季節高校生

goro

出会いは突然と









「そういえば、ねぇ、真木?」
「………何?」
「ん?何怒ってるの?」
「……別に」
「れ、玲奈ちゃん。多分、さっきから玲奈ちゃんが勉強教えてあげないからだよ」
「ん?そうなの?」
「ふん……(カキカキ)」
「真木…………」
















「そこ、全部間違ってるわよ」
「ふにゃああああああああああ!!」


















昼一時。


「浜崎のヤロー…」


街中から少し離れた辺り一面の畑沿い。
そんな町外れな道を籔笠は一人歩いていた。




「大体、何で俺だけがこんな目に」


籔笠はぐちぐちと喋りながら片手に握る一枚のメモ用紙を見ている。


「…………」


そこに書かれているものはどこかの家を示す地図。


昨日、浜崎にここに行くようにと言われ現在向かっているのだ。


『断ったら分かってるわよね』


という脅しつきで……。






はぁ~、と息を吐く籔笠。


だが、別に部屋にいてもやることがなかったからまぁ暇潰しにはなった、と籔笠はちょうど家並みが見え、その角を曲がった。






と、その時。


「わっ!?」
「ッ!?」


ドォン、と後ろに倒れる籔笠。


いつっ、と手を地面につき前を見ると、そこには一人の女性が同じように腰をつき倒れていた。


ちょうど、同じように反対方向から曲がろうとしてきた女性にぶつかったのだ。


「あ、すいません!?だ、大丈夫ですか?」




籔笠は直ぐ様、女性に駆け寄り、手を差し伸べた。




「いえいえ、こちらこそすいません」


そして、女性の手を掴み籔笠がそのまま女性を起こそうとした。


だが、














「白刃さん」










「!?」


その瞬間。籔笠の動きが止まった。


そして、ゆっくりと女性に視線を向ける。


茶髪のストレートな髪に痩せた細腕。
大きな胸はあまり見ないようにして、籔笠は慎重に尋ねる。


「な、なんでその名前」
「ん?」
「?」


女性は眉を潜めながら籔笠に顔を近づけていく。籔笠は焦って後ろに下がるが、


「ねぇ、君。もしかして白刃さんの息子?」
「…………ああ」
「そっか、いやーあまりに似てるから驚いちゃったよ。ごめんね」


そう笑う女性に籔笠は目を点にした。


「あ、アンタ、一体」
「あ!そうか自己紹介がまだだったわね」


女性は腰に手をつき、口元を緩ませる。






「私の名前は鍵谷 藍」
「………………」
「ん?どうし」
「鍵谷………」
「?」








籔笠は頭に手をのせ、思った。












何かややこしくなるような予感がする、と。









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