異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

神と変態と謎の少女③

 一方その頃、アオイはーーー
 「んん……ん〜…ふぁ〜」
 目が覚めて上体を起こして状況を確認した。
 あ〜寝ちまってたか…。
 なかなか長い時間寝ていて外はすっかり日が落ちかけて見事なまでに綺麗なオレンジ色に色付いていた。
 昼寝とか久しぶりにやったな…子供の時にやった記憶しかないな。たまにはこういうのもいいな。
 昼寝明けは少々の眠気は残るものの、睡眠時間を確保できて睡眠不足が原因のダルさがいい感じに抜ける。

 そろそろ起きとくか…。
 伸びをしっかりと済ませて意識がしっかりしてきた頃にそう思い起きようとするとふと近くに不自然な膨らみがあるのに気づいた。
 ん?なんだ、これ?
 そう思い恐る恐るかかっている掛布団をめくって俺は驚愕した。
 そこには見たことのないほどの綺麗な金髪ロングに白い肌、しかも見た感じ歳は5~6歳ほどだった。しかも泥だらけのフード付きのマントに身を包んで丸くなって寝ていた。
 「き、金髪ロリっ子…だと……!?」

 俺は急いで部屋をとびだして部屋の位置を確認する。部屋は階段から一番遠い部屋だったが…よし、合ってるな。
 そのまま1階へと降りる。
 「メイさ……ブフォッッ!」
 メイさんを呼ぼうとしたが呼びきる前に俺の鼻から大量の赤い液体を垂れ流し咄嗟に手で抑えた。
 なぜなら彼女は…
 「なんで裸エプロンなんだよぉぉぉ!!!」
 彼女は真っ裸にエプロン一枚という衝撃的な格好をしていたのだ。
 その姿で普通に接客をしている。客も当然の事ながら全員メイさんに目を奪われていた。
 俺の大声にメイさんは首を傾げていた。そんなメイさんに俺は続けて言う。
 「なんでそんな格好しているんですか!?」

 「ちょっと待ってもらおう」
 俺がメイさんに問いかけると客席の方から声が聞こえたので見ると一人の男が立っていた。
 歳は俺と同じぐらいで黒い髪の清潔感溢れる短髪で黒色の瞳を持っていた。
 服装は黒色のマントを身につけていた。
 しかし、頭に禍々しい感じの黒いツノと顔には変わった形の痣が残っていた。
 混魔族ディーマン…なのか?

 混魔族…何らかの原因によりヒューマンに魔族の血が混ざった種族である。魔族のようなツノや体に不思議な痣ができるのが特徴。エルフに引けを取らない程の魔力量を持ち防御力もそこそこ高いステータスを有している。

 「誰だ?」
 店には3組程のパーティがいたがその全員が俺たちに注目していた。
 「俺は行商人のダルってもんだ。その服装はメイちゃんの了承を得た上でメイちゃんが自ら着替えたんだ。邪魔立ては許さん(ポタポタ)」
 「その前に鼻血止めろよ…」
 話し終わったと思うとダルという人の右の鼻の穴から赤い液体が地に落ちていた。
 「あぁ、大丈夫だ。心配ご無用!」
 そう言ってマントの中で何やらゴソゴソして何かを取り出した。取り出したものは…
 ……輸血パックだった…。
 まさに手慣れているかのような手つきで輸血の準備と整えた。
 「これで大丈夫(ビチャビチャ)」
 「おい、今度は両方出てるぞ…しかもさっきより大量に」
 「し、心配ないさ…こんな時こそメイちゃんを見て元気に…ごはァッッ!」
 「目ぇ閉じろぉぉぉ!!!」
 ダルという男は吐血した後地面に倒れ自分の鮮血で床に血文字を書いた。

 “メイちゃん俺の頭の上にまたがって”

 俺はダルという男の頭の上から思いっきり踏み込んだ。と同時にダルの周りは血の池と化したのだった。

 「そんな事よりアオイさん、どうされたのですか?」
 床に埋もれながら息絶えているダルを横目にそんな事とは酷いんじゃないか?とも思ったがこの変態にはお似合いの言葉だ。
 「それが…俺の部屋に居た女の子はーーー」
 「何!女!?うぎゃ!」
 『女』という単語に反応したのかガバッと顔を起こしたダルの側頭部に思いっきり中段蹴りを入れてダルが思いっきり壁へと吹っ飛んだ。
 ーーー ドゴォン!!!
 「ーー誰なんだ?」
 衝撃音がしたが俺は何事もなかったかのようにメイさんへの質問を続けた。
 「あれ?アオイさんの知り合いじゃないんですか?」
 予想外のことにメイさんはなんにも気にせずに話を続けてきた。もしかして慣れているのだろうか…。いや、今は考えないようにしよう。
 「あの子がここに来た時に「アオイさんってここにいますか?」って聞いてきたのでお部屋の場所を教えてあげたんですけど…」
 そうだったのか…でも、俺はあの子を知らない。俺の名前をどうして知っているのかは分からないけどいろいろ聞いてみるか。

 「分かりました。ありがとうございました」
 メイさんはいえいえといって手を振っていた。裸エプロンのまま…。
 そうして俺は2階の自分達の部屋に戻ろうとした時瓦礫の山が動いてダルが中から出てきた。
 「話は聞かせてもらったぞ。俺も行く」
 「断る、じゃあな」
 こんな変態にあんな可愛らしい少女と会わせるなんてとんでもない。
 そう思い俺は2階への階段に足をかけるが。
 「待って!お願い!お願いします!俺も連れてってくれよ〜」
 俺の腰に抱きついてねだってくる。正直にいって不快以外の何ものでもない。
 「離れろ気持ち悪い!」
 必死に引き剥がそうとするがビクともしない。なんて力してやがる…!俺のレベルは80超えてんだぞ?
 「そんな事言うなよ〜俺のとっておきの情報教えてやるからよ〜」
 「とっておきの情報…?」
 予想外の言葉に一回手を止めて聞き返した。
 「そう、俺は行商人をやってんだ。他にもいろいろ情報屋みたいな事やってるから割とためになる情報提供するぜ?」
 「お前、この国以外の事にも詳しいのか?」
 「ん?あぁもちろん。いろいろな国渡り歩いてるからな」
 これは結構いい提案じゃないだろうか。
 ベルはいろいろ知っているけどコルベ村以外に行った事がないようだから国同士の対立などという事には詳しいとはいえなかった。
 これは国同士の交流などを聞くいいチャンスなのではないだろうか…。
 「よし、のってやる。ただし俺の知りたい事を全て話してくれたらな」
 「おう、任せとけ!」

 そう言ってダルはしがみつくのをやめてしっかりと俺の前に立って言った。
 「俺は行商人兼魔術師のダル・コンブラウスだ。見ての通りの混魔族だ。よろしく」
 「俺は冒険者兼武闘家のアオイだ。種族は人族。よろしくなダル」
 そして俺たちは2階の部屋へと上がっていった。

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