異世界王政〜Four piece stories〜

桜井ギル

いつもの感覚で

朝ーー


暁人「…………」


朝、だ。まだ夢の中でさまよっていたいと思うがそうはいかない。


まだ眠いが俺は身体を睡魔と戦い無理やり起こす。


暁人「まだ寝たい…………」


そう思うと身体が勝手にベットの方へと行ってしまう。心の中では起きなければと思っていてもどうしても起きれない。


暁人「あと五分だけ…五分だけだから。」


そう言って睡魔に逆らえず眠りにつこうとすると脳内に昨日の出来事が横切る。


暁人「!!」


すると一気に眠気が吹っ飛んだ。



昨日の出来事が鮮明に頭の中に横切ったせいであの人が心配になった。そうして俺は一刻も早く食堂へと足を運んだ。


ーバンッ


俺は食堂の扉を勢いよく開ける。


暁人「アリスティルさん!大丈夫ですか?」


アリスティル「おや…暁人さんではないですか。そんなに慌ててどうしたんですか?」


…見間違いだろうか。アリスティルさんは昨日の出来事が嘘のようにケロッとして優雅に朝食を食している。


暁人「き、昨日の怪我は……」


アリスティル「ああ、治った。」


さもそれが当然であるかのようにアリスティルさんはそう答えた。


あんな大怪我、普通の人間なら2週間、3週間くらいは安静にしないといけないと思うのだが…


スピア「あ、暁人さん。来てたのですか。…しかもパジャマ姿で。」


暁人「………………はっ」


スピア「いくらこの屋敷には顔見知りくらいしか居ないからってそれは非常識かと。あと午後には来客の予定があるのでさすがにその格好で城内をうろつかれるのは…」


暁人「……すみませんでした。急いで着替えてきます…/////」


安心しすぎて自分の家感覚でやってしまったのはちょっと反省だ。


暁人「…あっ」


スピア「……今度はなんですか」


暁人「俺、パジャマ以外に服持ってない…………」


スピア「…………………………」


アリスティル「………………………………」


スピア「さ、さすがにそのジョークは私には通用しないぞ?」


暁人「…これがジョークを言ってる顔だと思います?」


スピア「……………………………………………」


スピア「…………まじ?」


スピア、アリスティル「ええええええええええええええええええええええええええええええ!!」


フランチェスカ「ん、どしたどした?」


フランチェスカ「あれ?暁人くんは昨日と同じお洋服だね!スピアと同じ?」


スピア「服がパジャマしかない奴と一緒にしないでくれ……」



よく見るとスピアも昨日と同じ服を着ている。だけど俺のパジャマとは違って新品のように見える。


恐らくスピアは同じ服を何着も持っているということだろう。



スピア「私はあの服が気に入っていて常にあの服を着てないと落ち着かないのっ!こいつと同類にしないでくれ!」


フランチェスカ「君はいろんな意味で変人だね!」

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