竜神の加護を持つ少年
47.出立の前に・・・
「せ、戦争ですか!」
「陛下と王子は威圧外交が目的だって言っているけどね、俺としては人が死ぬのは見たくないから断ったけど」
親の、そんな姿見ちゃっているから、これ以上は人の死体とかは流石にね――次ぎ見たら吐くかも。
「本当に、威圧だけで済めばいいがのぉ」
クロが、最初の段階で話に加わるなんて珍しいじゃん!
「そーですね、コータさんが戦争に参加しないのであれば私としては嬉しいですが……」
でもそれで、王族達は納得してくれるんでしょうか?とアルテッザ。
「戦争は駄目なんだぞ!命は限りあるものなんだぞ!」
そんなん誰でも知っていますって。
俺も人間の寿命が男80なら後66年、長い様な短い様な。
でもこの世界では、もっと短い可能性だってあるよね?
「ポチも戦争は嫌だに!」
「私は戦闘してみたいですが、戦争自体は国を疲弊させるといいますから、肉が食べられなくなると困りますね」
ホロウは、最近めきめきレベルが上がって元狩猟の狼の血でも騒ぐのか戦いに貪欲だな。
そうそう、これが今のみんなのステータスだ。
●名前 アンドレア・アルテッザ
・種族 人族
・性別 女
・家族 オルステッド(父)オフィーリア(母)双子 (弟、妹)
・職業 商人
・LV 89
・HP 1420/1420
・MP 1250/1250
・得意技 カマイタチ 牙突
・属性 風 光 水
・称号 箱入り娘 ハリケーン娘 奴隷娘 コータの嫁
●名前 ポチ
・種族 犬人族
・性別 女
・家族 タマ(妹)
・職業 コータのペット
・LV 98
・HP 2140/2140
・MP 800/800
・得意技 牙突 視線を釘付け 瞬間冷却 氷結
・属性 水 闇
・称号 コータの視線独り占め メロンちゃん 美肌美人 ドS
●名前 ホロ(ホロウ)
・種族 狼人間
・性別 女
・家族 天涯孤独
・職業 コータの護衛
・LV 119
・HP 2840/2840
・MP 730/730
・得意技 牙突 縮地 変化 炎獄
・属性 炎 雷
称号 門番の娘 狼の姫 戦闘狂
●名前 イアン
・種族 人族
・性別 女
・家族 イリア(母)
・職業 冒険者
・LV 107
・HP 1110/1110
・MP 2100/2100
・得意技 インフェルノ
・属性 炎 土 風
・称号 炎の魔法師 年下キラー アレフの恋人 玉の輿
●名前 タマ
・種族 猫人族
・種別 女
・家族 ポチ(姉)
・職業 みんなのアイドル
・LV 3
・HP 85
・MP 5
・得意技 天然 引搔き
・属性 炎 風
・称号 コータの愛玩幼女
いつもと変わらず、クロとヘメラは見られなかった。
この世界で、俺が見てきた一般兵士が大体LV30が平均で、隊長クラスでLV50だからかなり強くなった事がわかる。
でもこれだけ強くても、アルテッザの様に小型ドラゴンの爪であの有様だから、まったく安心は出来ないんだよね。
もっと最初の様にレベルが上がると思ったんだけど、雑魚を大量に狩るだけだったからね。
こんなものでしょ!
さて、話は戻ってどうしたらいいのかねぇ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「オルドバからの連絡が途絶えてもう4日、メルドバはこれをどう見る?」
「恐れながら申し上げます。連絡用の魔道具にも反応がありませんので、恐らく捕らえられたかと」
「こちらは帆船を30隻も差し向けておるのだぞ!そのどちらからも連絡が途絶えた事をどう捉える」
「それは、陸上に上陸して、現在進軍している最中でありますれば」
「それなら、連絡が来ないのはおかしいではないか!」
「はぁ、それはそうなのですが、あの最強の帆船軍が負ける筈が御座いません」
「そうなのだがな……何かトラブルでもあったのではと心配にもなろう?」
そこへ、辛うじて一命を取り留めたワイバーン騎士と、ワイバーンが傷だらけになりながら戻ってきた。
「報告いたします!」
「貴様、なんじゃその有様は!仮にもワイバーン騎士ともあろう者が!」
「申し訳、御座いません」
「陛下、まずは報告を聞かなければ」
「うむ、そうであったな。許す!報告いたせ」
「恐れながら申し上げます、帆船軍30隻すべて……」
「全てなんじゃ?はよ!申してみよ!」
「はい、帆船軍30隻すべて、オクトパスに襲撃され沈没致しました」
「何を馬鹿な!オクトパスは魔法で手なづけてあったではないか!」
「そ、それが 現場海域におきまして更に巨大なオクトパスが他に7匹現れまして。成す術なく1時間で撃沈しました」
「御主は一人、ぬけ抜けと生き残り、帰ってきたと言う事か!」
「私には報告をする義務が御座いますれば、生き恥を忍んで報告に参りました」
「ふむ、で?他に報告する事はあるのか?」
「はっ!アルステッド王国はピクシードラゴンを手懐けたと思われる、コータなる人物にオクトパス討伐を依頼。オルドバ様から用意された人質で、コータなる人物を脅しまして御座います」
「ふん、結局オクトパスには手も足も出なかったのであろう?ならその者の強さも何も分からぬではないか」
報告は以上か?と再度確認した海洋国家エジンバラ、国王アーグスタ三世はその場でワイバーン騎士の首を刎ねた。
「これ程に聞き苦しい報告もないわ!」
「はっ、申し訳御座いません」
「帆船が沈められたのは痛いが、4年かけた計画が水の泡ではないか!」
「一応、軍の再編と、帆船強化の命を出しておけ!」
「はっ!」
こうして、今回のあらましを知ったアーグスタ三世は一人思考に陥る。
何を、どうすればオクトパスに我が軍だけ襲わせられると言うのだ!
ピクシードラゴン?
コータなる人物も魔物使いなのか?それなら納得も出来るが。
ただの勘違いである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「コータさん、このお芋美味しいですよ!」
「こっちの肉団子もおししいだに!」
「やはりこの油の乗った鳥類の肉が最高です!見てください。この足を!」
「コータさんといるとおいしいものがたべられてうれしいにゃ!」
「私はダイエット中ですからね、ドレスが着られなくなっては困ります!」
今日は皆で王都見物をしていた。
こっちに来て、問題ばかりで中々観光も出来なかったからね!
アルテッザの、実家の窓から眺める町並みも素晴らしかったが――。
この王都はさすが王おわす街だけあって綺麗で清潔にされている。
下水道は酷かったが……。
しばらく歩くと、見覚えのある建物が見えてきた。
この王都に来て、最初に立ち寄った、屋根に鐘が備え付けられている孤児院だ。
聞いた所によると孤児院を運営しているのは、
王国で朝、昼と日が暮れる1時間前に鐘をならし王都の民に時間を、知らせる為らしい。
孤児院の前に行くと、そこでは見覚えのある人族の幼女二人と、数人の孤児達が地面に何かを書いて遊んでいた。
俺達に気づき、駆け寄ってくる幼女二人。
一方、何事だと言う様に他の子たちはぽかんとこっちを眺めていた。
「やぁ二人とも元気そうで何よりだね」
「はい。おにいちゃんのお陰でまた友達と一緒にいられて楽しいです!」
なんかこういうのって嬉しいよね!
俺達は途中の露天で買い込んだ、串焼きや芋、団子などを二人に手渡した。
「はい!これお土産だからみんなで食べて!」
幼女二人と周りで見ていた子供達も、何か貰ったのは分ったのだろう。
すぐにお礼を言われた。
6人位から一斉に言われると、蛙の合唱みたいだな。
急に孤児院のドアが開いた。
外が騒がしくなったので、気になり様子を見に院長のフレイさんが出てきた様だ。
「子供達を助けて頂いたばかりか、こんなお土産まで。本当に有難う御座います」
中は、ちょっと狭く、もてなしが出来そうな場所ではない為に、外でだけ挨拶を交わし俺達は迎賓館に戻ってきた。
戻ってくると、アレフ王子が待っていましたとばかりに駆け寄ってくる。
「どうしましたアレフ王子?」
俺が聞くと、真剣な顔で――出立の日が決ったとそう告げたのだった。
「陛下と王子は威圧外交が目的だって言っているけどね、俺としては人が死ぬのは見たくないから断ったけど」
親の、そんな姿見ちゃっているから、これ以上は人の死体とかは流石にね――次ぎ見たら吐くかも。
「本当に、威圧だけで済めばいいがのぉ」
クロが、最初の段階で話に加わるなんて珍しいじゃん!
「そーですね、コータさんが戦争に参加しないのであれば私としては嬉しいですが……」
でもそれで、王族達は納得してくれるんでしょうか?とアルテッザ。
「戦争は駄目なんだぞ!命は限りあるものなんだぞ!」
そんなん誰でも知っていますって。
俺も人間の寿命が男80なら後66年、長い様な短い様な。
でもこの世界では、もっと短い可能性だってあるよね?
「ポチも戦争は嫌だに!」
「私は戦闘してみたいですが、戦争自体は国を疲弊させるといいますから、肉が食べられなくなると困りますね」
ホロウは、最近めきめきレベルが上がって元狩猟の狼の血でも騒ぐのか戦いに貪欲だな。
そうそう、これが今のみんなのステータスだ。
●名前 アンドレア・アルテッザ
・種族 人族
・性別 女
・家族 オルステッド(父)オフィーリア(母)双子 (弟、妹)
・職業 商人
・LV 89
・HP 1420/1420
・MP 1250/1250
・得意技 カマイタチ 牙突
・属性 風 光 水
・称号 箱入り娘 ハリケーン娘 奴隷娘 コータの嫁
●名前 ポチ
・種族 犬人族
・性別 女
・家族 タマ(妹)
・職業 コータのペット
・LV 98
・HP 2140/2140
・MP 800/800
・得意技 牙突 視線を釘付け 瞬間冷却 氷結
・属性 水 闇
・称号 コータの視線独り占め メロンちゃん 美肌美人 ドS
●名前 ホロ(ホロウ)
・種族 狼人間
・性別 女
・家族 天涯孤独
・職業 コータの護衛
・LV 119
・HP 2840/2840
・MP 730/730
・得意技 牙突 縮地 変化 炎獄
・属性 炎 雷
称号 門番の娘 狼の姫 戦闘狂
●名前 イアン
・種族 人族
・性別 女
・家族 イリア(母)
・職業 冒険者
・LV 107
・HP 1110/1110
・MP 2100/2100
・得意技 インフェルノ
・属性 炎 土 風
・称号 炎の魔法師 年下キラー アレフの恋人 玉の輿
●名前 タマ
・種族 猫人族
・種別 女
・家族 ポチ(姉)
・職業 みんなのアイドル
・LV 3
・HP 85
・MP 5
・得意技 天然 引搔き
・属性 炎 風
・称号 コータの愛玩幼女
いつもと変わらず、クロとヘメラは見られなかった。
この世界で、俺が見てきた一般兵士が大体LV30が平均で、隊長クラスでLV50だからかなり強くなった事がわかる。
でもこれだけ強くても、アルテッザの様に小型ドラゴンの爪であの有様だから、まったく安心は出来ないんだよね。
もっと最初の様にレベルが上がると思ったんだけど、雑魚を大量に狩るだけだったからね。
こんなものでしょ!
さて、話は戻ってどうしたらいいのかねぇ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「オルドバからの連絡が途絶えてもう4日、メルドバはこれをどう見る?」
「恐れながら申し上げます。連絡用の魔道具にも反応がありませんので、恐らく捕らえられたかと」
「こちらは帆船を30隻も差し向けておるのだぞ!そのどちらからも連絡が途絶えた事をどう捉える」
「それは、陸上に上陸して、現在進軍している最中でありますれば」
「それなら、連絡が来ないのはおかしいではないか!」
「はぁ、それはそうなのですが、あの最強の帆船軍が負ける筈が御座いません」
「そうなのだがな……何かトラブルでもあったのではと心配にもなろう?」
そこへ、辛うじて一命を取り留めたワイバーン騎士と、ワイバーンが傷だらけになりながら戻ってきた。
「報告いたします!」
「貴様、なんじゃその有様は!仮にもワイバーン騎士ともあろう者が!」
「申し訳、御座いません」
「陛下、まずは報告を聞かなければ」
「うむ、そうであったな。許す!報告いたせ」
「恐れながら申し上げます、帆船軍30隻すべて……」
「全てなんじゃ?はよ!申してみよ!」
「はい、帆船軍30隻すべて、オクトパスに襲撃され沈没致しました」
「何を馬鹿な!オクトパスは魔法で手なづけてあったではないか!」
「そ、それが 現場海域におきまして更に巨大なオクトパスが他に7匹現れまして。成す術なく1時間で撃沈しました」
「御主は一人、ぬけ抜けと生き残り、帰ってきたと言う事か!」
「私には報告をする義務が御座いますれば、生き恥を忍んで報告に参りました」
「ふむ、で?他に報告する事はあるのか?」
「はっ!アルステッド王国はピクシードラゴンを手懐けたと思われる、コータなる人物にオクトパス討伐を依頼。オルドバ様から用意された人質で、コータなる人物を脅しまして御座います」
「ふん、結局オクトパスには手も足も出なかったのであろう?ならその者の強さも何も分からぬではないか」
報告は以上か?と再度確認した海洋国家エジンバラ、国王アーグスタ三世はその場でワイバーン騎士の首を刎ねた。
「これ程に聞き苦しい報告もないわ!」
「はっ、申し訳御座いません」
「帆船が沈められたのは痛いが、4年かけた計画が水の泡ではないか!」
「一応、軍の再編と、帆船強化の命を出しておけ!」
「はっ!」
こうして、今回のあらましを知ったアーグスタ三世は一人思考に陥る。
何を、どうすればオクトパスに我が軍だけ襲わせられると言うのだ!
ピクシードラゴン?
コータなる人物も魔物使いなのか?それなら納得も出来るが。
ただの勘違いである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「コータさん、このお芋美味しいですよ!」
「こっちの肉団子もおししいだに!」
「やはりこの油の乗った鳥類の肉が最高です!見てください。この足を!」
「コータさんといるとおいしいものがたべられてうれしいにゃ!」
「私はダイエット中ですからね、ドレスが着られなくなっては困ります!」
今日は皆で王都見物をしていた。
こっちに来て、問題ばかりで中々観光も出来なかったからね!
アルテッザの、実家の窓から眺める町並みも素晴らしかったが――。
この王都はさすが王おわす街だけあって綺麗で清潔にされている。
下水道は酷かったが……。
しばらく歩くと、見覚えのある建物が見えてきた。
この王都に来て、最初に立ち寄った、屋根に鐘が備え付けられている孤児院だ。
聞いた所によると孤児院を運営しているのは、
王国で朝、昼と日が暮れる1時間前に鐘をならし王都の民に時間を、知らせる為らしい。
孤児院の前に行くと、そこでは見覚えのある人族の幼女二人と、数人の孤児達が地面に何かを書いて遊んでいた。
俺達に気づき、駆け寄ってくる幼女二人。
一方、何事だと言う様に他の子たちはぽかんとこっちを眺めていた。
「やぁ二人とも元気そうで何よりだね」
「はい。おにいちゃんのお陰でまた友達と一緒にいられて楽しいです!」
なんかこういうのって嬉しいよね!
俺達は途中の露天で買い込んだ、串焼きや芋、団子などを二人に手渡した。
「はい!これお土産だからみんなで食べて!」
幼女二人と周りで見ていた子供達も、何か貰ったのは分ったのだろう。
すぐにお礼を言われた。
6人位から一斉に言われると、蛙の合唱みたいだな。
急に孤児院のドアが開いた。
外が騒がしくなったので、気になり様子を見に院長のフレイさんが出てきた様だ。
「子供達を助けて頂いたばかりか、こんなお土産まで。本当に有難う御座います」
中は、ちょっと狭く、もてなしが出来そうな場所ではない為に、外でだけ挨拶を交わし俺達は迎賓館に戻ってきた。
戻ってくると、アレフ王子が待っていましたとばかりに駆け寄ってくる。
「どうしましたアレフ王子?」
俺が聞くと、真剣な顔で――出立の日が決ったとそう告げたのだった。
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