異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

4つの破片

シャーレ「あら、私が言いたいこと全部言われちゃった。というかあなた、ヴァンパイア王家の兄弟達に会ったのね。」


暁人「はい、嫌な思い出ですよ……」


シャーレ「まあ仕方ないわよ。彼らは性格濃いし。」


シャーレ「あとね、私達『tenkai』はあなたの傷を治せる技術があるからアリスティルはここに運び込んできたの」


暁人「たしか傷を作ったのはアリスティルさんじゃなくてローレンツだったような」


シャーレ「ローレンツはアリスティルの共犯者よ。」


暁人「えっ、そうなんですか!?」



とても意外だった。ローレンツが共犯者だったなんて。



シャーレ「ローレンツが共犯者じゃなかったら今頃あなた死んでるわよ」


暁人「!」


シャーレ「あっ、そうそう。治療費請求してもいい?」


暁人「は?」


シャーレ「そうね……ざっと1億」


暁人「い、1億!?」



そんなの払えるわけない。この国の通貨一切持ってないから。



シャーレ「当然でしょ?最新技術で手術したんだし。……ああ、その顔はこの国の通貨持ってないって顔ね」


暁人「うっ…………」



この人はなんでもお見通しなんだな…



シャーレ「んじゃ、働いて返して貰おうかな」


シャーレ「あなたには一時的な組織構成員になってもらいます」


暁人「えっ!?」


シャーレ「仕事内容は簡単!」



この人俺の同意なしに話始めちゃったよ。でもお金ないなら働いて返さなくちゃならないな……



シャーレ「あなたにはこれを集めてもらいます。」



そう言って彼女が出したのは1枚の紙だった。


そこには硝子の破片のようなものが描かれていた。



シャーレ「これ、硝子の破片のように見えるでしょ?でも実はこれ、歴史を歪ませるものなの」


暁人「はい?」



こんな硝子の破片のようなものが歴史を歪ませる?いったい何を言って……



シャーレ「しかもこれ4つもあるの。そのせいで歴史が捻れ始めているの。」


シャーレ「例えばアリスティルの兄、ギルト・キングスレーの出生やヴァンパイア王の王位継承権争い、それにアリスティルがヴァンパイアと人間の盟約を破る……」


シャーレ「本来の歴史では起こりえないことが怒っている原因はこれのせいだって最近分かったの」


シャーレ「この破片を開発したのは私達の敵組織『makai』という歴史改変組織。」


シャーレ「おかげでここにある未来運命説っていう完璧なアリスティルが作ったこの未来が書かれてる本よりほとんどズレちゃってる」



そう言ってシャーレさんは分厚い本を出てきた。



暁人「アリスティルさんが作った?」



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