異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

囚われの身(1)

アリスティル「アルベール…!」


アルベール「どうですか?地下牢での寝心地は?貴女のような女にはお似合いですねぇ」


アリスティル「………」


アルベール「おやおや、本当の事を言われて何も言えないんですか?」


アリスティル「……黙れ」


アルベール「…今回だけはもうこれ以上貴女を罵りませんよ。ご安心を。」


アリスティル「…それで、これはどういうつもり?」



アリスティルはアルベールに示すように鉄枷をジャラジャラと動かす。



アルベール「嗚呼、それは貴女があまりにも学習しないからですよ」


アルベール「貴女には絶対に逃げられない契約があるにも関わらず毎度契約違反を起こす。」


アリスティル「……」


アルベール「かといって、やっと従ったと思った矢先にこの仕打ち…どう弁明するつもりでしょうか?」


アリスティル「…なんの事か全く分からないわ」


アルベール「とぼけても無駄ですよ!」



ーバシッ



アルベールはどこからか鞭を取り出しアリスティルの手を叩く。



アリスティル「いっ……」


アルベール「………癇に障る様な発言はやめなさい。貴女のためになりません」


アリスティル「私のため…?一体何を言っているの?あなた自身のための間違いでは?」


アリスティル「貴女はただ『あの方』に認められたいだけなのでしょう?愚兄を蹴落として自分が次の王になるために…」



アルベール「うるさい!黙れ!!」



ーバシッ、バシッ、バシッ!



部屋中に鞭で叩く音が響く。アルベールは怒りまかせに手だけでなくアリスティルの顔、身体も叩いていた


強く叩きすぎたのかアリスティルの肌から血が流れてきた。



アリスティル「う………」


アルベール「はあはぁはぁ………」


アルベール「……はは」


アルベール「痛いですか?痛いですよね?」



アルベールはアリスティルの胸ぐらを掴んで自身の顔にアリスティルの顔を近づけた。



アルベール「嗚呼血が出てきてますね、舐めて差し上げましょう」



そう言ってアルベールはアリスティルの手から流れる血を吸い取る。



アリスティル「!?」


アルベール「……はあっ…やはり貴女の血は最高です」


アリスティル「や、やめて……」


アルベール「やめる?なぜ?理由がありません」



アルベールはまたアリスティルの手に顔をうずめ血をすすりはじめた。



アリスティル「っはあ……あ、ああ!」


アルベール「クスクス……やっとおのれの性に従順になりましたね」


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