異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

旅立ち①

 「私…半精霊族ハーフエルフになります」
 ベルはたしかにハッキリ言い切った。
 過去と向き合い、それを背負って生きていく事を決意したのだ。
 ベルの言葉を聞き、ニッコリと笑って頷いたカメルは封印を解く説明を始めた。
 「封印を解くには愛する者の接吻が必要なんじゃよ」
 「「……はい?」」
 愛する者の接吻!?なんじゃその蘇りの儀式みたいなやつは!
 ベルがゆっくり不安そうにこっちを見てきた。
 お願いします。今の状況で見ないでください。恥ずかしいです。
 「ホッホッホ。冗談じゃよ冗談」
 「ジジイ…いつか殺す…」
 ベルは顔を赤くして俯いている。なんかいろいろ恥ずかしい。
 「まぁ本当はワシが勝手に解けばいいんじゃよ」
 「私はなんにもしなくていいの?」
 カメルが頷いて自分の身長の2倍はあるだろう木の杖を取り出してベルに向けた。
 すると何やら小声でブツブツ言っていると徐々にベルが光に包まれ始めた。
 驚いた様子のベルだったがすぐに大きな深呼吸をして目を閉じた。
 ベルを覆う光が濃くなり眩しく感じてから数秒程度で光がおさまった。

 ゆっくりと目を開けるとベルの立っていた位置には俺の知っているベルとは明らかに違っていた。
 耳はカメルほどではないにしろ少しとんがっていて、髪は赤いくせっ毛から綺麗な金髪になり、目は鮮やかなエメラルドグリーンに変わっていた。
 「お前…ベル?なのか?」
 思わず聞いてしまった。それほどの衝撃的な変化だったのだ。
 「うん!そうだよ!」
 ニッコリと笑った様子は前のベルのままだったので少し安心した。
 俺はとりあえず<神眼>を使ってベルのステータスを確認することにした。


 名前:ベル・アークス   種族:半精霊族ハーフエルフ 性別:女
 レベル:21
 職業:弓師
 スリーサイズ
  (自主規制)
 称号:恋する乙女/裏切りの子
 攻撃:2600  防御:2350  魔力:32050
 魔攻撃:23200  魔防御:ーーー
 敏捷:2200  力:1100  魅力:3500
 運:600
 状態:なし
 流派:なし
 スキル: みきり/索敵/無限の矢
 固有スキル:サーチ
 耐性スキル:魔術超耐性
 魔法:火属性魔法«超級»/木属性魔法«超級»/生活魔法:浮遊
 装備:ハウメタル/狼王のローブ/狼王の靴
 所持金:2460z


 ………………………え?俺よりチートじゃね?
 魔力3万越えとかヤバすぎるだろ!魔攻撃も2万だし!魔防御とか書いてすらねぇし。
 魔術超耐性ってどういう意味だ?

 耐性スキル<魔法超耐性>…魔法による効果を一切受け付けない。ただし回復魔法も同様である。

 便利なんだか不便なんだかわかんねぇな。だから魔防御が書いてないのか。
 固有スキルはみんな持ってるものなんか?

 固有スキル<サーチ>…ありとあらゆる物を一瞬でどこにあるかを探すことができる。任意発動。

 固有スキルは恐らく皆が一人につきひとつずつ持っているものなのだろう。

 そして俺は<神眼>を解いた。どうやらベルも自分のステータスを見て驚いてかつ嬉しそうにカメルに報告していた。
 「なんと…!?これ程までとは…」
 「やだこの子!是非国家騎士に欲しいくらいだわ」
 2人が驚くなかベルは照れた様子で頭をかいていた。
 そしてそのステカを俺にも見せてきた。
 「ねぇねぇ!アオイ!みてみて!すごくない?」
 「おお!すげぇな。てかなんでお前そんなに魔力高ぇんだよ普通じゃありえねぇよ」
 そう聞くとベルではなくカメルが答えた。
 「恐らくじゃが…ベルが毎日毎日魔力消費をギリギリまでやっておった成果が封印されてた遺伝子の方にどんどん蓄積されておったのじゃろう」
 「なるほど。ベルの魔力は元々エルフの部分のものだったからベルが魔力をつけると同時進行で封印されてたってことか」
 「その通りじゃ。じゃが…いくらなんでも桁外れすぎるがのぉ」
 「「たしかに」」
 俺とケイルが同じことを言うとベルがクスクス笑った。
 そして俺達は村長の家を後にした。

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