一週間で私を倒すまでになるとは」
驚嘆した様子でそう言われた。
「約束通り❬法王❭について教えてくれるんですよね?」
「もちろん!約束は守るさ。まあ、取りあえず中でゆっくり話そう。レナとルナも交えてね?」
「はい!」
こうして俺は❬大神父❭さんを(よく分からない力や、初見殺しとも言える技を使ったにせよ)倒したのであった。
「さて……どこから話そうか?」
俺の向かいに❬大神父❭さん、レナとルナが左右にいて向かいあって座っている。
「別にどこからでもいいでしょ、おじいちゃん」
レナが言う。
「まあ、それもそうか。えっとね、秤君。❬法王❭はね……一人じゃない」
「え?」
呆気に取られる。俺はずっと法王は一人だと考えていたから。
「でも、❬法王❭は常人族の長なんでしょう?確か魔法を使えるのも❬法王❭だけって……」
そう、神様は常人族で魔法が使えるのは❬法王❭だけと言っていた。
「うーん?なんて言えば良いんだろう。いやまあ確かに❬法王❭の肩書きを持つ者は一人だよ?でも魔法を使える常人族は一人じゃない」
遠回しな言い方をする❬大神父❭さん。
「だから、どういうことですか?」
「今までの❬法王❭は強力な力を持つ者が王として君臨していた。だけどね今の❬法王❭は……その強力な力を分割して自分が認める手下の何人かにその力を渡したんだ」
「じゃあ……全員倒さないといけないんですか?」
「まあ、そうなるね」
「じゃあ……その人達はどこの誰なんですか?」
多分、最も大事な情報。この世界に来てからずっと追ってきた相手。グラハムさんから託された願いの対象。
「今の❬法王❭は……」
それが今、ようやく分かる。
「この国の王レイク・ウル・イリスティア。彼こそが神イル・リアスを信仰するイリスティア教の長であり……君がずっと知りたがっていた❬法王❭だよ」
「……!」
……なんとなく、そうじゃないかとは思っていた。思ってはいたのだ。
しかし今、こうして❬大神父❭さんの口から改めてはっきりと告げられると本当なのかと思う気持ちが湧いてくる。
「ちなみに❬法王❭が力を渡した手下っていうのは教会のトップに位置する数人の聖者達さ」
「あと……」
ルナが何かを言いづらそうにしている。
「なんだ、ルナ?」
「いえ、やっぱり何でもないです!」
「……?そうか?」
ルナの様子に少し違和感を覚えたがそれよりも❬法王❭についての情報の衝撃が残っていてあまり気にならなかった。
「で、これから秤君は❬法王❭を倒しに行くんだよね?」
そこで、❬大神父❭さんがそれまでの会話を一旦止め、これからについての話題をふった。
「はい。その為にもここで特訓していたんですし」
「本当は❬法王❭の情報が第一目標だったくせに」
レナが突っ込みを入れてくる。
「ま、まあそうだったけどさ……」
「まあまあ、それはともかく、提案なんだが秤君。私達にも❬法王❭を倒すのに協力させてくれないか?私達は聖者達、秤君は王様を倒すという形で」
意外な提案を❬大神父❭さんが出してきた。
内心驚く。❬大神父❭さんはこの戦いには参加しないものだと勝手に思いこんでいたから。
「もちろんいいですけど……どうしてですか?」
❬大神父❭さんは異様に強い。その人が加わってくれるとは。
「どうしてって?それはね……私は神の言葉と偽って自分達の言葉を信徒達に伝えているあの腐った奴らが大嫌いでね。ずっといつか今の教会のトップ層を潰してやろうって思ってたんだ。今回がちょうどいいタイミングなんだよ」
「へえ……」
確かにそんな奴らが上に立っていると思うとあまり良い気分ではない。
「じゃあ、早速作戦会議しよう!」
こうして本格的に❬法王❭を倒す動きが始まった。
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