話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

季節高校生

goro

繋がりと秘密







「私は真木の母方のお姉さんなの」


今、鍵谷 藍に連れられ籔笠はある家の廊下を歩いていた。






数分前。




「ここが私の家よ」


藍に連れられて来た籔笠。
そして、最初に目に入ったのが大きな屋敷といった昔々の家だった。


さらに、見慣れた自転車が二代も付き添いで。


「……………」
「どうしたの?さぁさぁ、入って」


籔笠は藍に言われるがまま入る、と。






そこには、






「何で、アンタがいるの?」
「……………」


仁王立ちする鍵谷 真木。


大体、検討はついていた。
鍵谷の後ろには顔をちょこっと出す島秋と浜崎。


溜め息が籔笠の口からこぼれた。
















しかし、そんなことがあったが何故か藍の、ちょっと用事があるから、という言葉により三人はおとなしく部屋へと戻っていった。


怒らせたら怖いのか?と考え込む籔笠。


「高校時代からのクラスメートだったんだよ」
「え?」
「だから、あなたたちの親のことよ」


聞いてた?と視線を向ける藍。
籔笠はコクコクと頭を頷かせ、何故か冷や汗をかいた。






そして、どうやら目的の場所にたどり着くといったその時。




「………ねぇ、芥木くん」


藍は足を止めた。
その瞬間、今までの藍の空気が変わったことが直ぐにわかった。




藍は籔笠の目を見て、唇を動かし、


「白刃さんはどうしてるの?」










冷たい空気がその場を支配した。


籔笠は、藍のその問いに口元を緩ませ。






そして、答える。












「………死んだよ。ちょうど、俺が3歳だった時に」






「………そう」


藍は目を閉じそう呟くと直ぐそばにあったドアを開けた。




「……ここは」


籔笠の目に入ったのは部屋一体に配置された本棚。


「ここには資料やアルバムがいっぱいあるの」


藍はそう言うと、一つの本棚から一冊の本を取り出し、ページの一枚を開き籔笠に見せた。




「君のお父さんよ」
「……」


籔笠は渡された本に貼られた一枚の写真を見る。




そこには一人の自身に似た少年が写っている。
そして、その隣には見覚えのある黒髪の少女、


「…この人が鍵谷の」
「………ええ」


鍵谷真木に似た少女をじっと見る籔笠。


最初、藍に自分の父親について教えてあげると言われ、ここまで来た。
そして、籔笠と鍵谷には親からの繋がりがあることを知った。






しかし、籔笠には藍が本当にこの事を教えるために自分を連れてきたとは思えなかった。










「藍さん。そろそろいいんじゃねえのか?」
「え?何を」


藍は籔笠に振り返りその続きを言おうとしたが、




そこには。
籔笠芥木はいなかった。




いや。






今まで見ていた籔笠芥木はいなかった。








藍はそんな籔笠を見て一度目を閉じ、そして真剣なまるで子を心配する親のような眼を開き、


「芥木くん」




藍は、






「あなた、もしかして………」






言う。














「          」












静寂が漂う。
そして、籔笠は藍に尋ねられた問いに対し、


「ああ」




それだけだった。
そう答えるしかなかった。


「…………」


藍は籔笠の返答に、そう、と目を閉じた。




そして、籔笠に藍は唇を動かし言った。














「それが、あなたの本当の顔なのね」


















気になる。


鍵谷 真木は今、頭を悩ませていた。


あれからもう三十分。


「むぅ~~~~!!」




「……ちょっと、落ち着きなさいって」
「そうだよ、真木ちゃん」


浜崎と島秋はそう言うが、




「無理!!だって藍さん鈍いし、年取ってるくせに体つきなんてエロいもん!!」
「いや、年取ってるってアンタ………あ……」
「それに籔笠だよ!藍さんの美貌に我慢できずに襲ってたらと思うと!!」
「いや、籔笠くんに限って………あ…」
「信じられない!!だってあの二人だよ?あのバカアホ間抜けの籔笠と鈍感色気まんさいの藍さんだよ!むぅぅぅぅぅぅぅ!!」




頭を抱え、嘆く鍵谷。




だが、そこで気づく。


目の前で青ざめる島秋と浜崎。


そして、よくよく感じる殺気。












ゆっくりと後ろに振り返る鍵谷。
そして、そこにいたのは…。




「誰が鈍感の年取ったお姉さんって?」
「誰がバカアホ間抜けの俺だって?」






ポキポキと指を鳴らす、籔笠と藍の姿が。




…………………………………。


鍵谷はゆっくりと我が友に助けを頼もうと振り返る。




しかし、






そこには手を合わせ。


















鍵谷の帰還を祈る二人の姿が。












…………………………………。


















「うにゃああああああああああああ!!」


















その日、その屋敷から鍵谷の悲鳴が響き渡った。







「季節高校生」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く