異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

VS フォック①

 「いてててて…」
 目を覚ますとそこには見知らぬ男が経っていた。
 手にはガッチリとした手錠が付けられていた。
 「お目覚めかい?アオイく〜ん」
 調子にのったような馬鹿にする喋り方だ。だがそんな事は今はどうでもよかった。
 それ以上に気になる事があったからだ。
 「お前、誰だ…?なんで俺を知っている…?」
 俺の名前を言い当てたのだ。ベルも隣でまだ寝ているので聞き出したとも思えない。
 「この遺跡に入ってからの君たちの会話は全部ここに録音されている」
 そう言って指さした方向に信じられないものがあった。
 機械だ。
 科学より魔法が発展したこの世界では信じられないものだった。明らかに俺の世界の機械だった。
 「お前…何もんだよ」
 「そんな怖い顔しないでよ〜ベルちゃんが起きたらちゃんと説明してあげるからさ」
 そう言って闇の中に消えて行く男を俺は<神眼>を使って見た。


 名前:ナグナルト・アッシンベン  種族:人族  性別:男
 レベル:14
 職業:科学者
 称号:世界の脳/超天才
 攻撃:920  防御:800  魔力:460
 敏捷:680  力:700  魅力:30
 運:200
 状態:なし
 流派:なし
 スキル:全記憶/文書理解
 固有スキル:超IQ
 装備:聖なる衣
 所持金:445650z


 弱ッッ!!!そして金持!!!!!
 なんなんだこいつは…科学者ってもんがこの世界にもいたのか…?
 それとも俺と同じ転生者か…?いや、こいつの名前は日本ではありえない。外国ではありえるかもしれないがコイツの顔は日本人そのものの平らな顔つきだ。でも……。
 「お前は…」  「ん?なんですか?」
 分からなければ確かめればいいじゃないか。
 「お前は…転生者なのか?」
 「転生者?…なんですか?それは…?」
 「いや…もういい」
 あいつは確実に転生者じゃないな。
 嘘をついてるかもって?心配いらねぇな。
 俺の<神眼>と<みきり>を合わせたら嘘まで見破れるようになってたんだよ。だからし100%アイツはこの世界の人間だ。
 となると更に気になるのがなんであんな機械がここにあるのかだ。

 その後しばらくしてベルが目を覚ませたので男がまたやってきた。
 「ベルちゃんも起きたね、それじゃあまずは自己紹介からね。僕の名前はナグナルト・アッシンベン。よろしくね」
 そしてナグナルトは俺達に語り始めた。

 「君たちのお仲間になったフォック君…あれはもともと僕の所有物なんだよ」
 「所有物…?」
 ベルが真剣な顔で言う。あれ?ちょっと怒ってね?まぁ気持ちは分かるけどな…。
 自分の新しく出来た仲間を物扱いされたんだ。フォックは俺にとっても既に友達といえる存在になっていたから俺も結構イライラしている。
 「そう!所有物!ただの実験用モルモットなのさ!」
 ベルがナグナルトに襲いかかりそうになるが手錠についた鎖がそれを遮る。
 それと同時に俺もベルだけに聞こえるように<テレパス>を使った。
 『ベル落ち着け。コイツはただの情報源だ。いろいろ喋らせた後にぶん殴る』
 ベルが落ち着いた。だがまだ目つきが怖い…。
 「無駄だよ〜その手錠と鎖は特殊な金属をいくつも組み合わせて強度を底上げしているからね〜」
 コイツの喋り方はどうにかならんのか。今すぐにでもぶん殴りてぇ…。
 まぁ確かにレベル80の俺の力でも壊れそうにないな。
 「それよりそこの機械はどこで手に入れたんだ?」
 「ん?これかい?当然私が作ったよ!あの方からもらったこの力でね!」
 「力?」
 固有スキルの事か?てかあの方って誰だ?
 「お前の固有スキルの事じゃねぇのかよ」
 「ほう、僕の固有スキルを見ることができるのか…忌々しい。あの方と同じ力などと罪深き男よ」
 「だからその“あの方”って誰なんだよ」
 「とても偉大な方だ。貴様など顔を合わすことすらかなわぬほどな」
 意地でも言わねぇか…。もうこいつ情報源としては使えそうにねぇな。
 「まぁいいや。早く説明とやらを続けてくれ」
 「よし、いいでしょう。あの実験用モルモットNo.2566は最高の実験体でした。よって今日既に僕の研究は成功したのです!」
 「なんの研究だよ。フォックは無事なんだろうな」
 ナグナルトはニヤリと笑って闇の中に消えて行った。
 その後すぐにキュルキュルという金属の車輪音がナグナルトの消えた方向から聞こえてきた。
 俺達は息を飲んで目をこらした。
 見えてきたものに俺達は驚愕した。

 ナグナルトが引いている手術台のような物の上に寝ているのは見たことのないモンスターがいた。
 人型をしているが全身の毛は伸び灰色になっていた。顔は動物のように口が伸び手足には鋭利な爪があった。
 「………フォック…くん?」
 ベルが震えるような声で言った。言われてみればフォックの面影があった。
 「その通り!コイツはフォック!獣人の獣の血の濃度を高める事によってこのような真の姿になる事ができたのさ!」
 ベルが震えて涙を流していた。
 目にするのは初めてのベルの涙。変わり果ててしまったフォックの姿。

 「完全に…キレたぞ…!!!!」

 俺は<神化>を発動させて手錠を引きちぎった。
 それと同時に俺の周りに大量の魔力の竜巻が起こる。

 「てめぇは…ぜってー許さねぇ…!!!」

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