異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

前夜①

 「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜………」
 「………………」
 このため息は誰のかって?みんな俺だと思うだろ?
 違う…………ベルだ。

 ベルは帰るやいなやベットに顔を埋めてため息ばかりついていた。それを俺は近くの椅子に座って眺めていた。
…………だってすげぇかわいいんだもん。

 どーしてこうなったか…それはほんの数分前に遡る。

 俺たちは装備も道具も万全の状態で冒険者ギルドへと向かっていた。
 その時はまだベルはウキウキルンルンだった。
 冒険者ギルドに入ると朝方来た時とは裏腹に何十組もの冒険者パーティが食事を取ったりしていた。ベルの言ってた通り若い年齢層の人はいなかった。
 ざっと見たところ人間ヒューマンや獣人、犬人族ドワーフしかいなかった。
 この村は人間と亜人が共存しているのか。
 ちょっとばかし安心した。

 しばらくギルド内を見渡したあとカウンターへと向かった。
 俺は文字が書けないのでベルに受注手続をお願いして俺はクエストボードの横の柱に寄りかかった。

 んー…周りの視線がいたいな…。
 新入りだからか?それとも装備のレアリティ?
 こっちを向いて4人組のパーティが何やらヒソヒソ話していた。
 気になって<読唇術>を使おうと思ったけど口元を隠して話していたのでうまく読み取れなかった。まぁいいか…。

 しばらくするとベルが帰ってきた。
 でも…先程とは全く対称的な様子だった。
 それから何も言わずにとぼとぼと家に戻ってきたのだ。

 「ベ…ベル?なにがあったんだ?」
 「……んんン…」
 顔を埋めたままこもった声で応えてきた。かわいい…。理性が吹っ飛びそうだ。
 「何も言わないんだったら分からないぞ」
 「……んンん〜んんンん〜…」
 惚れてまうやろぉぉぉぉぉお!!!!!!!!
 ベルが顔を埋めてくれてよかった。赤面しているのがみないでもわかる。それにニヤけが止まらない。
 「そ…それより、クエストは行かないのか?」
 質問を変えてみるとベルが体をビクつかせた。
 「お…おい、ベル?」
 声がしなかったので不思議に思いベルを揺さぶるため手を伸ばすと…。
 ガバッとベルが急に起き上がった。
 涙が溜まった目でこちらをゆっくりと向いて口を開いた。
 「…アオイ………」
 「お前なんで泣いて………」
 「アオイぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!!!!!!」
 言いかけたが言い切る前にベルがものすごく勢いで飛びついてきた。
 「あッッ!ちょっ…ベル!!?」
 あまりにいきなりのことで困惑する俺を無視してベルが泣きじゃくりながら口を開く。
 「пйлнуинпймнуукинйунитоуйфин!!!!!!!!」
 「待て待て待てぇぇぇえ!!!!!何言ってるか分からんから落ち着けぇぇぇえ!!!!!!!!」
 ベルの言葉は呂律が回ってなくて何を言ってるのかさっぱり分からなかった。

 その後ベルを引き剥がし、落ち着かせてから話を聞いた。
 どうやらクエスト受注には制限時間があるようだ。20時~0時の間には受注ができないそうだ。
 だからふてくされてベルのテンションが異常なほど下がったとの事だった。

 「クエスト受けるのは明日になったら別にいいんだろ?」
 「んー…でも今日行きたかったの…」
 「でも仕方ないだろ?冒険者も職業のひとつなんだからどうこういってられないだろ?」
 「そーだけど〜……」
 テンションが戻らないな…。どーするか…。
 「じゃあ、明日は結構遠出のクエスト行ってみようぜ。お前の好きなところで好きなクエスト選んでいいからさ」
 「え!?いいの!??」
 くいついた!計画通りだ…。
 「おう!なんでもどこでもいいぜ」
 「やったーー!!!!!!!!」
 ベルがベットからでてはしゃいでいた。
 よし!作戦成功だ。
 こうゆう時は新たな楽しみを伝えるとウキウキワクワク気分が大きくなるものだ。
 ベルが素直な子でよかった…。

 その後夕食を済ませてからベルをベットに寝かしつけた。
 一日気分の上がり下がりが大きく疲れたのかすぐに寝ついた。

   そして俺はひとり外に出てある場所に向かった。

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