追放された私を拾ったのは魔王だった為、仕方なく嫁になってあげた私はラグナロクにてスローライフを送りたいと思います

永遠ノ宮

第九話 オセロ大会二日目

オセロ大会一日目を終え、今日は二日目。
 一日目を突破した私は決勝トーナメントの行われる今日、二日目が本命である。
 今回のオセロ大会は優勝者には大金とテトへの挑戦権を手にできる、私が狙うのはお金ではなく挑戦権である。
 お金はテトが払うのだから嫁である私が貰ったところで何も変わらない、といいことは挑戦権が本命。
 テトに挑戦権を使ってオセロを挑み、テトに勝ってテトにお願いをする! 
 なんてお願いするかはまだまだ内緒である。負けた時、恥ずかしいから言えないと言う方が正しいかもしれない。


「さぁさぁ、二日目決勝トーナメントだ!ここで優勝者が決まり僕と最終戦をしてもらう!二日目にのこった強者よ、僕を倒しにこい!僕はここで待つ!」

「うぉーー!!(強者一同)」


 二日目も一日目と変わらずラグナロク中がお祭り状態である。
 昼間からお酒、踊り、屋台と賑やかで負けた人や参加していない人も観戦しに集まる。
 決勝戦、そして最終戦となるとこれの何倍盛り上がるのだろうか……、そんなことを少し考えてみる。
 部屋で色々と考えているうちに私の番が回ってきた。
 二日目は一日目と人数が全然ちがうためすぐに順番が回ってくるので休んでいる時間が減りそうだなと思いながら会場に行く。


ーー三時間後


「決まったーー!!今回の大会を制したのは魔王テト様の愛するお嫁様、アリア・スカーレット様だ!!これで最終戦は新婚対決となりましたーー!!」


 私は決勝戦を勝ち優勝した。
 そしてこれから、私は旦那でもあり相手になるテトと机につきお願いしますと挨拶を終え、板に駒を強く打つ。
 テト、覚悟なさい!私はあなたを倒す!固く心に決意し魔王の夫を相手に本気でぶつかった。


「け、決着だーー!!最終戦を勝ったのは、アリア・スカーレット様だーー!魔王テト様は美女のお嫁様を相手にはかなく散ってしまった!」

「テト……、あなた……」

「アリア何も言わないでくれ!自分が一番わかっているんだ!だからやめてくれ……」


 テトと勝負をしてわかったこと、それは……、
 

 弱すぎる!!


 私の予想はテトはすごく頭脳戦に特化していて相手の心を読んだりしながら駒を打つのかと思っていた、けどそれとは反対で直感の適当打ちだった。
 期待した私はショックをうけたが勝ちは勝ちだったのでこれで私はテトにお願いごとを一つできるようになった。
 目的は達成できたので良しとした、色々と心残りではあるが。



ーー大会終了後 夜


「さぁ、アリア!僕にお願いごとをいってごらん?何をお願いする?」 

「なんでもいいのよね?死んでとかでも」

「ま、まさか!アリアは僕を殺そうと!そんな……早まらないでくれアリア!まだ死にたくはない!」

「例えで聞いただけよ……、なんで私はそんな凶暴なの?」

「何だ例えだったのか!焦ったよー、覚悟したよ?色々と」

「しなくていい覚悟はしなくていいの!それよりお願いを言うわよ?聞き逃したらもう知らないからね?」

「待ってましたー!うん!ちゃんと聞いてるよ!さぁ言うてごらん?」

「私を抱いてください」

「うん、なるほど!抱いてほしいか、なるほどなるほど……。え?!ちょっとまって?!今抱いてほしいといったの?!どうしたの急に!アリア前まではあんなに拒んでたのに!」

「こないだまでは、恥ずかしくて身体を見せられなかったのよ……!でも、お風呂に一緒に入って少し恥ずかしさが消えたのよ。だから、早く抱きなさい。少し脚の方には奴隷だった時の傷があるけれど」

「なら、抱かしてもらうよ。ただ、怖くない?大丈夫?」

「うん、大丈夫……。初めてだけど大丈夫」


 私はお風呂に一緒に入って以来、もうそろそろなのではないかと心にしていたが、テトは気を使って何もしてくれなくなった。
 私から言い出すのは恥ずかしくて言い出せず、ズルズルと過ごしていた。
 今回のオセロ大会を利用して私がテトに勝てば恥ずかしくても言えるきっかけに繋がると考えた。
 これが、私のテトに勝ちたかった理由である。


「アリア、どうして急に抱いてほしいなんていったの?」

「私、身体の傷を見られたくなくて拒んでたの。見られるのが怖くて……。だけどお風呂に一緒に入った時にテトは私の傷を見ても何も言わなかった、むしろ傷を君が頑張って生きた証とまで言ってくれたでしょ?だからテトになら見られても大丈夫と思えたのよ」

「ハハハハ!僕は信用されてるんだね!嬉しいよ!信用されてなかったら結婚すらしてもらえてないんだろうけど」

「そうよ?でも、だからといって毎日とかはしないからね?」

「わかってます……!ちゃんとわかってるから」


 今日、私は初めてをテトにあげた夜。
 テトは優しいから怖さはなかった。
 

「テト、二日間お疲れ様。そして、ありがとう。」

「疲れてないよ僕は。アリアに楽しんでもらいたいからって理由で僕がしたことだから感謝はいいよ?アリアの笑顔が一番のお礼だから!」


 私はこの人を愛してる。




「テト、愛してる、これからもずっと……」

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