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水乃流

LINEノベル終了、みたいな

 2020年7月8日、LINEノベルがサービス終了を告知しました。

 サービス終了のお知らせ
 http://novel-blog.line.me/archives/22939649.html

 プレリリースが2019年4月16日で、アプリ提供開始が2019年8月、終了が2020年8月末ですから、正味13ヵ月で終わってしまうことになります。セルバンテス同様、終わってしまうのは少し寂しいことではありますが、仕方ないかなと思います。

 正直に言えば、LINEノベルのシステムは投稿するユーザーが使いにくいものでした。基本的にLINEノベルはスマートフォン向けアプリでの利用が中心で、パソコンのブラウザではほぼ何も出来ない仕様です。それでいて、アプリでは作品の投稿ができない。作品を投稿するにはブラウザが必要なのに、閲覧はアプリでしかできません。作者は、投稿時に<プレビュー>で確認するだけです。これが意外に手間です。せめて、ブラウザからも閲覧できれば良かったのですが……。こんな中途半端な仕様になっているのは、LINEノベルが小説投稿サイトであると同時に、商業小説の閲覧もできる「小説サイト」でもあったことが要因であると思います。

 もう少し、投稿するユーザーに優しい仕様であったなら、あるいは投稿作品と小説閲覧サービスが別サイトであったなら、もう少し違った展開があったかも知れません。その場合でも、既存サービスとどのように差別化するのかという問題は残りますが。もしかしたら、LINEノベルは小説版「Pixiv」的なものを目指したのかも。

 比較的短期間で撤退するということは、ビジネスとして十分な利益を得られなかった、この先も見込みがないと考えて損切りをしたということになります。インターネットサービスとしては、珍しいことではありmせんが、LINEノベルで作品を公開しているユーザーにとってはたまったものではありません。結局のところ、投稿作品は客寄せパンダだと思っていたのではないかと勘ぐりたくもなりますね。

 ちなみに、「客寄せパンダ」という言葉を最初に使ったのは、田中角栄氏だそうです。


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