異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

神と変態と謎の少女①

 「はぁ、疲れた…」
 俺は一人、『集い亭』の一室のベットに顔をうめながら気の抜けた声を出した。
 あれから俺達はナグナルトの研究所がある『カース遺跡』から転移を使って『ラルズ王国』へと帰還した。
 着いたと同時にベルとフォックは別行動でフォックの衣類を揃えてついでに装備まで買ってくるそうだ。
 宿屋に着いた時にはもう既に陽も傾き初めていた。時間で言うとだいたい3時くらいだと思う。しかも昨日の夜はフォックが攫われてまともに寝れていない…。
 「このまま寝ようかな…」
 それにしても女子はなんでこんな時に元気なんだ?友達とショッピングみたいなノリなんだろうか………。
 そして俺はそのまま眠りについた。

 ほぼ同時刻ーーー
 ベルとフォックは王城から西の位置にある『アルグ神殿』というこの国唯一の神殿に来ていた。
 この地区では«世界神アルマ»を唯一無二の絶対神として崇めている。その下に12柱の神がいるといわれている。
 ひとつの国につきひとつの神殿を置くのが決まりとなっている。
 『アルグ神殿』は«世界神アルマ»の神殿だ。

 「ベルさん?どうしてここに来たんスか?」
 フォックちゃんが不安そうに言ってきた。アオイと別れてからそのまま何も言わずに一直線にこの神殿に来たから不安にもなるよね…。
 「ごめんね、なんかね私の育ての親みたいな人から聞いたんだけど神殿には神のお告げでスキルの便利な使い方とかを教えてくれるんだって」
 「そーなんスか?じゃあ自分の新しい固有スキルの使い方とか知れるっスね?」
 「うん、そういう事だよ」
 神殿は横長の大きな建物で全体的に白で塗装されており壁には様々な模様が彫られていた。
 そして私達はその神殿の中に入って行った。

 中は思ったよりは広く白一色という訳でもなく、全体的に明るく神秘的なイメージを持つ。
 中には2人、1人は白い髭を腰まで伸ばしたご老人の神官さんと20代くらいのシスターがいた。
 神官さんの方は白と青のローブと縦長の帽子をかぶって容姿は優しそうな顔をしていた。
 もう一人の若いシスターの方は綺麗な白い肌と白い長髪にライトグリーンの目をしているとても清らかな様子だ。

 「あ、ようこそ『アルグ神殿』へ。本日はどういった御用でしょうか?」
 私達に気づいたシスターがこちらに両手を前の方で重ねながら歩いて来た。
 控えめにいって…とても綺麗だ…。
 そう思って私とフォックちゃんは釘付けになっていた。
 「あの〜…」  「あ、はひッ!」
 心配してくれたのか声をかけてくれたがその声に思わず裏返った声をあげてしまった…。恥ずかしい…。
 「驚かせてしまってすみません、ところで本日の御用はどういったものでしょうか?」
 改めてシスターの人がニコニコしながら聞いてきた。本当に綺麗な人だな〜…アオイもこんな人がタイプなんだろうか…。
 いやいやいや、今はそんな事考えるのはやめよう!……………きになるけど…。

 「あの〜ここでスキルの便利な使い方を教えてくれるって聞いたんですけど…」
 「あ、はい。スキル昇格ですね、分かりました。ではこちらへどうぞ」
 そう言って私達を奥の神父さんのところへと案内された。
 そして神官さんの隣に立ったシスターからこちらに向き直りまたも惚れてしましそうになるほどの笑顔で言った。
 「それでは紹介させていただきます。こちらの方がヤンブ神官様です」
 そう言って手で示した。
 「そして私がシスターのマーラと申します。どうぞお見知り置きを」
 「私はベルといいます。それでこの子がフォック」
 そう言うとフォックちゃんがぺこりと会釈をした。
 「それではおひとり様ずつこちらへどうぞ」
 そう言って私が神官さん、フォックちゃんがシスターにそれぞれ神殿の両脇の傍らの扉から部屋へと案内された。

 部屋の中はそこそこの広さがあり会談室のようにソファと机が置かれていた。
 「それじゃあこっちに座りなさい」
 そう言われたとうりにソファに座ると向かい合うようにヤンブさんも腰を下ろした。

 「確かスキル昇格の件だったね」
 「はい、よろしくお願いします」
 そういうとヤンブさんがスキルを使っているのが分かった。
 でも、使ったという事が分かるだけでなんのスキルかまでは分からなかった。
 スルトヤンブさんが私に言ってきた。
 「このスキルは我らが神«世界神アルマ»様とその眷族との交流に用いられる<信仰>というスキルです。このスキルは神様に認められたものしか覚える事ができないですぞ」
 そう言ったヤンブさんはどこか上機嫌にみえた。

 しばらくしてスキルを解くと真剣な表情で私を見て言った。
 「お主、本当に……」
 「はい?」
 その言葉の意味がその時私には理解出来なかったが、すぐに理解する事ができた。
 どうしてそこまで信じられないような顔をしているのか、何を言おうもしていたのか…。

 「お主本当に、ハーフエルフなのか?」

 「……え…?」

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