金髪、青目の美人エルフに転生!
第八十話 悪魔たちとの別れ
「悪い、悪い。ちとやりすぎてしまったようじゃな」
スカーレットがコンチータのことをおぶって歩いている。コンチータは魔力を使いすぎて、疲労困憊といった様子だ。と、言っても人ごとではない。
「あのねぇ。私の魔力奪っといてそれは何? 酷いでしょ、全く」
私も取られすぎて歩けない。だって、急に4000も取るんだもの。勘弁して欲しい。どんだけ魔力使う魔法なんだ。
「それが、人の魔力を奪うのは難しくてな。半分も取れないのじゃ」
「はぁ?! あー、でも、そんなに魔力を必要としてるわけじゃないのか」
「まあ。でも、わらわ以外に魔力を奪う能力を使うことはできないのじゃ。仕方なかろう?」
くっ……。まあ、私ができるわけでもないから言い返せない。
「まあ、ソフィア様、落ち着いて。殺されたわけではないんですから」
うん……。私をお姫様だっこしているジェイドが優しい声色で言った。わかってるけど、馬鹿みたいな能力だね。
「にしても、本当に強いのぅ。わらわに勝ったものなど、久しぶりじゃ」
「ってことは、他にもいたの?」
「うむ。何百年も前のお主、ジェイドとやらじゃ」
「そんなこともありましたねぇ」
……はぁ?! どういうこと?! ジェイド、ここに来たことあったの?
「どういうこともなにも、私たちの住んでたとこってここですし。スカーレット拾ったのもここですし」
そう言って街の一角を指した。なるほど、ここで生まれたのかって、ん?
「ブランシュ、出て行ったって……」
「あ、で、アンカが住んでたのはエルフのいた街、あったでしょう? あそこだったんで、そこに住んでたんです」
最初に寄った街か。なるほど。ちょっと遠い。そりゃ、出て行ったになる。
「今日は楽しかったぞ。ありがとう、ソフィア。また会えたら、その時までには鍛えておく。まあ、ジェイドと戦った時より、ずっと強くなったがな」
「そうでしょうね。私ではもう勝てないかも。でも、無茶してはいけませんよ」
「わかっておるわ。お主も、だぞ。また今度、戦おう」
ジェイドはニヤッと笑って「覚えておきます」といった。
「じゃあ、私たちは帰ります」
「そうね。クララたちが心配するでしょうし。楽しかった。ありがとう」
「ああ。俺たちは必ず待ってるから、ちゃんと帰ってこい」
スカーレットとインディゴはそう言ってから、呪文を唱えてどこかに行ってしまった。
「まあ、あいつらのことです。きっと私たちと会ったなんて言わないでしょう」
ジェイドが言うと、ブランシュは俯いてぼそりと言った。
「私、ほんとは父様ともっと話したかった」
「そうでしょうねぇ。無理してたような感じでしたから。せっかくだから甘えればよかったのに」
静かに雫がたれた。
「ねえ、いまさらだけど、計画がないわ」
エベリナが地図を抱えてそう言った。そういえば。
私は地理で習ったことを思い出そうとした。
確か……。エルフの森の南が人間の国。
海を渡ってずっと東に行くと小人の国。
また海を東に進むと、魔族の国。それは南北に長い。
ずっと北に行って、海を渡って西に、つまり、エルフの森の隣に獣人の国がある。だったか?
「えっと……。魔族のところに行くのは危険すぎなぁい?」
「そうだな。やめておいたほうがいいだろう。完全に敵だからな」
そうか、魔族の王が魔王だもんね。危なすぎる。
「じゃあ、小人の国、獣人の国に行こう」
「あとねぇ、どこかに、スライム娘がいるって、会いたいわぁ」
「私は雪女と会ってみたい」
おお、みんな明確にあるんじゃないか。私は……。正直どこでもいい。
「えっとね……。じゃあ、案としては、こっからずっと南に渡っていく。そこから南に行き、小人の国を訪れる。もうちょっと北に行くと、スライム娘がいるって噂だから、そこによる。それからずっと北に行くと、雪女がいるそうよ。で、西に行って獣人の村、最後にエルフの森に帰る」
「リナ、それでいいよ。随分あっさり決まるのね」
「そうねぇ、私も想定外よぉ?」
「そうだな。そういうの向いてるのか」
エベリナは目を見開いて、真っ赤になる。
「もう、そんな褒めないでよ」
そのあと、期間は人間の国に一年、小人の国に一年、スライム娘の国に半年、雪女の国に半年、獣人の国に1年半と決まった。
「ブランシュ、あれでよかったのかしら?」
「さあ? でも、まだ、いいのでは? インディゴだって、気づいてたんでしょうし」
そうか。まあ、もう絶対に会えないわけではないし。シナモンとは違うんだから……。
「あの、大丈夫です? なんだか、おかしくないです?」
「ううん、大丈夫。それにしても、暑いのね」
すると、ジェイドが地図を指さす。今いる場所から向かっている場所を考えると……。
「もうすぐ夏なのに、赤道方面向かってるって事?」
「しかも、冬に南極方面に向かうっていう予定なんですよ?」
おいおい。まあ、もう仕方ないけどね。こっから変えるなんてできるはずがない。
「でも、まあ、異常気象は魔法で調節しますから、そこまで変わりはしないはずですが」
うん、でも、あっついのも寒いのも嫌だ。まあ、そこは仕方ないんだな。
「でも、コンチータ様に言ったら、笑われるでしょうね。そんなの関係なさそうですし」
「ふふふ、聞いていたぞ、ソフィア?」
「うわぁ?!」
いつからいたの?! なんで聞いてたの?! ってか、どうして宿に入ってくるのよぅ?! 言いたいこと多すぎ!
「少しは手助けしてやる。お守りだがな。多少は効くはずじゃ!」
ほんとだろうか? ってか、あなたは魔力切れで寝てたんじゃなかったですっけ?
「見張りは振り切ったぞ?」
だ、そうだ。
スカーレットがコンチータのことをおぶって歩いている。コンチータは魔力を使いすぎて、疲労困憊といった様子だ。と、言っても人ごとではない。
「あのねぇ。私の魔力奪っといてそれは何? 酷いでしょ、全く」
私も取られすぎて歩けない。だって、急に4000も取るんだもの。勘弁して欲しい。どんだけ魔力使う魔法なんだ。
「それが、人の魔力を奪うのは難しくてな。半分も取れないのじゃ」
「はぁ?! あー、でも、そんなに魔力を必要としてるわけじゃないのか」
「まあ。でも、わらわ以外に魔力を奪う能力を使うことはできないのじゃ。仕方なかろう?」
くっ……。まあ、私ができるわけでもないから言い返せない。
「まあ、ソフィア様、落ち着いて。殺されたわけではないんですから」
うん……。私をお姫様だっこしているジェイドが優しい声色で言った。わかってるけど、馬鹿みたいな能力だね。
「にしても、本当に強いのぅ。わらわに勝ったものなど、久しぶりじゃ」
「ってことは、他にもいたの?」
「うむ。何百年も前のお主、ジェイドとやらじゃ」
「そんなこともありましたねぇ」
……はぁ?! どういうこと?! ジェイド、ここに来たことあったの?
「どういうこともなにも、私たちの住んでたとこってここですし。スカーレット拾ったのもここですし」
そう言って街の一角を指した。なるほど、ここで生まれたのかって、ん?
「ブランシュ、出て行ったって……」
「あ、で、アンカが住んでたのはエルフのいた街、あったでしょう? あそこだったんで、そこに住んでたんです」
最初に寄った街か。なるほど。ちょっと遠い。そりゃ、出て行ったになる。
「今日は楽しかったぞ。ありがとう、ソフィア。また会えたら、その時までには鍛えておく。まあ、ジェイドと戦った時より、ずっと強くなったがな」
「そうでしょうね。私ではもう勝てないかも。でも、無茶してはいけませんよ」
「わかっておるわ。お主も、だぞ。また今度、戦おう」
ジェイドはニヤッと笑って「覚えておきます」といった。
「じゃあ、私たちは帰ります」
「そうね。クララたちが心配するでしょうし。楽しかった。ありがとう」
「ああ。俺たちは必ず待ってるから、ちゃんと帰ってこい」
スカーレットとインディゴはそう言ってから、呪文を唱えてどこかに行ってしまった。
「まあ、あいつらのことです。きっと私たちと会ったなんて言わないでしょう」
ジェイドが言うと、ブランシュは俯いてぼそりと言った。
「私、ほんとは父様ともっと話したかった」
「そうでしょうねぇ。無理してたような感じでしたから。せっかくだから甘えればよかったのに」
静かに雫がたれた。
「ねえ、いまさらだけど、計画がないわ」
エベリナが地図を抱えてそう言った。そういえば。
私は地理で習ったことを思い出そうとした。
確か……。エルフの森の南が人間の国。
海を渡ってずっと東に行くと小人の国。
また海を東に進むと、魔族の国。それは南北に長い。
ずっと北に行って、海を渡って西に、つまり、エルフの森の隣に獣人の国がある。だったか?
「えっと……。魔族のところに行くのは危険すぎなぁい?」
「そうだな。やめておいたほうがいいだろう。完全に敵だからな」
そうか、魔族の王が魔王だもんね。危なすぎる。
「じゃあ、小人の国、獣人の国に行こう」
「あとねぇ、どこかに、スライム娘がいるって、会いたいわぁ」
「私は雪女と会ってみたい」
おお、みんな明確にあるんじゃないか。私は……。正直どこでもいい。
「えっとね……。じゃあ、案としては、こっからずっと南に渡っていく。そこから南に行き、小人の国を訪れる。もうちょっと北に行くと、スライム娘がいるって噂だから、そこによる。それからずっと北に行くと、雪女がいるそうよ。で、西に行って獣人の村、最後にエルフの森に帰る」
「リナ、それでいいよ。随分あっさり決まるのね」
「そうねぇ、私も想定外よぉ?」
「そうだな。そういうの向いてるのか」
エベリナは目を見開いて、真っ赤になる。
「もう、そんな褒めないでよ」
そのあと、期間は人間の国に一年、小人の国に一年、スライム娘の国に半年、雪女の国に半年、獣人の国に1年半と決まった。
「ブランシュ、あれでよかったのかしら?」
「さあ? でも、まだ、いいのでは? インディゴだって、気づいてたんでしょうし」
そうか。まあ、もう絶対に会えないわけではないし。シナモンとは違うんだから……。
「あの、大丈夫です? なんだか、おかしくないです?」
「ううん、大丈夫。それにしても、暑いのね」
すると、ジェイドが地図を指さす。今いる場所から向かっている場所を考えると……。
「もうすぐ夏なのに、赤道方面向かってるって事?」
「しかも、冬に南極方面に向かうっていう予定なんですよ?」
おいおい。まあ、もう仕方ないけどね。こっから変えるなんてできるはずがない。
「でも、まあ、異常気象は魔法で調節しますから、そこまで変わりはしないはずですが」
うん、でも、あっついのも寒いのも嫌だ。まあ、そこは仕方ないんだな。
「でも、コンチータ様に言ったら、笑われるでしょうね。そんなの関係なさそうですし」
「ふふふ、聞いていたぞ、ソフィア?」
「うわぁ?!」
いつからいたの?! なんで聞いてたの?! ってか、どうして宿に入ってくるのよぅ?! 言いたいこと多すぎ!
「少しは手助けしてやる。お守りだがな。多少は効くはずじゃ!」
ほんとだろうか? ってか、あなたは魔力切れで寝てたんじゃなかったですっけ?
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