赤い記憶~リーナが魔王を倒して彼の隣を手に入れるまで~
第8話 初冒険
「ほら、可愛いでしょ?」
(え、あ……)
私が試着室から出るなり、ミレさんはラザールお兄様にそう言った。
ラザールお兄様は、正直蚊帳の外だった。ミレさんとアンジェラさんで決めた服がこれ。
基調は薄いピンク色。腰の上までは、袖も含めて黄色、スカートは薄いピンク色で、リボンはみんな濃いピンク。
袖は口が大きく広がる姫袖。手首のちょっと上あたりにはリボンが付いていて、其処から下は白いフリルになっている。
スカートの左右には大きなリボン。真ん中はフリルが沢山付いている。
胸元には大きなリボン。レースが付いていて可愛い。
後ろには白っぽくて薄めのマント。頭にはリボンのついた大きな魔女帽で、帽子の後ろにヴェールの様な物が付いている。
「え……。な、なんかさ、もっとシンプルな方が良くない? ほら、こうい……」
「駄目駄目! リーナちゃん可愛いんだから、これくらいで良いの!」
「良く似合ってるじゃないですか、ねえ、ねえ、ラザール様?」
「う……。そ、そりゃ、可愛いよ、凄く、可愛い。でもさ……、いや、そうだね」
暑そうに見えるんだけど、来てみるとそうでもない。寧ろ涼しいくらい。くるりと回ってみると、ボリュームのあるスカートがふわりと揺れた。
これなら、何処からどう見ても魔術師に見えるよね。杖とか持ってたら、まさにそうだろうなぁ。
ラザールお兄様の方に目を向けると、私の方は見てなかったけれど、顔が赤くて……。なんか、少し嬉しかった。
「じゃあ、ほら、買ってあげないと」
「分かってる。そのつもりだったから」
このまま魔服を着て行く事になって、私達は魔服屋を後にした。
「当然! ギルドカードの写真はエフェクト入れるよ!」
「分かってる。その方が、か、可愛いし……」
「じゃ、ほら、ラザール、一緒に選ぼう」
「え、あ、リーナちゃんの意思は無視なんだ?」
ギルドカード作るのに、どうしてそんなに張りきる必要が……? 私にはよく分からないけれど、楽しそうだからまあ良いか。
その後、出来上がった写真を見てみたら、随分可愛い写真が取れていた。ポーズもあーだこーだ言われたけれど、まさかこんな風になってるとは……。
少し俯き加減で、片手を上げ、片足を少しだけ前に出している。背景は薄い黄色。足元には赤い魔法陣。私の周りにはピンク色の雫が浮いていたり、花びらが散っていたり……。これで良いの? 証明写真じゃないの……?
って思ってたんだけど、ギルドカード、表が全部写真なんだね。後の情報とかは全部裏面。結構写真、重要なのかな? いや、でも、此処までやっていいのかな。
まあ、ともかく。可愛い魔服を買って貰って、可愛いカードを作って貰って、私、もう結構満足なんだけど、まだ冒険は始まってすらいない。今日の目的はこれからだね。
「え、わあ……。ご主人さま、凄く可愛い」
(ミ、ミア……。そんなに褒めないで)
「ああ、リーナ様、魔服持ってなかったんですね。とてもお似合いです」
ラザールお兄様が使い魔たちに見せてあげたら、と言うので、召喚してみた。
思っていた以上の反応だから、なんて言うか、凄く恥ずかしいんだけど……。顔には出ないから、気付いているのは、使い魔の二人だけ。
二人がニヤニヤ笑いながらまだ褒め言葉を並べてくるから、死ぬほど恥ずかしい。だからすぐに帰した。
あ、でも……。こんな風な感情も、前は、あんまりなかったなぁ。
「じゃあ、依頼を受けてみよっか。危険の少ない場所にする? それとも、ちょっと強めの所行く?」
「リーナ様には、魔物の危険も知って貰った方がいいのではないでしょうか?」
「なめて、よく、命落とす人も、居るわけだし」
「そうだね……。じゃあ、僕達範囲が何でもリーナちゃんを死守しなきゃね」
私にしてみれば、怖いから嫌なんだけど……。逆らう訳にはいかないし。
何が何でも守って貰えるなら、まあ、大丈夫、かな。
依頼の受け方を教わって、私は三人に引かれる形で冒険に出た。
大通りを抜け、草原を突っ切り、薄暗い森に到着した。
この森は、私達が出会った森とは反対方向で、初めて来る場所だ。ちょっと怖いな。
此処は『王都の壁』と呼ばれているらしい。他の街とかが王都を攻めようとしても、この森が邪魔で大軍を送れないんだとか。
私達が出会った森は『国境の森』。黒魔族国との国境になっているらしい。
まあ、入り口で止まっていても仕方がないので、言われるがままに入ってみる。
気が生い茂っていて、日の光が届かない。だからか、少しひんやりとする。思わず身震いをすると、これが魔服の効果なんだろう、急に暖かくなった。
そのまま、周りに注意をしつつ、森の中を進んでいく。
「っ……」
私の異変に気が付いてくれたのは、ラザールお兄様だった。
ミレさんとアンジェラさんに声を掛け、止まるように言ってから、私を木の根元に座らせる。
「リーナちゃん、足、痛くなっちゃった? 靴脱いで、ちょっと見せて」
小さく頷いて、言われたとおりにする。迷惑をかけたくなかったんだけど、あんまり痛くて、もう、歩けない。
ラザールお兄様は何処からか道具を取り出すと、手際よく仮治療をしてくれた。え、手際が良いって、馴れてる? そんなに怪我、するのかな。
「あー……そっか、ちょっと曲がってるね。これじゃ歩くの大変だよね」
「と、言うと、リーナ様は先天性内反足なんですね」
「まだ治療法もよく分かってないし……。痛いよね。うーん、どうしよっか」
少し俯いて、唇を噛む。また、迷惑を……。どうして私は、いつも、いつも……。
こんなところで時間使っちゃ駄目だよね。ちょっとだけ考えて、ネージュを召喚した。
(ごめんね、ネージュ、背中に乗せてくれる?)
そう頼むと、ネージュは姿勢を低くしてくれた。それを見て、ラザールお兄様が抱き上げて乗せてくれた。ふわっとなって、一瞬、ドキッとした。
跨るには大きすぎるから、横向きに座る事にした。視界が横向きに動くのって、ちょっと変な感じがする。
みんな、心配そうな顔をしてる。優しさに感謝しつつも、心の中で溜息を吐く。
(どうして、私、みんなに迷惑ばかり……)
「よし、これで完了!」
「やっと終わったぁ!」
日が傾きかけたころ、最後の魔物を倒し終えた。
今回受けた依頼は、大きな熊の魔物を倒して、毛皮を手に入れる依頼。その、必要な数が、これで揃う。
ネージュは、人型悪魔より少ない魔力量で使役出来るみたい。一日中召喚していたけれど、大丈夫だった。
もしくは、私の魔力量が増えたのかもしれないけれど。そうであってくれるといいなぁ。
「さて、じゃ、帰ろっか」
ラザールお兄様が解体を終えたみたい。ちょっとこれは、あんまり見たくない。で、解体の終わった毛皮は、アンジェラさんが収納する。
と言うのも、異空間に物を保管しておく様な魔法があるとか。アンジェラさんは随分大きい空間を持ってるらしくて、今までの毛皮を全部持っている。
さっきの治療道具も、其処から出したのかな?
初めての冒険が終わり。ちょっと油断したのもあるよ……。みんなで街の方に歩いている時。不意に。
銃声が鳴り響いた。
振り返った私の右肩から鮮血が吹き出す。必死に抑えて、でも、貫通したかも。次から次から溢れだす血に、もう、どうしていいのか分からない。止血方法なんて知らないもん。もう、パニック状態。
「っ?! リーナちゃん!」
慌てたからか、ネージュは消えちゃった。それに気が浮いたラザールお兄様が私を抱き止めてくれる。
震える私を、ラザールお兄様は強く抱きしめてくれる。痛みと恐怖で零れそうな涙を、必死に堪えていた。
此処で泣いたら、ラザールお兄様がもっと心配する!
みんなで探すけれど、なんで? 犯人が見つからない。
と、もう一発。
ラザールお兄様と私を庇おうと、ミレさんが飛び出した。赤い血が舞う。
ふらりとよろけ、それでも前を見て。まだ、守るつもりでいる。
これじゃあ、攻撃できる人がいない。
アンジェラさんの魔力はもうほぼ無い。
ラザールお兄様は私を抱いてるし、離してくれそうにはない。
ミレさんは体に弾を受けている。
この状態じゃあ、戦う事はおろか、逃げる事だって出来ない。
絶体絶命。一体どうすれば……。
「どうやら、私が手を出すしかない様だな」
(っ?!)
その声は、聞き覚えがあった。
と言うか、さっきまで聞いていた。
でも、信じられるはずがない。
剣を抜いたアンジェラさんが、鋭い目で、前方を見つめていた。
ユラリと怪しく光る切先は、よく手入れされている事が覗えた。
そして、あまりに手慣れた握り方。
アンジェラさんが剣を振ると、ヒュ、と空気を斬る音がする。
さっきまでと同じ人だとは、到底思えない空気を纏って。アンジェラさんは、小さく、呟くように言った。
「木の上」
アンジェラさんの振った剣は、枝には届かなかった。
それなのに、太股ほどの太さがある枝は、いとも簡単に斬り落とされる。
(嘘……。アンジェラさんって、何者……?)
そう思わずには、居られない。
アンジェラさんを見ている間にも、流れる血は止まらない。
眩暈が強くなって。あぁ、もう駄目だ。
私は、意識を手放した。
(え、あ……)
私が試着室から出るなり、ミレさんはラザールお兄様にそう言った。
ラザールお兄様は、正直蚊帳の外だった。ミレさんとアンジェラさんで決めた服がこれ。
基調は薄いピンク色。腰の上までは、袖も含めて黄色、スカートは薄いピンク色で、リボンはみんな濃いピンク。
袖は口が大きく広がる姫袖。手首のちょっと上あたりにはリボンが付いていて、其処から下は白いフリルになっている。
スカートの左右には大きなリボン。真ん中はフリルが沢山付いている。
胸元には大きなリボン。レースが付いていて可愛い。
後ろには白っぽくて薄めのマント。頭にはリボンのついた大きな魔女帽で、帽子の後ろにヴェールの様な物が付いている。
「え……。な、なんかさ、もっとシンプルな方が良くない? ほら、こうい……」
「駄目駄目! リーナちゃん可愛いんだから、これくらいで良いの!」
「良く似合ってるじゃないですか、ねえ、ねえ、ラザール様?」
「う……。そ、そりゃ、可愛いよ、凄く、可愛い。でもさ……、いや、そうだね」
暑そうに見えるんだけど、来てみるとそうでもない。寧ろ涼しいくらい。くるりと回ってみると、ボリュームのあるスカートがふわりと揺れた。
これなら、何処からどう見ても魔術師に見えるよね。杖とか持ってたら、まさにそうだろうなぁ。
ラザールお兄様の方に目を向けると、私の方は見てなかったけれど、顔が赤くて……。なんか、少し嬉しかった。
「じゃあ、ほら、買ってあげないと」
「分かってる。そのつもりだったから」
このまま魔服を着て行く事になって、私達は魔服屋を後にした。
「当然! ギルドカードの写真はエフェクト入れるよ!」
「分かってる。その方が、か、可愛いし……」
「じゃ、ほら、ラザール、一緒に選ぼう」
「え、あ、リーナちゃんの意思は無視なんだ?」
ギルドカード作るのに、どうしてそんなに張りきる必要が……? 私にはよく分からないけれど、楽しそうだからまあ良いか。
その後、出来上がった写真を見てみたら、随分可愛い写真が取れていた。ポーズもあーだこーだ言われたけれど、まさかこんな風になってるとは……。
少し俯き加減で、片手を上げ、片足を少しだけ前に出している。背景は薄い黄色。足元には赤い魔法陣。私の周りにはピンク色の雫が浮いていたり、花びらが散っていたり……。これで良いの? 証明写真じゃないの……?
って思ってたんだけど、ギルドカード、表が全部写真なんだね。後の情報とかは全部裏面。結構写真、重要なのかな? いや、でも、此処までやっていいのかな。
まあ、ともかく。可愛い魔服を買って貰って、可愛いカードを作って貰って、私、もう結構満足なんだけど、まだ冒険は始まってすらいない。今日の目的はこれからだね。
「え、わあ……。ご主人さま、凄く可愛い」
(ミ、ミア……。そんなに褒めないで)
「ああ、リーナ様、魔服持ってなかったんですね。とてもお似合いです」
ラザールお兄様が使い魔たちに見せてあげたら、と言うので、召喚してみた。
思っていた以上の反応だから、なんて言うか、凄く恥ずかしいんだけど……。顔には出ないから、気付いているのは、使い魔の二人だけ。
二人がニヤニヤ笑いながらまだ褒め言葉を並べてくるから、死ぬほど恥ずかしい。だからすぐに帰した。
あ、でも……。こんな風な感情も、前は、あんまりなかったなぁ。
「じゃあ、依頼を受けてみよっか。危険の少ない場所にする? それとも、ちょっと強めの所行く?」
「リーナ様には、魔物の危険も知って貰った方がいいのではないでしょうか?」
「なめて、よく、命落とす人も、居るわけだし」
「そうだね……。じゃあ、僕達範囲が何でもリーナちゃんを死守しなきゃね」
私にしてみれば、怖いから嫌なんだけど……。逆らう訳にはいかないし。
何が何でも守って貰えるなら、まあ、大丈夫、かな。
依頼の受け方を教わって、私は三人に引かれる形で冒険に出た。
大通りを抜け、草原を突っ切り、薄暗い森に到着した。
この森は、私達が出会った森とは反対方向で、初めて来る場所だ。ちょっと怖いな。
此処は『王都の壁』と呼ばれているらしい。他の街とかが王都を攻めようとしても、この森が邪魔で大軍を送れないんだとか。
私達が出会った森は『国境の森』。黒魔族国との国境になっているらしい。
まあ、入り口で止まっていても仕方がないので、言われるがままに入ってみる。
気が生い茂っていて、日の光が届かない。だからか、少しひんやりとする。思わず身震いをすると、これが魔服の効果なんだろう、急に暖かくなった。
そのまま、周りに注意をしつつ、森の中を進んでいく。
「っ……」
私の異変に気が付いてくれたのは、ラザールお兄様だった。
ミレさんとアンジェラさんに声を掛け、止まるように言ってから、私を木の根元に座らせる。
「リーナちゃん、足、痛くなっちゃった? 靴脱いで、ちょっと見せて」
小さく頷いて、言われたとおりにする。迷惑をかけたくなかったんだけど、あんまり痛くて、もう、歩けない。
ラザールお兄様は何処からか道具を取り出すと、手際よく仮治療をしてくれた。え、手際が良いって、馴れてる? そんなに怪我、するのかな。
「あー……そっか、ちょっと曲がってるね。これじゃ歩くの大変だよね」
「と、言うと、リーナ様は先天性内反足なんですね」
「まだ治療法もよく分かってないし……。痛いよね。うーん、どうしよっか」
少し俯いて、唇を噛む。また、迷惑を……。どうして私は、いつも、いつも……。
こんなところで時間使っちゃ駄目だよね。ちょっとだけ考えて、ネージュを召喚した。
(ごめんね、ネージュ、背中に乗せてくれる?)
そう頼むと、ネージュは姿勢を低くしてくれた。それを見て、ラザールお兄様が抱き上げて乗せてくれた。ふわっとなって、一瞬、ドキッとした。
跨るには大きすぎるから、横向きに座る事にした。視界が横向きに動くのって、ちょっと変な感じがする。
みんな、心配そうな顔をしてる。優しさに感謝しつつも、心の中で溜息を吐く。
(どうして、私、みんなに迷惑ばかり……)
「よし、これで完了!」
「やっと終わったぁ!」
日が傾きかけたころ、最後の魔物を倒し終えた。
今回受けた依頼は、大きな熊の魔物を倒して、毛皮を手に入れる依頼。その、必要な数が、これで揃う。
ネージュは、人型悪魔より少ない魔力量で使役出来るみたい。一日中召喚していたけれど、大丈夫だった。
もしくは、私の魔力量が増えたのかもしれないけれど。そうであってくれるといいなぁ。
「さて、じゃ、帰ろっか」
ラザールお兄様が解体を終えたみたい。ちょっとこれは、あんまり見たくない。で、解体の終わった毛皮は、アンジェラさんが収納する。
と言うのも、異空間に物を保管しておく様な魔法があるとか。アンジェラさんは随分大きい空間を持ってるらしくて、今までの毛皮を全部持っている。
さっきの治療道具も、其処から出したのかな?
初めての冒険が終わり。ちょっと油断したのもあるよ……。みんなで街の方に歩いている時。不意に。
銃声が鳴り響いた。
振り返った私の右肩から鮮血が吹き出す。必死に抑えて、でも、貫通したかも。次から次から溢れだす血に、もう、どうしていいのか分からない。止血方法なんて知らないもん。もう、パニック状態。
「っ?! リーナちゃん!」
慌てたからか、ネージュは消えちゃった。それに気が浮いたラザールお兄様が私を抱き止めてくれる。
震える私を、ラザールお兄様は強く抱きしめてくれる。痛みと恐怖で零れそうな涙を、必死に堪えていた。
此処で泣いたら、ラザールお兄様がもっと心配する!
みんなで探すけれど、なんで? 犯人が見つからない。
と、もう一発。
ラザールお兄様と私を庇おうと、ミレさんが飛び出した。赤い血が舞う。
ふらりとよろけ、それでも前を見て。まだ、守るつもりでいる。
これじゃあ、攻撃できる人がいない。
アンジェラさんの魔力はもうほぼ無い。
ラザールお兄様は私を抱いてるし、離してくれそうにはない。
ミレさんは体に弾を受けている。
この状態じゃあ、戦う事はおろか、逃げる事だって出来ない。
絶体絶命。一体どうすれば……。
「どうやら、私が手を出すしかない様だな」
(っ?!)
その声は、聞き覚えがあった。
と言うか、さっきまで聞いていた。
でも、信じられるはずがない。
剣を抜いたアンジェラさんが、鋭い目で、前方を見つめていた。
ユラリと怪しく光る切先は、よく手入れされている事が覗えた。
そして、あまりに手慣れた握り方。
アンジェラさんが剣を振ると、ヒュ、と空気を斬る音がする。
さっきまでと同じ人だとは、到底思えない空気を纏って。アンジェラさんは、小さく、呟くように言った。
「木の上」
アンジェラさんの振った剣は、枝には届かなかった。
それなのに、太股ほどの太さがある枝は、いとも簡単に斬り落とされる。
(嘘……。アンジェラさんって、何者……?)
そう思わずには、居られない。
アンジェラさんを見ている間にも、流れる血は止まらない。
眩暈が強くなって。あぁ、もう駄目だ。
私は、意識を手放した。
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