子猫ちゃんの異世界珍道中
第36話、サースドレイン子爵城
僕とミカちゃんは、特に牢屋に入れられる事も無く、その後この警備隊庁舎の宿直室で3日過ごしていました。狩りに出られないのは残念ですが、これでミカちゃんを追う人達が居なくなれば、安心ですからね。
あの後、結局、ミカちゃんの証言の裏づけというのを取っているらしく、普通なら牢屋に入れられている所、オーガを倒した英雄をそんな所にも入れられないとかで……これで裏づけが取れたあかつきには、子爵様の城でもてなされて然るべきなのだとか……いつの間にか、賓客扱いされる様になっていたようです。
「お譲ちゃんも、毎日こんなむさ苦しい所で退屈だろう」
「そんな事は無いにゃ。皆、良くしてくれますにゃ」
「あはは、そりゃオーガを討伐した英雄様だからな。普通なら、俺達が討伐に借り出されていてもおかしくなかった。そうなれば――いったい何人死んだ事か……倒してくれて、助かったよ。ありがとう」
こんな感じで、この警備隊の人達からは丁重に扱われていたのです。
昼が過ぎた頃に、突然やってきたサースドレイン家筆頭執事のフェルブスターさんがやってきて事態は急変します。
「私の旦那様であらせられます、グレゴリー子爵様が御呼びです。ミカ殿。猫ちゃんと一緒に城まで来て頂けますかな」
「分りましたにゃ」
一体、何があったのでしょうか……。
豪華な黒塗りで、艶が出る漆を塗った馬車に乗り込み、僕達は城へ向かいます。同じ道なのに馬車に乗っているだけで違う場所に来たみたいです。
目の前には大きな尖った建物が両脇に聳え建ち、中央には大きな円錐型の石を積み上げた様な建物が見えます。その手前には大きな木造の門があり、周囲は堀になっているみたいです。僕達が門の前まで来ると、門の両脇に立っていた騎士さんが右腕を斜め上に上げ、左手を心臓の前に置きました。何の儀式なんでしょうか?
「フェルブスター様、こちらが例の――」
「はい、大事なお客様ですから失礼の無い様に」
駆け寄ってきた、騎士の中でも偉そうな感じの人にフェルブスターさんがそう言うと、馬車の中を覗き込み、
「この城の警備隊を監督しております、ウォルターと申します」
そう言って、挨拶してきました。
「ミカですにゃ。こちらは子猫ちゃんですにゃ」
「みゃぁ~」
僕達が挨拶すると、警備責任者のウォルターさんが敬礼をしてくれました。いつの間に僕達は、敬礼されるほど偉くなったのでしょうか?
門が開き、中に入ると外の壁からは見えませんでしたが、真ん中の道を挟み込む形で木々が生え、木々の外側は色とりどりの花が咲き誇っています。
「うわぁ~凄いにゃ」
ミカちゃん、馬車から顔をだしたら危ないですよ。
正面の大きな建物に馬車が到着すると、中から執事さんでしょうか?フェルブスターさんと似た服を着た人が、メイドさんと一緒に並んで出迎えてくれます。
「ようこそサースドレイン子爵城へ」
僕達は、フェルブスターさんの案内で城の中に入ります。ミカちゃんは周囲をキョロキョロ見回していています。お婆さんの近所にも大きな建物はありましたが、中に入ったのはこれが初めてです。
僕達2人は、おのぼりさんになっていました。
すると、目の前から可愛い女の子が歩いてきます。僕達の前まで来ると、スッと右足を左足の後ろに引き、ドレスの両脇を摘んで腰を下ろしています。あれ、何やっているんでしょうか。ミカちゃんは驚いて頭を下げています。もしかしてさっきのが挨拶だったのでしょうか……。
「ごきげんよう、御会いしたかったですわ。私、エリッサ・サースドレインといいます。これから仲良くしてくださいませ」
そう言って、ミカちゃんに微笑みました。
あの後、結局、ミカちゃんの証言の裏づけというのを取っているらしく、普通なら牢屋に入れられている所、オーガを倒した英雄をそんな所にも入れられないとかで……これで裏づけが取れたあかつきには、子爵様の城でもてなされて然るべきなのだとか……いつの間にか、賓客扱いされる様になっていたようです。
「お譲ちゃんも、毎日こんなむさ苦しい所で退屈だろう」
「そんな事は無いにゃ。皆、良くしてくれますにゃ」
「あはは、そりゃオーガを討伐した英雄様だからな。普通なら、俺達が討伐に借り出されていてもおかしくなかった。そうなれば――いったい何人死んだ事か……倒してくれて、助かったよ。ありがとう」
こんな感じで、この警備隊の人達からは丁重に扱われていたのです。
昼が過ぎた頃に、突然やってきたサースドレイン家筆頭執事のフェルブスターさんがやってきて事態は急変します。
「私の旦那様であらせられます、グレゴリー子爵様が御呼びです。ミカ殿。猫ちゃんと一緒に城まで来て頂けますかな」
「分りましたにゃ」
一体、何があったのでしょうか……。
豪華な黒塗りで、艶が出る漆を塗った馬車に乗り込み、僕達は城へ向かいます。同じ道なのに馬車に乗っているだけで違う場所に来たみたいです。
目の前には大きな尖った建物が両脇に聳え建ち、中央には大きな円錐型の石を積み上げた様な建物が見えます。その手前には大きな木造の門があり、周囲は堀になっているみたいです。僕達が門の前まで来ると、門の両脇に立っていた騎士さんが右腕を斜め上に上げ、左手を心臓の前に置きました。何の儀式なんでしょうか?
「フェルブスター様、こちらが例の――」
「はい、大事なお客様ですから失礼の無い様に」
駆け寄ってきた、騎士の中でも偉そうな感じの人にフェルブスターさんがそう言うと、馬車の中を覗き込み、
「この城の警備隊を監督しております、ウォルターと申します」
そう言って、挨拶してきました。
「ミカですにゃ。こちらは子猫ちゃんですにゃ」
「みゃぁ~」
僕達が挨拶すると、警備責任者のウォルターさんが敬礼をしてくれました。いつの間に僕達は、敬礼されるほど偉くなったのでしょうか?
門が開き、中に入ると外の壁からは見えませんでしたが、真ん中の道を挟み込む形で木々が生え、木々の外側は色とりどりの花が咲き誇っています。
「うわぁ~凄いにゃ」
ミカちゃん、馬車から顔をだしたら危ないですよ。
正面の大きな建物に馬車が到着すると、中から執事さんでしょうか?フェルブスターさんと似た服を着た人が、メイドさんと一緒に並んで出迎えてくれます。
「ようこそサースドレイン子爵城へ」
僕達は、フェルブスターさんの案内で城の中に入ります。ミカちゃんは周囲をキョロキョロ見回していています。お婆さんの近所にも大きな建物はありましたが、中に入ったのはこれが初めてです。
僕達2人は、おのぼりさんになっていました。
すると、目の前から可愛い女の子が歩いてきます。僕達の前まで来ると、スッと右足を左足の後ろに引き、ドレスの両脇を摘んで腰を下ろしています。あれ、何やっているんでしょうか。ミカちゃんは驚いて頭を下げています。もしかしてさっきのが挨拶だったのでしょうか……。
「ごきげんよう、御会いしたかったですわ。私、エリッサ・サースドレインといいます。これから仲良くしてくださいませ」
そう言って、ミカちゃんに微笑みました。
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