拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。

雹白

拝啓、神様。どうやら前途多難みたいです。

 気がつくと、俺は洋風な造りの豪華に飾られた城(?)にいた。周りを見渡すと他のクラスメイトもいる。全員状況を飲み込めていないようだ。
「な、なんだここ!俺達さっきまで教室にいたじゃないか!?」
「ゆ、夢に決まってるわよね…」
 全員が慌て、パニック状態になっている所に声が響いた。
「えー、君達がイル・リアス様のお告げにあった争いを終結させる勇者、で合ってるのかな?」
 声が聞こえた方を向くと、そこにいたのは若く綺麗な正装をした男性だった。背は高く顔立ちは整っていて金髪碧眼。優しげな笑みを浮かべている。
「誰だ…?」
 俺達の中の誰かが呟く。その呟きは男性に届いたらしく、自己紹介が始まった。
「ああ、自己紹介がまだだったか。僕はレイク。レイク・ウル・イリスティア。この、聖イリスティア王国を統治している、いわば国王だ」
「お、王様?」
 あー、神様が言ってたな。でも、こんなに若いとは思わなかった。なんか、じいさんが出てくるのかと思ってたから。
「ふむ、どうやら君達は状況が飲み込めてないようだね。いいだろう僕からこの世界について説明しよう」
 そこから王様は語った。この世界について。イル・リアス様の言っていた事と同じ事を。ただ違っていたのはこの世界に争いをもたらした謎の勢力についての説明がなかった。どういう事だ?この世界の人々は争いの原因をしらないのか?
(その通りです、彼方。奴らは世界の暗部で活動しています。その世界のほとんどの人々は知らないはずです)
 いきなり頭の中に誰かの声が響く。この声は…
(イル・リアス様か?)
(はい、言ったはずですよ。私とはいつでも話せると)
 ああ、なるほどこんな感じなのか。と、そこで王様の説明が説明を終えた。
「さて、君達の❬能力❭を見ていこうか。ついての来てくれ」
(なあ神様。この世界にステータスってあるんですか?)
(ステータス?そんな物あるはずないでしょう。私の世界の子達はみんな優秀です。まず人の可能性や強さを数値にする事なんてできません)
 どうやら、ステータスは無く、特殊能力を駆使して戦わなければならないらしい。とりあえず王様についていく。
 着いたのは教会のような雰囲気の神秘てきな場所だった。
「ここにある水晶に手を当てると奥の紙に❬能力❭が書かれ君たちの❬能力❭が確認できる。一人ずつ確認していってくれ」
 クラスメイトが自分達の能力を確認していく。そして、俺の番が来た。水晶に手を当て奥の紙を手に取り内容を覗く。



秤 彼方
❬能力❭
·因果逆転の魔眼(制限あり)
·神々の加護
❬保有神器❭
·聖銀の双剣(無銘)
·全智の魔導書
❬固有世界❭
·イル・リアスの法則世界iuris orbis terrarum



…は?ナニコレ。いや、能力と神器は分かるんだけどさ、説明あったし。でも固有世界ってナニ?
(おーい。神様?………出てこないな。忙しいのかな)
 いや、それよりもこの紙どうしよう?誰かに見られたら絶対怪しまれるじゃん。そしたら俺が神様の使いってバレるんじゃ!?
 そこで俺は他の人の紙も見せてもらう事にした………


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品