パーティー追放されたのでパーティー結成してみたら

永遠ノ宮

服が消えたー!

俺の偽物に続いて、鶴の……逆恨み?よくわからないが、何故こうも馬鹿馬鹿しい怪奇現象に連続で出会うのかと思うと呆れてしまっていた。
 そもそもここが迷いの森なのかすら疑わざるおえないほどに噂と大きく違う怪奇現象ばかりおきていた。
 だが、ここが迷いの森でないとなるとそれはそれで大問題になるためとりあえず、確信はないが迷いの森だろうにしておいた。


「霧がまた濃くなってきましたわ!次は何が起こるのですの?まさか、今度こそ本当にカインがあの世へ!」

「いかねーよ?!なんで毎回、俺にあの世橋を渡らそうとするんだ!仲間意識どこいったんだ?!」

「カイン様は仲間であり、友達でもありますよ?なので友達の頼みとして、一度渡ってみてわ?」

「ユミソファ、俺は嬉しくて泣きそうだ。と一瞬はなったが、友達なら友達でもっと大事にしてほしいものだけど?!友達の頼みがあの世橋渡ってみて?なんて聞いたことねーよ!」

「カイン渡ったら死ぬのですです!」

「知ってるわー!」


 仲間やら、友達やら言うくせして、俺にあの世橋を渡らそうとするのか……。多分俺は、精神を弄ばれといる。
 霧が、濃くなって数分がたち先に先に進んでいくと、身体が急に軽くなっていくのを感じた俺は歩くのをやめ、自分の身体を見ると……、


「上の服がない!消えてる!」

「きゃーー!カインあなた!霧で見えないからといってそんな変態行為に走るなんて異常者ですの?!」

「カイン様はもとから超異常者ですよ?あら?ネメシス様もお服が消えて……、私もですね」

「うちはなにもないですです」

「さすがに女の子まで服消えたらやばい!」


 これを怪奇現象と呼んでいいのかとても微妙なラインだが、もしこれがまた怪奇現象の一つなのであればこれで三連続。
 本当に呆れてしまう。
 もう、帰ろうと帰れないが言ってしまいそうなほどにしょうもない。


「ユ、ユミソファ!あなた下も消えてますわよ!」

「あら。今日の下着は普通ので良かったですう。派手だと恥ずかしいので、ウフフ」

「ウフフじゃないぞ?!ウフフで済まないぞユミソファよ!男というのは女の子の下着一つで血が沸き立つのだ!だから隠しておくれ!」

「カインは下半身が元気になりそうだ、俺は汚れたくないと言っているですです」

「十歳に見抜かれた!てか理解してるなら言うのはやめろー!て、あれ?なんでナズナちゃんは何も無し?」

「うちは下着のみ消えたですです!動きやすいですです!」


 もうよくわからん!下着の見消えるは、上下消えるは、上のみ消えるは……。しかも、女の子が目の前で徐々にいやらしい姿に変わっていく!
 その姿を見ながら、今回の怪奇現象は結構いいやつかもしれないぞ!しょうもないなんて言って悪かったな!と俺は心の中で謝っていた。


「なにジロジロ見てるのですのカイン!この変態クソウジ虫生ゴミトカゲ!」

「ネメシス様?こういうのも挿絵無しですが、サービスシーンなのですよ?ポーズをとってサービスなのですよ?」

「そうだぞ?俺にもそのサービスシーンを……ぐはぁっ!」


 サービスシーンを少し求めただけで俺はフィルテンプに吹き飛ばされた。
 俺はかなり吹き飛び、霧の向こうに三人の姿は見えない。
 俺は吹き飛ばされた道を歩いて戻っていくと、三人の姿が見えた。


「おい、フィルテンプ!なんで吹き飛ばすんだよ!」

「カイン……静かにしくさりなさい!敵が居ますわ……」


「よく気づいたな!ネメシス六世!……ジャンプー!」

「ジャンプー!言うて降りてくる敵はさすがに痛々しくて戦う気が失せるが、何者だ?」

「私は、この森の服泥棒!ルーブッ……痛い!痛い!最後までいわしてー!」

「うるさいですわよ!このクソ豚!早く服をかえすですわ!返さないというならカインと一緒にあの世橋の向こうにほりなげますわよ?!」

「ネメシス様?そのお方を、吊るして炙り焼きの刑にしてからカイン様とあの世に送りませんか?」

「うちは賛成ですです!」

「そいつをあの世へ送るのは好きにしたらいいが俺まで巻き込むんじゃない!俺がなにをしたのだ?!」

「下着みて、興奮したからですよ?」

「謝ります……!本当にすいませんでした!」


 俺は全力で正座をし、頭を地面に勢い良くぶつけ土下座した。
 ユミソファは、私の下着くらいならいつでもお見せしますよ?と微笑んでいるが、ありがたき幸せ!なんていえばフィルテンプにより、俺はあの世行きだ。
 そのフィルテンプはと言うと、ナズナちゃんと二人で服泥棒をボコボコに殴り木にロープで吊るして服を取り返していた。


「これで服が戻ってきましたわ!ですが、服のとり方とかは聞かないとして……ただの変態中年加齢臭野郎ほどきますの?」

「いーえ、このまま吊るしておいて、クエスト達成してからおろしてあげましょう」

「それはいいですです」


 ユミソファは冷静だ。
 今おろしてしまえば結局また同じことの繰り返しでループするのは面倒だからだ。
 俺達は服泥棒に死なないように頑張ってもがけよー。とだけ伝えまた歩き出す。
 だが、今回の怪奇現象は悪くなかった、次は女の子に沢山囲まれてチヤホヤされる!くらいの怪奇現象を期待してみながら俺は鼻歌を歌ってみたりする。

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