子猫ちゃんの異世界珍道中
第217話、教会の惨状
少女の案内で辿り着いた広場は第4の門の手前にありました。
門の上には綺麗に着飾った装飾が残っている事から、ここで皇帝が民に洗脳を掛けたのは間違いないようです。
「誰も居ないにゃ」
「みんなどこに行っちゃったの?」
広場まで少女の案内で進んできましたが、その間は最初の門を潜った時と変わらず人を見かける事は無く、目的の場所に着いてもそれは変わりありませんでした。
不安そうな面持ちを浮かべる少女の肩を抱きながら、ミカちゃんが言葉を漏らします。
「ここに居ないとなると次は教会にゃ! 教会は何処にあるにゃ?」
ミカちゃんが教会の場所を尋ねますが、それには少女が困った様で首を傾げています。
教会に人が集まる事は知っていても、どこにあるのか知らないのでしょうか?
それでも何かに気づいた様にハッと顔をあげると、遠くに聳える尖塔を指さしました。
そして――。
「あそこが教会だってお母さんに聞いた事があるよ」
少女から話を聞けば、この先は教会の関係者や貴族の街で一般市民は成人の儀式がある時以外は入場出来ないと言っていました。
それならまだ幼いこの少女が知らなくても無理はありませんね。
「それならこれから門を潜って教会へ行くにゃ」
ミカちゃんが明るくそう告げますが、これには少女が難色を示します。
どうしたのか聞くと――。
「お父さんもお母さんも、私達とは住む世界が違うからこの先には入っちゃダメって言われているよ?」
その話を聞いて反応したのは意外な事にフローゼ姫でした。
「そういえば聞いた事があるぞ。エルストラン皇国の首都は完全階級制で、正門を潜るのはどの市民でも出来るが、貴族階級、宗教関係者の住まう場所は許可なきものは一切立ち入る事が出来ないのだとか……」
なるほど……第3の門を潜ってすぐの場所で少女を発見しましたから、正面に見えている門は貴族が住まう第4の門への入り口という訳ですか。その先には第5の門がありそれを潜ると教会や宗教関係者が住んでいるのだとか……。
でも何か忘れてはいませんかね?
どの門にも入門を取り締まる番人の姿はありませんよ。
今は非常時ですからそんなこの街の決まり事など無いに等しいです。
その決まり事を作った皇帝を討伐する為に僕達がやって来た訳ですしね。
「心配はいらないにゃ。人が居なければ入っても叱られないにゃ」
確かに叱る人に見つからなければ怒られる事はありませんね。
ミカちゃんらしい言い訳に思わず息を吐き出しそうになりますが、寸前で静止に成功しその変わりに肯定を示す様に首肯しました。
「本当に叱られない?」
「うん、叱られないにゃ。誰かに見つかったら私達が無理やり連れてきた事にするにゃ」
ミカちゃんの説得で少女は恐る恐る足を踏み出し、第4の門を潜り抜けました。
先程までの街並みはせいぜい2階建ての建物しかありませんでしたが、流石は貴族の屋敷が建ち並ぶ区域だけあり最大で4階建ての建物が路地を埋め尽くすように建ち並んでいました。
大通りは4階建ての建物が多いようですが、ここにもやはり人の気配は無く静まり返った路地は4階建ての建物が織り成す蔭の影響もあり一際肌寒く感じます。
十字路に差し掛かった時に左右を見渡せば、4階建ての建物は大通りに集中していますが、奥には広大な庭をもつ大きな屋敷がいくつも並んでいました。
「ここも人が居ないね」
これだけ歩いても人の気配が無い事に不気味なものを感じたのか少女が小さく言葉を零します。
僕達にしてみれば正門から入った時からこの状態ですから若干慣れてはきましたが、それにしても本当に不気味ですね。一国のそれも首都に建物だけを残し人が居ないという状況は――。
少女の言葉にただ頷きながらも僕達はさらに周囲を警戒します。
4階建ての屋上から矢を構えた兵が姿を現さないか?
建物の影に隠れている人が居ないか?
周囲を隙なく窺いながら歩きますが、第5の門が見える頃になっても結局人の気配は感じられずにそれは杞憂に終わりました。
「いよいよ第5の門にゃ」
今までの門は普通の石材で出来ていましたが、この第5の門を目の前にして思わず足を止めて見入ってしまいます。
巨大な門造りなのは同じですが、その材質は大理石。
白にグレー、黒の模様が入った大理石で作られた門がこの先が神聖な場所である事を窺わせます。
「流石は皇帝を神と崇める国だけはあると言った所だな」
「その皇帝は魔族ですけどね」
「子猫ちゃん、果たして本当にそうなのだろうか?」
フローゼ姫がこの大理石の門を見て感想を漏らしますが、僕がその正体を告げると否定的な意見を告げられます。
大衆を洗脳したのは聞き取りの結果、皇帝その人である事は調べがついています。
今頃になって何を言い出すんでしょう?
「洗脳された兵達からの情報ですよ? まさか皇帝と魔族は別だとでも?」
「いや、そうでは無いのだが……エルストラン皇国が他国を侵略し始めたのはここ数十年の事で、妾の祖父の時代は皇帝を崇める者なら種族を問わず受け入れる度量のある善良な統治者が治めておったのは確かなのだ」
そんな事を言われても、皇帝が大衆の前に顔を出した時にその場に居合わせた者が洗脳を受けたのならば、皇帝本人を疑うのは当然です。
僕が不服そうな態度を露わにするとフローゼ姫は、
「すまん。この荘厳な門を見ているとこの皇国が魔族に支配されている国には思えなくてな……過去の皇帝は立派な御仁であったのだろうが、今は子猫ちゃんが言っている事が正しいな」
いつから魔族に支配されたのかは定かではありませんが、現在この皇国を統べるのは紛れもなく魔族です。
「いざ皇帝を前にして変な気を起こさないで下さいよ」
「ああ。分かっておる」
戦闘の段階になって躊躇したお陰で最悪の結果になる事だけは避けなければいけませんからね。僕がフローゼ姫に忠告すると、彼女も意識を改め頷きます。
大理石の門は他の門と通路は同じで、呆気なく通り過ぎると目の前には質素な佇まいの家屋が建ち並び、その奥には大きな尖塔をいくつも併せ持つ巨大な教会が鎮座していました。
「ここまで人の気配が無かったにゃ。となると――ここか、あそこにゃ」
ミカちゃんが教会の背後に見える漆黒の霧を指さします。
霧は上空から見た時よりも更に濃さを増し、来るものはすべて飲み込む穴が開いている様な錯覚すら引き起こします。
「あれ――なあに? あんなの知らないよ」
少女は生まれた時からこの首都レイスルーンに住んでいるとの事でしたが、その子でさえも城を包み込んでいる暗闇を見るのは初めての様で怯えだします。
「あれは、あれにゃ」
あれが何なのか、ミカちゃんが少女の問いに答えようとしますが、僕達でさえあれの正体は分かっていません。答えにならない答えを吐き出します。
あれに立ち向かう前に教会に行かないといけませんからね。
「教会はすぐそこですよ。さっさと用を済ませましょう」
ミカちゃんの言葉に首を傾げていた少女も、母親がいそうな場所が目の前となると謎の霧の事よりも教会へ視線を向け頷きます。
ミカちゃんは僕に視線を落とすと、助かったにゃとでもいう様に両目をつむりました。
これ久しぶりですね。
ウインクしようとして失敗するの――。
にしても中々上手くは出来ませんね。
僕はそんなミカちゃんに軽く尻尾を上げて答えます。
皆ひと塊になり教会の入り口まで来ると、
「最初に妾が扉を開けよう!」
フローゼ姫が抜剣しながらそう告げ1歩前に出ます。
入り口の取っ手に剣先を差し込み外開きの扉を戸先側から器用に開けると、中はすぐに礼拝堂になっていて足元には巨大な魔方陣が紫色に輝き、魔方陣の文様を邪魔しない形で長椅子が配置されそこには大勢の女性と、老人、子供たちが座っていました。
「お母さん!」
「待つにゃ!」
少女が自身の母親の姿を目に止め叫び駆け出そうとしますが、それをミカちゃんが強引に腕を少女の腰に回し止めました。
急に止められた事で少女がおさげの髪を止めていたヘアクリップが床に落下し、その物体が魔方陣に触れた瞬間――眩い光と煙を発し消滅してしまいました。
礼拝堂の入り口でそんな騒ぎが起きているのに、椅子に座っている人々はジッと正面を向いたまま上空に顔を向け、涎を垂れ流しながらぶつぶつ何やら呟いています。
「これは一体」
フローゼ姫が眩い光りが収まるのを待って中を覗き込み思わず声を発します。
エリッサちゃんも椅子に座っている大衆の様子がおかしい事に気づき大きく目を見張ります。
ミカちゃんは少女に大衆の姿を見せない様に彼女の体を反転させると顔をお腹で抱きしめます。その表情は痛ましいものを目にした時のそれです。
よく見ると大衆の中には精魂吸い取られた様に痩せこけ、横たわっている姿も見受けられます。
子供程早く魔力と生命力を失ったのでしょう。
横たわり死んでいる者は子供が圧倒的に多く、椅子に座っている者もそう長くは持たないと思われました。
僕は大衆が座っている椅子が接している床をよく見ると、椅子から床に魔力が流れ正面に鎮座している神を象った像へと流れているのを見つけました。
椅子に何らかの仕掛けがありそれを軸に魔力と生命力を魔方陣で吸い上げているのだとすれば――その大本。
集めている像を破壊すれば収まるかも知れません。
僕は掌に魔力を蓄え、漆黒の煙を纏うと一気に像へ向けその力を放出しました。
「ダメにゃ! 子猫ちゃん!」
門の上には綺麗に着飾った装飾が残っている事から、ここで皇帝が民に洗脳を掛けたのは間違いないようです。
「誰も居ないにゃ」
「みんなどこに行っちゃったの?」
広場まで少女の案内で進んできましたが、その間は最初の門を潜った時と変わらず人を見かける事は無く、目的の場所に着いてもそれは変わりありませんでした。
不安そうな面持ちを浮かべる少女の肩を抱きながら、ミカちゃんが言葉を漏らします。
「ここに居ないとなると次は教会にゃ! 教会は何処にあるにゃ?」
ミカちゃんが教会の場所を尋ねますが、それには少女が困った様で首を傾げています。
教会に人が集まる事は知っていても、どこにあるのか知らないのでしょうか?
それでも何かに気づいた様にハッと顔をあげると、遠くに聳える尖塔を指さしました。
そして――。
「あそこが教会だってお母さんに聞いた事があるよ」
少女から話を聞けば、この先は教会の関係者や貴族の街で一般市民は成人の儀式がある時以外は入場出来ないと言っていました。
それならまだ幼いこの少女が知らなくても無理はありませんね。
「それならこれから門を潜って教会へ行くにゃ」
ミカちゃんが明るくそう告げますが、これには少女が難色を示します。
どうしたのか聞くと――。
「お父さんもお母さんも、私達とは住む世界が違うからこの先には入っちゃダメって言われているよ?」
その話を聞いて反応したのは意外な事にフローゼ姫でした。
「そういえば聞いた事があるぞ。エルストラン皇国の首都は完全階級制で、正門を潜るのはどの市民でも出来るが、貴族階級、宗教関係者の住まう場所は許可なきものは一切立ち入る事が出来ないのだとか……」
なるほど……第3の門を潜ってすぐの場所で少女を発見しましたから、正面に見えている門は貴族が住まう第4の門への入り口という訳ですか。その先には第5の門がありそれを潜ると教会や宗教関係者が住んでいるのだとか……。
でも何か忘れてはいませんかね?
どの門にも入門を取り締まる番人の姿はありませんよ。
今は非常時ですからそんなこの街の決まり事など無いに等しいです。
その決まり事を作った皇帝を討伐する為に僕達がやって来た訳ですしね。
「心配はいらないにゃ。人が居なければ入っても叱られないにゃ」
確かに叱る人に見つからなければ怒られる事はありませんね。
ミカちゃんらしい言い訳に思わず息を吐き出しそうになりますが、寸前で静止に成功しその変わりに肯定を示す様に首肯しました。
「本当に叱られない?」
「うん、叱られないにゃ。誰かに見つかったら私達が無理やり連れてきた事にするにゃ」
ミカちゃんの説得で少女は恐る恐る足を踏み出し、第4の門を潜り抜けました。
先程までの街並みはせいぜい2階建ての建物しかありませんでしたが、流石は貴族の屋敷が建ち並ぶ区域だけあり最大で4階建ての建物が路地を埋め尽くすように建ち並んでいました。
大通りは4階建ての建物が多いようですが、ここにもやはり人の気配は無く静まり返った路地は4階建ての建物が織り成す蔭の影響もあり一際肌寒く感じます。
十字路に差し掛かった時に左右を見渡せば、4階建ての建物は大通りに集中していますが、奥には広大な庭をもつ大きな屋敷がいくつも並んでいました。
「ここも人が居ないね」
これだけ歩いても人の気配が無い事に不気味なものを感じたのか少女が小さく言葉を零します。
僕達にしてみれば正門から入った時からこの状態ですから若干慣れてはきましたが、それにしても本当に不気味ですね。一国のそれも首都に建物だけを残し人が居ないという状況は――。
少女の言葉にただ頷きながらも僕達はさらに周囲を警戒します。
4階建ての屋上から矢を構えた兵が姿を現さないか?
建物の影に隠れている人が居ないか?
周囲を隙なく窺いながら歩きますが、第5の門が見える頃になっても結局人の気配は感じられずにそれは杞憂に終わりました。
「いよいよ第5の門にゃ」
今までの門は普通の石材で出来ていましたが、この第5の門を目の前にして思わず足を止めて見入ってしまいます。
巨大な門造りなのは同じですが、その材質は大理石。
白にグレー、黒の模様が入った大理石で作られた門がこの先が神聖な場所である事を窺わせます。
「流石は皇帝を神と崇める国だけはあると言った所だな」
「その皇帝は魔族ですけどね」
「子猫ちゃん、果たして本当にそうなのだろうか?」
フローゼ姫がこの大理石の門を見て感想を漏らしますが、僕がその正体を告げると否定的な意見を告げられます。
大衆を洗脳したのは聞き取りの結果、皇帝その人である事は調べがついています。
今頃になって何を言い出すんでしょう?
「洗脳された兵達からの情報ですよ? まさか皇帝と魔族は別だとでも?」
「いや、そうでは無いのだが……エルストラン皇国が他国を侵略し始めたのはここ数十年の事で、妾の祖父の時代は皇帝を崇める者なら種族を問わず受け入れる度量のある善良な統治者が治めておったのは確かなのだ」
そんな事を言われても、皇帝が大衆の前に顔を出した時にその場に居合わせた者が洗脳を受けたのならば、皇帝本人を疑うのは当然です。
僕が不服そうな態度を露わにするとフローゼ姫は、
「すまん。この荘厳な門を見ているとこの皇国が魔族に支配されている国には思えなくてな……過去の皇帝は立派な御仁であったのだろうが、今は子猫ちゃんが言っている事が正しいな」
いつから魔族に支配されたのかは定かではありませんが、現在この皇国を統べるのは紛れもなく魔族です。
「いざ皇帝を前にして変な気を起こさないで下さいよ」
「ああ。分かっておる」
戦闘の段階になって躊躇したお陰で最悪の結果になる事だけは避けなければいけませんからね。僕がフローゼ姫に忠告すると、彼女も意識を改め頷きます。
大理石の門は他の門と通路は同じで、呆気なく通り過ぎると目の前には質素な佇まいの家屋が建ち並び、その奥には大きな尖塔をいくつも併せ持つ巨大な教会が鎮座していました。
「ここまで人の気配が無かったにゃ。となると――ここか、あそこにゃ」
ミカちゃんが教会の背後に見える漆黒の霧を指さします。
霧は上空から見た時よりも更に濃さを増し、来るものはすべて飲み込む穴が開いている様な錯覚すら引き起こします。
「あれ――なあに? あんなの知らないよ」
少女は生まれた時からこの首都レイスルーンに住んでいるとの事でしたが、その子でさえも城を包み込んでいる暗闇を見るのは初めての様で怯えだします。
「あれは、あれにゃ」
あれが何なのか、ミカちゃんが少女の問いに答えようとしますが、僕達でさえあれの正体は分かっていません。答えにならない答えを吐き出します。
あれに立ち向かう前に教会に行かないといけませんからね。
「教会はすぐそこですよ。さっさと用を済ませましょう」
ミカちゃんの言葉に首を傾げていた少女も、母親がいそうな場所が目の前となると謎の霧の事よりも教会へ視線を向け頷きます。
ミカちゃんは僕に視線を落とすと、助かったにゃとでもいう様に両目をつむりました。
これ久しぶりですね。
ウインクしようとして失敗するの――。
にしても中々上手くは出来ませんね。
僕はそんなミカちゃんに軽く尻尾を上げて答えます。
皆ひと塊になり教会の入り口まで来ると、
「最初に妾が扉を開けよう!」
フローゼ姫が抜剣しながらそう告げ1歩前に出ます。
入り口の取っ手に剣先を差し込み外開きの扉を戸先側から器用に開けると、中はすぐに礼拝堂になっていて足元には巨大な魔方陣が紫色に輝き、魔方陣の文様を邪魔しない形で長椅子が配置されそこには大勢の女性と、老人、子供たちが座っていました。
「お母さん!」
「待つにゃ!」
少女が自身の母親の姿を目に止め叫び駆け出そうとしますが、それをミカちゃんが強引に腕を少女の腰に回し止めました。
急に止められた事で少女がおさげの髪を止めていたヘアクリップが床に落下し、その物体が魔方陣に触れた瞬間――眩い光と煙を発し消滅してしまいました。
礼拝堂の入り口でそんな騒ぎが起きているのに、椅子に座っている人々はジッと正面を向いたまま上空に顔を向け、涎を垂れ流しながらぶつぶつ何やら呟いています。
「これは一体」
フローゼ姫が眩い光りが収まるのを待って中を覗き込み思わず声を発します。
エリッサちゃんも椅子に座っている大衆の様子がおかしい事に気づき大きく目を見張ります。
ミカちゃんは少女に大衆の姿を見せない様に彼女の体を反転させると顔をお腹で抱きしめます。その表情は痛ましいものを目にした時のそれです。
よく見ると大衆の中には精魂吸い取られた様に痩せこけ、横たわっている姿も見受けられます。
子供程早く魔力と生命力を失ったのでしょう。
横たわり死んでいる者は子供が圧倒的に多く、椅子に座っている者もそう長くは持たないと思われました。
僕は大衆が座っている椅子が接している床をよく見ると、椅子から床に魔力が流れ正面に鎮座している神を象った像へと流れているのを見つけました。
椅子に何らかの仕掛けがありそれを軸に魔力と生命力を魔方陣で吸い上げているのだとすれば――その大本。
集めている像を破壊すれば収まるかも知れません。
僕は掌に魔力を蓄え、漆黒の煙を纏うと一気に像へ向けその力を放出しました。
「ダメにゃ! 子猫ちゃん!」
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
55
-
-
381
-
-
238
-
-
75
-
-
159
-
-
361
-
-
26950
-
-
93
-
-
310
コメント