異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

コルベ村①

 次の日の朝俺はゆっくり目を覚ました。
 昨日と同じ天井。窓からは朝日が射し込んで暖かかった。
 二度寝をしようにも眩しかったので窓と逆の方に寝返りをうった時ーーーー
 ーーーーベルの顔があった。
 「うおッッ!!!!?????」
 俺はソファから落ちた。心が落ち着いた頃に腕をついて上半身をおこして幸せそうに寝ているベルに視線を向ける。
 「………なんでいるんだよ、」
   立ち上がろうとしてる時にベルが寝言を呟いた。
 「………パパ…ママ…」
 ……そうだ。こいつはずっと一人で暮らしてきたんだ。自分以外の誰かが家にいるなんてなかったのだろう…。
 「……寂しかったろうに…」
 俺はベルの頭をそっと撫でた時ベルが警戒心の高い猫のように反射的に俺の手にかぶりついた。
 「イギャァァァァァア!!!!!!!!!!!!」
   鶏代わりの俺の叫び声が村全体に響きわたった。


 しばらくしてベルが起きたので身支度を済ませてから外に出ていた。
 「お前朝のことほんとにわざとじゃねぇのか?」
 「だからなんのこと?私なんにもしてないよ?」
 こいつの寝てる時の警戒心はなんなんだ…。
 「で、まずはどこに行くんだ?」
 今日はベルが冒険者登録の前に村を一通り案内してくれるらしい。しばらくこの村に居ようと思ってるからありがたいな。
 「まずは村長に挨拶に行くよ」
 「村長ってどんな人なんだ?」
 「優しいおじいちゃんだよ。今年で256歳だったかなぁ」
 「256歳!!!!???……人間じゃねぇだろ…」
 「え?よく分かったね。村長は精霊エルフ族だよ」
 人間じゃねぇんか〜〜〜〜い!!!
 「精霊族が人間の村の村長やってるの!?」
 「うん…まぁいろいろあったらしいよ」
 いろいろってどんな話だよ…結構重たそうな気がする。
 「そういえば、この世界にはいろんな種族からいるのか?」
 「全部で13種族いるよ。人族ヒューマン精霊族エルフ、魔族、獣人族、犬人族ドワーフ、鳥人族、魚人族、鬼人族、竜人族リザードマン小人族ハーフリング混魔族ディーマン混神族アアシマール吸血族ダンピールが世界中にいるんだ」
 「結構多いんだな」
 「まぁ一般的に人族以外は『亜人』っていわれてるけどね」
 「そんなにいっぱいいたら差別とかってやっぱりあるのか?」
 人間っていうのは自分とは違う存在に恐怖し差別したくなるものだ。
 「大きい街とかになると差別も生まれる。だから大きな国になるにつれて奴隷が多くなっていく。だから大きな街とかはヒューマン区画、亜人区画、共同区画に分けられてるんだよ。みんながみんな差別意識があるわけじゃないからね」
 なるほど…種族差別によるトラブルを削減するための国の配慮か…。
 そんなことを考えていると村長の家についた。


 家の中は玄関を兼ねた大広間がありそこに村長が部屋正面の机に座って書類に目を通していた。
 こちらに気づいて机からとびおりてトコトコ近づいてくる。
 身長は俺の腰下辺りまであった。自称神と同様の白く長い髭を足元まで伸ばしていた。耳は横長でゲームなどでよくみる形をしている。
 「おぉベル。よく来たな。隣の殿方は?」
 「村長さんおはよう!この人はアオイ。今日からこの村に住むことになったの」
 「アオイです。よろしくお願いします」
 「おぉおぉよろしくな。わしはこのコルベ村の村長のカメルという者じゃ」
 一通り挨拶が終わったあとにベルが言った。
 「とりあえずアオイはうちに泊まってもらうから」
 「ベ…ベル!!何言ってッッ!!!」
 それ言ったら俺多分この村追い出されるって…
 「おぉそうかそうか。二人とも仲良くな」
 「はーい!」  「……へ?」
 俺とベルの返事はぼぼ対称的なものだった。
 そのままベルは俺の腕を掴み外へ引きずって行く。その時頭の中にカメルの声が響いた。
 『ベルは恐らく初めてじゃから優しくしてやってくれ』
 「クソエロジジイィィィィイ!!!!!!!!」
 そう叫んで俺たちは村長の家をあとにした。
 『スキル<テレパス>を習得しました』
 いつもの声が響いた。どんどんチート化してるな…俺……。

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