異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

ベル・アークス①

 俺は目が覚めると最初に知らない天井が視界を支配する。木造の天井からのびるフックのようなものにランタンがかけられていた。
 上半身を起こして周りを見渡す。部屋にはベットがひとつだけありベットの近くには木製の小さな棚と椅子が置いてあった。
   どーして俺がここに居るのか分からない…。しかもここどこだよ…。
 ガラスのない木製の窓の外を見ると夕方になっている。走っていた時は昼過ぎだったはずだけど…いつの間にか寝たのか?
 ベットから起き上がろうとしたら『ガチャ』と扉が開く音がした。
 扉の方を見ると一人の女の子が立っていた。見た感じ同い年くらいで赤く艶やかな髪を肩辺りまで伸ばしていた。
 目は黒色でぱっちりしているのになにやらキリッとした印象を持たされる。口元からは少し八重歯が見えていた。雰囲気は野生児そのものだ。
 「あ、起きた?」
 満面の笑みを浮かべて言ってきたのでちょっと困惑した。女子と話したのなんて小学校ぶりだったんだから仕方ないだろ…。
 「え、あ…うん…。ここは?てか君は?」
 「あ、自己紹介が遅れたね…私はベル・アークス!よろしくね!」
 「俺はアオイ。こちらこそよろしく。でここはどこなんだ?」
 「え?私の家だけど?」
 「いや、それはだいたいわかるけどさ…」
 「あ〜この村の事?ここは『コルベ村』だよ」
 <千里眼>で村全体を見てみるとこの村は<未来予知>で見た村だった。
 「なるほど…で俺はどーしてここに居るのか…」
 そう言いかけた時ベルが土下座をして頭を床に思いっきり叩きつけた。
 あまりに動作ひとつひとつが滑らかに繋がっていたのでずっと見ていたはずなのに気づいたら土下座の体制になっていた。
 「すみませんでしたァァァァァァァ!!!!!!!!」
  思わず<咆哮>と間違えるほどの大声で謝られた。あまりに急で不可解な展開に固まっているとベルが早口で続ける。
 「私魔法が苦手で!だから練習しないといけないって思って!こっそりやるために村から結構離れた場所で練習してて!それで…それで……」
 「ちょ…待った待った!一気に言われても俺理解できないから!」
 落ち着いてもらってゆっくり話してもらおう。
 「だから頭上げてくれ…」
 土下座されたままだと気が引ける。
 ベルが立ち上がりベットの近くの椅子に座る。俺はベットから足をおろして腰掛けた。
 「じゃあなにがあったか説明してくれるか?」
 「うん…私ね、魔法は3属性も使えるのに魔力が普通の人より低いの」
 「魔法って全部で何属性くらいあるの?」
 するとベルは目を見開いて言った。
 「そんな事初めて聞かれた…」
 そうか、これはこの世界では常識中の常識なのか。
 「ごめん、言い忘れてたけど俺記憶ないんだよね…」
 「え!?まさか私のせい!!?」
 「そんなことはないよ」
 「ならよかった」
 「じゃあ魔法の事教えてくれよ」
 「は〜い!魔法は大きく分けて7種類に分けられているんだよ。みずつちひかりやみ。あとはそのどれにも当てはまらない『とく』ってゆうのがあるんだよ。」
 「へぇ〜…じゃあベルはそのうちなにが使えるんだ?」
 「よくぞ聞いてくれました。私は火と木と生活魔法が使えるんだよ!」
 「生活魔法?特属性のひとつなのか?」
 「そーだよ。だいたいの人は生活魔法とその他の属性魔法がひとつ使えるだけなんだけど私は属性魔法が2つも使えるんだよ!」
 「それってすごい事なのか?」
 「すごい事だよ!10万人に1人ってゆうくらいだからね!」
 結構すごいやつなんだなぁ。でも魔力が低かったらすぐ使えなくなるからプラマイでいったらマイナスだろう。
 「じゃあ話戻すよ?いくら魔法が使えても魔力がなかったら何にもならないから特訓してたの」
 「特訓たってお前すぐ魔力切れになるんだろ?特訓にならねぇんじゃねぇの?」
 「特訓になるよ〜。魔力も筋肉と一緒で使ったら使っただけ上昇するから一気に大量の魔力を使う魔法を覚えて使ったんだよ」
 魔力も身体能力と一緒みたいなものなんだな。
 「それにたまたまアオイが巻き込まれたみたいなの」
 「どんな魔法使ったんだ?」
 俺のレベルにも効果があるって事はそうとうなものなんだよな…。
 「えっとね〜確か『使用者の半径100mの中の生けるものを永遠の眠りにいざなう』ってゆう魔法!」
 「俺死ぬじゃねぇか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 「ほんと〜なんで生きてるのって話なんだよね〜」
 「なんでそんな浮かれてんだよ…」
 「ごめんなさい…」
 恐らくベルの魔力量で不完全な状態で発動した魔法がお俺の魔防御力で何とか永遠を避けられたのだろう…。
 しゅんとしているベルに声をかける。
 「ベル…その魔法今すぐ忘れろ。そしたら許してやる」
 ちょっと嫌そうな顔をしたがすぐ「は〜い」と言って承諾してくれた。素直でいい子のようだ。

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