異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

初クエスト②

 俺達は冒険者ギルドをあとにしてクエストの目的地である、ここから北西の方角にある『バルーム火山』という場所に向かっていた。
 この世界の名前は『アルテナ』というらしく、様々な人やモンスターが様々な場所に暮らしている。
 このアルテナには全部で50以上の国があるそうだ。その中に何十、何百もの村や街が栄えているらしい。
 コルベ村は『ラルズ王国』の領地にあり、各村、街は年に一度納税の義務があるらしい。

 『コルベ村』から『バルーム火山』までは歩いてだと一日かかるらしいので馬車で移動していた。馬車でも半日はかかるそうだ…。

 馬車に乗ってから30分…馬車の中の空気は馬の蹄の音と馬車の木製の車輪が軋む音が占領していた。
 重い…!!!!空気が!!!!!尋常じゃないほど!!!!!!
 まるで入学したての高校一年生の教室みたいな空気だ…。俺も入学したてはこの空気のせいで「音を立てたら死ぬ」みたいな感覚に陥ったものだ…。
 俺はあの時誤って筆箱を落としてしまってクラス中の視線を一気に集めてしまったことを思い出してしまった…。あの時は死んでしまいたかった…。

 この空気の中で話題を作るのは、例え陽キャであっても至難の業だ。この空気を変えられる人はここには……
 「そういえばさ、自己紹介まだだよね?」
 ベルだ…。あぁ神よ…ありがとう、話題が決まった…。

 そして順番に自己紹介が始まった。

 「俺はアオイ。レベル23の武闘家です。よろしくお願いします」
 レベル82とかゆったら大事になるからな。自重しろってゆわれてるしな……世界から。
 「私はベル・アークスっていいます!レベル21の弓師です。よろしくお願いします!」
 そしてベルのあとに最初に話しかけてきた人が口を開いた。
 「悪いけど、俺たちは全員名前がないんだ」
 「名前がない?」
 予想外すぎて思わず聞き返してしまった。みんな捨て子ということなのか?
 「俺たちは主に対人用クエストを受けているから隠密活動が主なんだ。だから昔の名前はみんなとっくに捨てている」
 「名前を…捨てた?そんなことができるのか?」
 「できるさ。俺たちの故郷の村は全部あるパーティによって滅ぼされたからね…。だから俺たちの本名を知ってる人はもう誰もいないんだ」
 結構壮大な過去を持ってるんだな。生まれ故郷がもうなくなってるのか…。

 「事情は分かりました…じゃあどう呼べばいいのですか?」
 そう聞くとちょっと笑みをこぼして答えた。
 「どうって呼ぶ必要は全くないよ」
 「え…?全くないって?」
 そういった瞬間紫色の煙と爆風が馬車の中を襲った。
 咄嗟のことだったので俺は馬車の外に放り出されてしまった。
 この煙は…………毒か!!!!???
 そして馬車の中が眩いまでに光だし、しばらくして収まった。
 「今のは……」
 そう声にもらして馬車の中を確認すると………そこには誰もいなかった。
 残されていたのは馬とその御者のみ…。ベルの姿もなかった。
 御者のおじいさんが毒に侵されていて苦しそうにしている。急いで医者に診せるないと…。
 俺は<千里眼>を解いて御者を抱え『コルベ村』へと全力で向かった。

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