竜神の加護を持つ少年
77.貧乳は正義!
知らない天井だ……。
あれ?
俺、なんで寝ていたんだっけ?
「コータさん起きたよぉ、院長先生ぇ」
『はいはい、今行きますからね』そんな声が隣の部屋から聞こえてくる。
「あらあら、コータさん大丈夫ですか? 何処か痛い所とかは無いですか?」
痛い所? あ゛ーまたクロか。
何で俺が、孤児院で寝ていたのか思い出した。
「えぇ、すみません。ベッドまでお借りしちゃって」
「何ならもう少し横になっていてもいいのよ? それ私のベッドだから」
うふ、って言った! うふ、って! さっきの会話聞いて無かったら俺のあそこもモッコリしていたかも? 知れないが……聞いちゃったからねぇ。
――お婆様。
「あ、すみません。もう大丈夫ですから!」
そう言って俺はベッドから出ると今度は扉からニョルズ氏が入ってきた。
いやぁ、何でそんなに目が細いんです? 元からそんなんでしたっけ?
「やぁ、やっと起きたようだね」
「えぇ、たまにあるんですよ! クロったら悪戯が好きで」
「ふん! 我がじゃなくコータがの間違いじゃろ?」
はいはい。確かに相手に失礼な事だったとは思うけどね。
「それで、お話はもう終わられたのですか?」
「ええ、お陰さまでニョルズからは現在のアルフヘイムの状況とガルラード帝国の置かれた状況も報告を受けました」
「院長先生もやはり、ガルラード帝国には手を貸さない方がいいとお考えでしょうか?」
「そうですね、過去の事は昔の人の過ち。それで割り切ったとしても、今回の問題はそれ以上に大きい問題だと思いますよ。こちらが手を貸せないと言えば同属を攫って力で支配しようとする――。それでは、昔も今も何も変わらないでは無いか。となりますから。それに、水問題は非常に繊細な問題です。ガルラード帝国へ水を供給すれば、今度は他の土地に水が回らなくなる可能性も高いのです。ですから山脈からの水源確保には協力出来ないと言わずにはいられません」
「やはりそこがネックですよね」
「森林の植林に関しては、水問題さえ解決すれば、エルフも手は貸せると思いますよ。エルフも平和を願っていない訳では無いのですから」
となると、やっぱり水問題を解決するのが先決か……。
「では、私はそろそろ宿に戻りますので」
「では、僕も」
ニョルズ氏も一緒に帰るのか。もしかして帰りが不安とか?
「それじゃ。また何か分かったら知らせて頂戴。いいわね、ニョルズ」
「はい、お姉様」
院長はニコリと微笑んで送り出してくれた。最後にまた遊びに来て頂戴、今度は皆さんで……と言い残して。
いや、別に俺に個人的に言ってくれた訳じゃ無いから僻んでいる訳じゃないよ!
「お婆様はいつもあの調子なのかい?」
「んーいつもあんな感じですよ」
はぁ、とか溜息ついちゃったよ。この孫は!
「でもエルフって見た目では分りませんね。てっきり20代前半位だと思っていましたよ」
「それ今度、本人に言って上げてくれ。凄く喜ぶと思うよ」
「所で、アルフヘイムは何となく分ったのですが、リョースアールヴとは何の事なんでしょうか? それと、スヴァルトアルフヘイムとスヴァルトアールヴでしたっけ? あまり聞いた事のない名称だったので」
「あぁ、君たち人族にはあまり伝わってないんだね。まず、アルフヘイムは我等の住まう場所だね。スヴァルトアルフヘイムはアルフヘイムの地下にあるんだけど、これも地名だね。後は、リョースアールヴ。これはダークエルフ以外のエルフを指す総称で光の民の意味を持つ。スヴァルトアールヴはダークエルフやドワーフで黒い肌の色のものを指す総称と言う訳さ」
俺の異世界の知識、もっともゲームやファンタジー小説でだが。ではドワーフとエルフは仲が悪く離れた所に住んでいるイメージだったんだけど、同じ場所の地下と地上とは思わなかった。
「それでこれからニョルズさん達はどうするんですか?」
「うーん、正直言ってアルステッド国に来る予定では無かったからね。困ったよ」
来た道を戻るにしても、ガルラード帝国の兵士達が待ち伏せて居ないとは限らない。となると里に帰るのに山脈を越えないといけない訳だが、これから冬でまず無理だ。
流石に困るよね!
「もし資金も心細いなら、うちの領地に来ますか?」
「君の領地って? コータくんは貴族のご子弟なのかい?」
「いいえ、俺が初代の当主ですけど」
いや、だからさ。そんな細い目で、胡散臭い物を見る様な視線は如何なものかと思うよ!
「宿に帰ったら、メテオラにでも聞いてもらえれば分りますよ。彼女はこの国の第一王女ですから。降嫁はしましたが……」
「あのシンプルボブで金髪、青い瞳のお嬢さんが君の奥さん? で第一王女様?」
「そうですよ、第二婦人はアルテッザです。ナンパしたら張り倒しますよ!」
エルフって、ナンパ野郎のイメージが強いからね!
「嫌だなぁー僕はそんな事はしないよ。僕は胸が大きい子が好みなのさ!」
クロやっておしまい!
ブン…………ニョルズは気絶した。
大体、人の奥さん候補二人捕まえて貧乳だからナンパしないとか失礼過ぎだろ!
え?
俺の方がだって?
貧乳は正義だぞ!
でもポチの胸に視線は釘付けだけどさ。
ブン……コータも気絶した。
一体、誰が運ぶんだよ!
あれ?
俺、なんで寝ていたんだっけ?
「コータさん起きたよぉ、院長先生ぇ」
『はいはい、今行きますからね』そんな声が隣の部屋から聞こえてくる。
「あらあら、コータさん大丈夫ですか? 何処か痛い所とかは無いですか?」
痛い所? あ゛ーまたクロか。
何で俺が、孤児院で寝ていたのか思い出した。
「えぇ、すみません。ベッドまでお借りしちゃって」
「何ならもう少し横になっていてもいいのよ? それ私のベッドだから」
うふ、って言った! うふ、って! さっきの会話聞いて無かったら俺のあそこもモッコリしていたかも? 知れないが……聞いちゃったからねぇ。
――お婆様。
「あ、すみません。もう大丈夫ですから!」
そう言って俺はベッドから出ると今度は扉からニョルズ氏が入ってきた。
いやぁ、何でそんなに目が細いんです? 元からそんなんでしたっけ?
「やぁ、やっと起きたようだね」
「えぇ、たまにあるんですよ! クロったら悪戯が好きで」
「ふん! 我がじゃなくコータがの間違いじゃろ?」
はいはい。確かに相手に失礼な事だったとは思うけどね。
「それで、お話はもう終わられたのですか?」
「ええ、お陰さまでニョルズからは現在のアルフヘイムの状況とガルラード帝国の置かれた状況も報告を受けました」
「院長先生もやはり、ガルラード帝国には手を貸さない方がいいとお考えでしょうか?」
「そうですね、過去の事は昔の人の過ち。それで割り切ったとしても、今回の問題はそれ以上に大きい問題だと思いますよ。こちらが手を貸せないと言えば同属を攫って力で支配しようとする――。それでは、昔も今も何も変わらないでは無いか。となりますから。それに、水問題は非常に繊細な問題です。ガルラード帝国へ水を供給すれば、今度は他の土地に水が回らなくなる可能性も高いのです。ですから山脈からの水源確保には協力出来ないと言わずにはいられません」
「やはりそこがネックですよね」
「森林の植林に関しては、水問題さえ解決すれば、エルフも手は貸せると思いますよ。エルフも平和を願っていない訳では無いのですから」
となると、やっぱり水問題を解決するのが先決か……。
「では、私はそろそろ宿に戻りますので」
「では、僕も」
ニョルズ氏も一緒に帰るのか。もしかして帰りが不安とか?
「それじゃ。また何か分かったら知らせて頂戴。いいわね、ニョルズ」
「はい、お姉様」
院長はニコリと微笑んで送り出してくれた。最後にまた遊びに来て頂戴、今度は皆さんで……と言い残して。
いや、別に俺に個人的に言ってくれた訳じゃ無いから僻んでいる訳じゃないよ!
「お婆様はいつもあの調子なのかい?」
「んーいつもあんな感じですよ」
はぁ、とか溜息ついちゃったよ。この孫は!
「でもエルフって見た目では分りませんね。てっきり20代前半位だと思っていましたよ」
「それ今度、本人に言って上げてくれ。凄く喜ぶと思うよ」
「所で、アルフヘイムは何となく分ったのですが、リョースアールヴとは何の事なんでしょうか? それと、スヴァルトアルフヘイムとスヴァルトアールヴでしたっけ? あまり聞いた事のない名称だったので」
「あぁ、君たち人族にはあまり伝わってないんだね。まず、アルフヘイムは我等の住まう場所だね。スヴァルトアルフヘイムはアルフヘイムの地下にあるんだけど、これも地名だね。後は、リョースアールヴ。これはダークエルフ以外のエルフを指す総称で光の民の意味を持つ。スヴァルトアールヴはダークエルフやドワーフで黒い肌の色のものを指す総称と言う訳さ」
俺の異世界の知識、もっともゲームやファンタジー小説でだが。ではドワーフとエルフは仲が悪く離れた所に住んでいるイメージだったんだけど、同じ場所の地下と地上とは思わなかった。
「それでこれからニョルズさん達はどうするんですか?」
「うーん、正直言ってアルステッド国に来る予定では無かったからね。困ったよ」
来た道を戻るにしても、ガルラード帝国の兵士達が待ち伏せて居ないとは限らない。となると里に帰るのに山脈を越えないといけない訳だが、これから冬でまず無理だ。
流石に困るよね!
「もし資金も心細いなら、うちの領地に来ますか?」
「君の領地って? コータくんは貴族のご子弟なのかい?」
「いいえ、俺が初代の当主ですけど」
いや、だからさ。そんな細い目で、胡散臭い物を見る様な視線は如何なものかと思うよ!
「宿に帰ったら、メテオラにでも聞いてもらえれば分りますよ。彼女はこの国の第一王女ですから。降嫁はしましたが……」
「あのシンプルボブで金髪、青い瞳のお嬢さんが君の奥さん? で第一王女様?」
「そうですよ、第二婦人はアルテッザです。ナンパしたら張り倒しますよ!」
エルフって、ナンパ野郎のイメージが強いからね!
「嫌だなぁー僕はそんな事はしないよ。僕は胸が大きい子が好みなのさ!」
クロやっておしまい!
ブン…………ニョルズは気絶した。
大体、人の奥さん候補二人捕まえて貧乳だからナンパしないとか失礼過ぎだろ!
え?
俺の方がだって?
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