拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。

POSTMAN

拝啓、俺?本当に気を失ってただけだよな?

「……もう、1日経っちゃったけどハカリ君大丈夫かな?」
 ルナの声が聞こえる。どうやらまた、❬大神父❭さんとの修練で気を失ってしまったようだ。
「そ、そんなの分からないわよ!?だってあんなに酷い怪我をしてたのよ?魔法で回復したとはいえ……」
 レナも居るようだ。
 まだ頭が回らない。なんか長い間寝ていたような感覚。ふわふわするというか……そんな感じ。
「ふぁぁぁ……」
 身を起こし、目をこする。目を開くと、ポカンとした、呆気にとられた様子のレナとルナがいた。
「……えーと、おはよう?」
 二人が無言でこちらを見ているのでとりあえず一言。……少し間抜けだったかも知れないが。
 すると、二人はワナワナと身を震わし……。
「「ハァァァァァ!!!???」」
と、叫んだ。
「どうして、もう復活なのよ!?速すぎるでしょ!?」
「………………?」
レナが叫ぶのに対してルナはいまだにポカーンとしている。
「いや、そんなこと言われたってなぁ?どうせ今回も頭を強く打った程度なんだろ?」
「バカなの!?カナタ、あんた体に風穴何個も空いてたのよ!?」
「へぇぇ……ぇえ!?」
 それって俺、死んでない?自分の体にポッカリと穴が空いている姿を想像するだけで血の気が引く。それでも生きているということは……
「お前達が手当てしてくれたんだな。ありがとう」
ここは素直に感謝を伝えるべきだろう。途切れかけた命を繋げてくれたのだ。
「べ、別に!ただ人が死ぬ所は見たくないのは当たり前でしょ!?」
レナが顔をを赤く染め、そっぽを向いた。
「まあ、そうか。所で❬大神父❭さんは?」
「あ、おじいちゃんなら……」
とルナが説明しようとしてくれた所にちょうど❬大神父❭さんが扉を開いて部屋に入ってきた。
「やあ!やっと目が覚めたみたいだね!」
「あ、はい。おかげさまで・・・・・
皮肉のつもりで言う。
「いやいや。私じゃなくてレナとルナのおかげだよ」
知ってるけど!そうじゃなくて、皮肉で言ったのに一ミリも理解してねぇ!
「さて、リハビリがわりに修練しようか!あ。ちゃんと準備運動はしてね」
「えぇ。いきなりですか?」
こちとら身体に風穴が空いてた(らしい)ってのに。
「じゃあ10分後に庭でね。それまでレナとルナに身体の状態を調べてもらって。レナ、ルナよろしく」
「「はーい」」
そのまま❬大神父❭さんは部屋から出ていった。
「さて、と。とりあえず怪我が完治したかどうかね。魔力の流れに違和感を覚える所は無い?あったらそこがまだ治ってないんだけど」
 とりあえず体中の魔力の流れを意識する。……特に気になる箇所はない。
「特に無いな。むしろ魔力の通りがよくなってるくらいだ」
「そうなの?じゃあ、魔力の質を確認するわね。ルナ、お願い」
 そう言われたルナは前(俺が魔法を暴発させた時)のように俺の手をとり、《接続コネクト》を使った。
 《接続コネクト》は他人の感覚を共有したり、魔力回路を一瞬だけつないだりすることができる魔法だ。俺の神器……❬聖銀の双剣❭の『双剣に流れる魔力が多いほど鋭さが増す』能力はこの魔法の応用らしい。
「……!?」
すると。魔力の測定をしてくれていたルナが顔を驚愕の色に染めた。
「あの、秤君?ホントに1日寝てただけ?」
いきなりそんなことを聞かれても。寝てたって教えてくれたのはレナとルナだし。
「そうなんじゃないのか?少なくとも俺は昨日丸1日の記憶はないし……」
「そうですよね……。じゃあなんで……?」
ルナがブツブツと独り言を呟き始める。
「えーとルナ?俺の魔力にまたなんか問題があったのか?」
「は、はい!まず……前に調べた時とは魔力回路の量が全然違うんです。この魔力回路の量は……もう秤君の体は『常人』族の枠を越えて『聖霊』族に近い体になってます。そして魔力の質も……?この魔力は……?」
そこで、ルナの言葉が不自然に止まった。
「俺の魔力が……どうしたんだ?」
「いやそれが……秤君の魔力はどの種族の魔力にも当てはまらない・・・・・・・んです」
「はあ?何言ってるのルナ?どの種族にも当てはまらないって。こんなでもい、ち、お、う、神様の使いだし?有り得ないことではないんじゃない?」
レナがそう言うと、すぐにルナが反論を始める。
「ち、違うのレナ。神様から与えられた魔力はどうしても神様寄りの、この世界の『天使』とか『堕天使』の魔力に近くなるでしょ?それにも当てはまらないの。秤君の魔力は」
「つまり、『秤彼方』だけが持つ魔力が出来上がってるってコト?」
「うん。前は❬勇者❭、❬法皇❭と同じ魔力に雷の属性が付与されてたんだけど……今は雷の属性はそのまま、流れてる魔力が全然違う」
……神様の使いだからってそんな1日寝ただけで魔力そのものが全く別物になることなんてあるのだろうか?どうしても違和感が生じる。
「なあ、魔力が変質したら使える魔法が少なくなったりするのか?」
もしそうなら、かなり困る。魔法はこの先、絶対に必要になる。というか今でもお世話になってる。
「すいません……。この魔力自体初めて感じる魔力なので、詳しくは……」
 申し訳無さそうにルナが教えてくれる。
「……まあ、悪い方向だって決めつけてもな。取りあえず❬大神父❭さんとの修練で確認すれば良いか。どうせこの後のはリハビリがわりだし」
 魔力の変質か。どんな風に変わってしまったのか?もしかしたら、魔眼にも影響が出たりするのだろうか……?


……今はそれよりも❬大神父❭さんと戦うというのが嫌でしかたないが。







「拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く