子猫ちゃんの異世界珍道中
第38話、エリッサちゃんも
エリッサちゃんの案内で、僕達は城の正面にある花畑に来ていました。
「ここのお花畑は凄いでしょう、元々は母が育てた花壇だったのですが、母が亡くなってから父が、母を偲んで、花壇を取り払いこんなに広いお花畑に変えちゃいましたの」
お陰で庭師は大変なんですけどね。と、本当に嬉しそうに話してくれます。
ここの子爵様も、お姫様も本当にいい人の様です。
「それでこんなにお花が一杯なんですにゃ、馬車から見えた時に楽しくなって身を乗り出しちゃいましたにゃ」
「うふふ、無理も無いですわ。私も良くここに来ますの。お父様も言っていましたが、身近に歳の近い子がいないでしょ。それでね……」
少し寂しそうにそう言っていましたが、振り返り僕達の顔を見つめると、
「だから本当に嬉しいのですわ!」
まるで全身で喜びを表しているように両手を広げてそう言ったのである。
「私も友達は子猫ちゃんだけだったにゃ。だから嬉しいにゃ」
そう言って、二人で笑い会っていました。
僕は、そんな2人を微笑ましく見つめていました。
「そういえば、父から聞きましたの。ミカさんも、子猫ちゃんも魔法が凄く得意で強いんですって?」
「まだまだですにゃ。もっと強くなりますにゃ」
「みゃぁ~!」
そうです。よく言ってくれました。
「羨ましいですわ。私はこの城から外へは出る事が殆んどありませんから。まだ魔物すら見た事が無いのですわ」
「そうなんですかにゃ?」
「ええ、お母様が亡くなられて、お父様と2人きりで、万一私に何かあると家がお父様の代で終わってしまうからと……」
「そうなんですにゃ、それは――家を守る為には仕方無いかも知れないにゃ」
「分ってはいるのですけれどね……何も知らないまま大人になるのも、何だか寂しいものなのですわ」
このエリッサちゃんになら、魔法を教えてもいいかな?
僕がそう思っていると――。
「私が魔法をおしえてあげるにゃ」
ミカちゃんも、同じ考えだったようです。
「でも私、この城から出られませんのよ。狩りは出来ませんわ」
「狩りはしなくてもいいにゃ」
そう言って、先日ギルドマスターが僕達の宿泊していた宿から持ってきてくれたバッグの中から、丸い骨を1個出したのです。
「これを食べれば、魔法が使えるようになるにゃ」
エリッサちゃんは、驚いた顔をしてミカちゃんを見つめます。でもエリッサちゃんが食べても平気なんでしょうか?
「これは、魔石ですよね?」
「そうにゃ」
「これを食べるんですの?」
「そうですにゃ」
「本当に?」
「本当ですにゃ!」
「魔石は食べられないですよ?」
「それを食べれば、魔法が使えるようになるにゃ。でもミカとエリッサちゃんの秘密ですにゃ」
僕もですよ。
「ミカさんは、これを食べて魔法を覚えたんですの?」
「そうですにゃ。子猫ちゃんに教えて貰ったですにゃ」
「そうなの?」
今度は、僕の方を見つめて確認してきます。
「みゃぁ~!」
「子猫ちゃんも、そうだよって言ってくれていますにゃ」
「そうなんですの……」
「最初は、ジャリジャリして不味いにゃ、でも食べないと強く成れないにゃ」
「ミカさんと、子猫ちゃんを信じますわ――」
そう言って、ミカちゃんに差し出されたオークの余っていた魔石を恐るおそる口に近づけ、
「お嬢様。一体何をなさってらっしゃるので」
僕達の後を付いて来ていた、メイドから止められた様です。
「ええ、美味しそうな飴に見えたので――ちょっとした悪戯ですわ」
「それなら良いのですが、くれぐれもおかしな物は召し上がられませんように」
メイドはそう言って、少し離れた所へ戻っていきました。
「いつもこうなのですわ。私に自由はありませんの」
そう寂しそうに、語ったのだった。
「ここのお花畑は凄いでしょう、元々は母が育てた花壇だったのですが、母が亡くなってから父が、母を偲んで、花壇を取り払いこんなに広いお花畑に変えちゃいましたの」
お陰で庭師は大変なんですけどね。と、本当に嬉しそうに話してくれます。
ここの子爵様も、お姫様も本当にいい人の様です。
「それでこんなにお花が一杯なんですにゃ、馬車から見えた時に楽しくなって身を乗り出しちゃいましたにゃ」
「うふふ、無理も無いですわ。私も良くここに来ますの。お父様も言っていましたが、身近に歳の近い子がいないでしょ。それでね……」
少し寂しそうにそう言っていましたが、振り返り僕達の顔を見つめると、
「だから本当に嬉しいのですわ!」
まるで全身で喜びを表しているように両手を広げてそう言ったのである。
「私も友達は子猫ちゃんだけだったにゃ。だから嬉しいにゃ」
そう言って、二人で笑い会っていました。
僕は、そんな2人を微笑ましく見つめていました。
「そういえば、父から聞きましたの。ミカさんも、子猫ちゃんも魔法が凄く得意で強いんですって?」
「まだまだですにゃ。もっと強くなりますにゃ」
「みゃぁ~!」
そうです。よく言ってくれました。
「羨ましいですわ。私はこの城から外へは出る事が殆んどありませんから。まだ魔物すら見た事が無いのですわ」
「そうなんですかにゃ?」
「ええ、お母様が亡くなられて、お父様と2人きりで、万一私に何かあると家がお父様の代で終わってしまうからと……」
「そうなんですにゃ、それは――家を守る為には仕方無いかも知れないにゃ」
「分ってはいるのですけれどね……何も知らないまま大人になるのも、何だか寂しいものなのですわ」
このエリッサちゃんになら、魔法を教えてもいいかな?
僕がそう思っていると――。
「私が魔法をおしえてあげるにゃ」
ミカちゃんも、同じ考えだったようです。
「でも私、この城から出られませんのよ。狩りは出来ませんわ」
「狩りはしなくてもいいにゃ」
そう言って、先日ギルドマスターが僕達の宿泊していた宿から持ってきてくれたバッグの中から、丸い骨を1個出したのです。
「これを食べれば、魔法が使えるようになるにゃ」
エリッサちゃんは、驚いた顔をしてミカちゃんを見つめます。でもエリッサちゃんが食べても平気なんでしょうか?
「これは、魔石ですよね?」
「そうにゃ」
「これを食べるんですの?」
「そうですにゃ」
「本当に?」
「本当ですにゃ!」
「魔石は食べられないですよ?」
「それを食べれば、魔法が使えるようになるにゃ。でもミカとエリッサちゃんの秘密ですにゃ」
僕もですよ。
「ミカさんは、これを食べて魔法を覚えたんですの?」
「そうですにゃ。子猫ちゃんに教えて貰ったですにゃ」
「そうなの?」
今度は、僕の方を見つめて確認してきます。
「みゃぁ~!」
「子猫ちゃんも、そうだよって言ってくれていますにゃ」
「そうなんですの……」
「最初は、ジャリジャリして不味いにゃ、でも食べないと強く成れないにゃ」
「ミカさんと、子猫ちゃんを信じますわ――」
そう言って、ミカちゃんに差し出されたオークの余っていた魔石を恐るおそる口に近づけ、
「お嬢様。一体何をなさってらっしゃるので」
僕達の後を付いて来ていた、メイドから止められた様です。
「ええ、美味しそうな飴に見えたので――ちょっとした悪戯ですわ」
「それなら良いのですが、くれぐれもおかしな物は召し上がられませんように」
メイドはそう言って、少し離れた所へ戻っていきました。
「いつもこうなのですわ。私に自由はありませんの」
そう寂しそうに、語ったのだった。
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