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季節高校生

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体育?1





第十話……体育?1


五月三日
二時間目




運動場にて、




「ぐはっ!?」


突如、一人の男子が地面に崩れ去るようにして倒れた。
そして、


「ちょッ!?」
「こっちくるギャッ!!」
「藪笠テメぶはッ!!」


死者が増えていく。




「はぁ、はぁ、はぁ、はぁッ」




額についた汗を腕で拭い藪笠は思った。




これ、球技じゃなくて死刑だよな…。




すると、その直後。




「逃げないでよ、藪笠」




一人の女子の声が聞こえてくる。
恐る恐る顔を向けるとそこには長髪の黒髪をサラッと振り、片手にやや固いゴム製のボールを持つ。






「私、普通に藪笠とドッチボール殺りたいんだよ?」




鍵谷真木の姿があった。


















数分前。


「どうだった、花。デートは楽しめた?」
「うん!」


現在、教室では島秋と浜崎が昨日のデート話をしている。
そして、その最中では、




『『『『『『藪笠!!』』』』』


廊下で一部の島秋ファンに追われる藪笠の姿があった。






学校にくると同時に待ち伏せ、そして、ホームルーム前のチャイムが鳴るまでの長距離マラソン。


チャイムが鳴り、やっと解放されたと藪笠は息を吐く。
そして、いつも通り授業を受けようと教室に足を踏み入れた。




直後。






「………………」












後悔という字が頭に浮かんだ。


「映画館行ったの?」
「うん」


楽しそうに喋り合う島秋と浜崎。








そして、その背後で、










バキッ!!とプラスチックのペンをへし折る。




鍵谷真木。






この異常なまでの居心地の悪さに青ざめる藪笠。
すると、そんな藪笠に一人の男子が近づき、


「(おい、藪笠)」
「(な、なんだよ)」
「(お前、鍵谷さんに何したんだよ)」
「(なんもして)」
「(嘘つけ!?お前しかいないだろ!鍵谷さん朝からずっとあんなんでお前が入ってきた直後にさらにアップしてんだよ!!)」
「知るかボケ!!」


どいつもこいつも…、と歯ぎしりする藪笠。


しかし、その時。






ガタッと音をたて鍵谷は椅子から立ち上がった。




『………………………』






沈黙が室内に漂う。


だが、そんなことはお構い無しなのか、鍵谷は一歩一歩足を動かし、


「うッ!?」


藪笠の目の前に立った。




視線と視線が交差する。








そして、鍵谷は藪笠の顔を見て、










ニコッと笑い一言。








「昨日は随分と楽しかったそうね?」












あの………目が据わってないですか、鍵谷さん。


普段なら機嫌が悪くてもここまでにはならない。しかも何やら異様なオーラまで発している。




後ずさりそうになる藪笠。
すると、ふと藪笠は気づく。










あれ、そういえば他のやつらは?




そーっと視線を鍵谷の後ろに向けると、




『………………』




皆が教室の隅っこに避難していた。










…………………………。




逃げ場無しとはこういうことなんだろう、と藪笠は染々思った。




「藪笠」
「はい」


鍵谷は未だニコッと笑いながら藪笠の横を通りすぎ、




「次の授業、よろしくね」








不吉な言葉を残し、教室を出ていった。




「…………はい?」












この時、藪笠は知らなかった。














まさか、あんなことになるとは………。



















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