異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

乗っ取り

アリスティルもといユリウスとローレンツが暁人とシャーレのいる『tenkai』から離れたあと



ローレンツ「……良かったのか?これで」


アリスティル(ユリウス)「……」


ローレンツ「……ユリウス?」


ユリウス(?)「フッ……」


ユリウス(?)「ローレンツ。我が愛娘と何を企んでいる?」


ローレンツ「…………!?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「親子の契りがあるとはいえこの子の身体を乗っ取るのは結構難しいものだな。さすが『闘いの天才』だな」


ローレンツ「…何をした?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「何って、私はヴァンパイア界から出られないからね。だから人間界で自由に動ける駒が欲しかったんだ」


ローレンツ「…だから身体を乗っ取った?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「フッ」



まるで肯定しているようにユリウスの身体を支配するヴァンパイア王は笑みを浮かべる。



ローレンツ「身体を乗っ取るなら本当の親子の俺らを使えばいいだろ!」


ユリウス(ヴァンパイア王)「それがさ、私A型なのだよ」


ローレンツ「……は?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「血液型の話しさ」


ユリウス(ヴァンパイア王)「レオンはAB型だしアルベールとお前とアレクシスはO型だろ?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「私は血液型が同じの子供しか乗っ取れないんだよね」


ローレンツ「…………何それ、聞いたことないんだけど」


ユリウス(ヴァンパイア王)「言ったことがないからね。それはそうと私は宮殿に行くよ」


ローレンツ「はぁ、アリスティルの身体で!?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「?」


ユリウス(ヴァンパイア王)「そりゃそうでしょ?だって私の本体はヴァンパイア界から離れることはあまり出来ないんだよ」


ローレンツ「…………」



もしも、アリスティルの身体でヴァンパイア王が謁見すれば変な誤解がうまれてしまうかもしれない。


アリスティルが実はヴァンパイア王でしたとかキングスレー家は既にヴァンパイア王の手に堕ちているとか……



ローレンツ(クソッ!)


ローレンツ(どうするってんだ!?)

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