幼女と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について
69話目 情報収集
シャルが持ってしまった『外』への恐怖はそう簡単に拭えるものではないだろう。最早王国への意趣返しというよりも、彼女の恐怖心を取り除くという意味合いで王国をシャルに攻撃させなければならない。
俺自身が裏切られることへの恐怖を克服できていないので、果たしてどうすれば彼女の恐怖を無くすことが出来るかは見当もつかないが……、それでも『外』に恐怖心を持つようになった直接的な原因を彼女自身に潰させるというのは悪い結果にはならないはずだ。
無論それだけで完治するなどとは思っていないが、効果のありそうなことは片っ端から試していくべきだろう。効果を事前に確かめるという意味でも、シャルに不要な傷を負わせた責任としても俺自身のトラウマもなんとかしていかなきゃな……。そしてこういう時に役に立ちそうな知識魔法は実は役に立たない。あの魔法は知識は教えてくれるが、知恵は授けてくれないのだ。
くそ、ちゃんと俺が助けていればこんなことには……、考えるだけ無駄か。
俺が強く出たことでシャルも渋々ながら王国を攻めることに同意してくれた。今回こそはフル装備で行かせるので何があっても大丈夫だろうとは思うが、いざその時になったら絶対に傍から離れないようにしておこう。
さて、王国を攻めると決めたので今度は帝国側の情報も集めてみることにする。特に気になるのは去り際に言っていた『提案を受けようが受けまいがどちらでもいい』という言葉だ。それはつまり俺が協力しなくても王国を攻めることは決まっていて、しかも勝算があるということだ。まあ俺にそう思わせるためにそう言っただけで、実際に俺が協力を蹴ったら王国に攻め込まずに終わるつもりなのかもしれない。
そしてそれはさておき、相手は俺のことをある程度調べているようだというのに、逆にこちらが持つ相手の情報はほとんど無いに等しい。更に言えばその僅かな情報も相手が言った内容そのままなので、情報戦においては惨敗どころか舞台に立つことすら出来ていない。
相手の持つ雰囲気に飲まれて皇帝という自称をそのまま信じてしまったが、後から考えればそれも非常に怪しいものである。そういうわけであいつらが再び来るまでにある程度の情報を集めようというわけだ。知識魔法を使えば一瞬で終わるのは確かなのだが、その情報が雑多すぎるので時間をかけて必要な分だけ知る必要があるのだ。
帝国が王国を攻めて本当に勝ち目があるのかを判断するしたいのに、帝国に住む猫が何匹逃げ出したとかだとか、何人のおじいちゃんが昨日の晩ご飯の献立を忘れただとかいう情報は絶対にいらない、はずだ。範囲を定めなければそういった意味のわからない情報まで拾ってしまうため、情報を集めるのは一瞬であっても時間が必要なのだ。
あいつらが来る日までにそれが間に合うか……、ってあいつら次にいつ来るつもりだ? ま、まあいい、とにかく急いで情報を仕入れることにしよう。
そしてそれから三日が経過し、再び彼らはここを訪れに来た。国を滅ぼすかどうかの判断のための時間が三日というのは些か短すぎるようにも思えるが、情報を集めてこちらの出す条件がとりあえず定まったから良しとしよう。
今まで知識魔法を料理か修行方法の策定にしか使わなかったため、そういったノウハウが全く無くて色々と手間取ってしまったが、気合でなんとか終わらせた。お陰でまたしても寝不足になってしまったが、まあいつかまたこの経験が活かせる時が来ると思っておこう。
俺は先日と同じように魔法を発動し、憂鬱な顔をしたシャルを連れて交渉のテーブルにつくのであった。
俺自身が裏切られることへの恐怖を克服できていないので、果たしてどうすれば彼女の恐怖を無くすことが出来るかは見当もつかないが……、それでも『外』に恐怖心を持つようになった直接的な原因を彼女自身に潰させるというのは悪い結果にはならないはずだ。
無論それだけで完治するなどとは思っていないが、効果のありそうなことは片っ端から試していくべきだろう。効果を事前に確かめるという意味でも、シャルに不要な傷を負わせた責任としても俺自身のトラウマもなんとかしていかなきゃな……。そしてこういう時に役に立ちそうな知識魔法は実は役に立たない。あの魔法は知識は教えてくれるが、知恵は授けてくれないのだ。
くそ、ちゃんと俺が助けていればこんなことには……、考えるだけ無駄か。
俺が強く出たことでシャルも渋々ながら王国を攻めることに同意してくれた。今回こそはフル装備で行かせるので何があっても大丈夫だろうとは思うが、いざその時になったら絶対に傍から離れないようにしておこう。
さて、王国を攻めると決めたので今度は帝国側の情報も集めてみることにする。特に気になるのは去り際に言っていた『提案を受けようが受けまいがどちらでもいい』という言葉だ。それはつまり俺が協力しなくても王国を攻めることは決まっていて、しかも勝算があるということだ。まあ俺にそう思わせるためにそう言っただけで、実際に俺が協力を蹴ったら王国に攻め込まずに終わるつもりなのかもしれない。
そしてそれはさておき、相手は俺のことをある程度調べているようだというのに、逆にこちらが持つ相手の情報はほとんど無いに等しい。更に言えばその僅かな情報も相手が言った内容そのままなので、情報戦においては惨敗どころか舞台に立つことすら出来ていない。
相手の持つ雰囲気に飲まれて皇帝という自称をそのまま信じてしまったが、後から考えればそれも非常に怪しいものである。そういうわけであいつらが再び来るまでにある程度の情報を集めようというわけだ。知識魔法を使えば一瞬で終わるのは確かなのだが、その情報が雑多すぎるので時間をかけて必要な分だけ知る必要があるのだ。
帝国が王国を攻めて本当に勝ち目があるのかを判断するしたいのに、帝国に住む猫が何匹逃げ出したとかだとか、何人のおじいちゃんが昨日の晩ご飯の献立を忘れただとかいう情報は絶対にいらない、はずだ。範囲を定めなければそういった意味のわからない情報まで拾ってしまうため、情報を集めるのは一瞬であっても時間が必要なのだ。
あいつらが来る日までにそれが間に合うか……、ってあいつら次にいつ来るつもりだ? ま、まあいい、とにかく急いで情報を仕入れることにしよう。
そしてそれから三日が経過し、再び彼らはここを訪れに来た。国を滅ぼすかどうかの判断のための時間が三日というのは些か短すぎるようにも思えるが、情報を集めてこちらの出す条件がとりあえず定まったから良しとしよう。
今まで知識魔法を料理か修行方法の策定にしか使わなかったため、そういったノウハウが全く無くて色々と手間取ってしまったが、気合でなんとか終わらせた。お陰でまたしても寝不足になってしまったが、まあいつかまたこの経験が活かせる時が来ると思っておこう。
俺は先日と同じように魔法を発動し、憂鬱な顔をしたシャルを連れて交渉のテーブルにつくのであった。
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