マウンドで勝利を叫べ!〜勝ち続ける難しさ〜

カイリ

中1ー4 全国……開会式


 蒸し蒸しとした暑さが更に暑くなる季節。時は8月になり……全国大会が始まる。
 ある雑誌の記事にはこう書かれてあった。

『全国常連校の桜、白雪、月美! エースは一年生!? 怪物世代到来!?』

「おい才気、これお前の事だろ」

 バスでの移動中に先輩が俺に聞いてきた。

「でしょうね、何処からその情報が漏れるんですかね」

 球唔はため息をつきながら答える。

「おい! そろそろ着くから準備しとけ」
「「「はい!」」」

 監督の指示に全員が大きな声で返事をした。そしてゾロゾロと準備をし始めた。
 そして10分後にバスが止まり全員がバスから降りる。

「はぁー、でっけー」

 そびえ立つ大きなドーム。球唔は会場のあまりのデカさに唖然としていた。

「あ? お前全国大会に参加するの初めてか?」
「はい」
「……は?」

 球唔に話しかけて来た先輩の質問に答えると、何故か怒った顔で答えた。

「取り敢えず入りましょ!」キラキラ
「たく…大丈夫かよ」

 球唔達は控え室に向かい準備をする。終わった頃に進行役の人が呼び出しに来た。

「開会式が始まるので、並んでるください!」

「行くぞ!」
「「「「しゃーー!」」」」

 キャプテンの声掛けでレギュラー選手が大きな声で返事をする。


『これより、選手が、入場します。』
「うぉーーー!」
「あれがあ怪物世代のエース達!?」
「かっこよくてかわいいー!」

 球唔率いる月美中学がどのチームよりも早く出てくる。そして白雪、桜中学が続いて出てくる。

 何でもこの三中が毎年の優勝候補らしく去年は球唔がいる月美中学だったらしい。

『選手宣誓、代表選手はお願いします』

「ほら、お前だ球唔。行ってこい」
「ええ、行って来ますよ」ニヤリ

 球唔は代表選手らしく、何故かニヤニヤしながら挨拶をする。

「えー、我々選手一同は全力で野球をプレイする事を誓います。それと僕たちの事を『怪物世代』と言われているらしいですけど……全くそのとうりです。今年も全国大会の上位4チームの内3チームのエースは一年何で…よろしくおねがいしまーす」

『……は! あ、ありがとうございました』
「おいおい! あの一年おもしれーぞ!」
「いいぞやったれ〜!」

 球唔の選手宣誓は最後の言葉で宣戦布告となり、田中と美咲、沙姫はニヤリと笑う。他のチームは球唔を睨んでいた。

「ちょ……おま、やり好きだって」ブルブル

 球唔がチームの列に戻ると先輩が肩を震わせて必死に笑いを堪えながら球唔を褒めていた。

 その後の開会式は無事に終わり解散となった。




第1試合の始まる30分前

 球唔はある場所に来ていた。

「あ! 才気クーン!」
「お? やっと来たか」
「はじめましてですね球唔くん」

 その場所にいたのは美咲、田中、沙姫だった。

「おう、ごめんごめん。監督の話が長くてな」

 俺たちが集まった訳は……

「順調に進めば準決勝に俺と美咲が当たるな」
「うん! 負けないよ、才気くん」

 察しのとうり。トーナメント表を見ると、準決勝に球唔対美咲。もう片方のトーナメントでは田中&沙姫対???。となってる。

「じゃ、準決勝前で足元をすくわれないようの頑張れよ」

 球唔は軽く煽る。

「むーー、大丈夫だよ! 準決勝での才気くんとのサシは必ず勝つからね!」
「ほー、やってみー」
「むーーー」プクー

 球唔は田中達も軽く煽り別れる。

「じゃ、準決勝か決勝で」
「うん、絶対勝つからね!」
「どっちでもいいから、決勝まで来いよ?」
「ふふふ、こうゆうのって燃えますね」

 そして始まる。

『第1試合 月美中学 対 太陽中学』

「よっしゃ! いくか」

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