異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

神眼③

 <神眼>を使用して早くも一分近くが経過していた。
 俺のステータスはこのようになっていた。


 名前:アオイ  種族:人間  性別:男
 レベル:1
 称号:怖い人
 攻撃:1600  防御:1520  魔力:900
 敏捷びんしょう:1400  力:1500  魅力:200
 運:-500
 状態:呪い
 流派:自己流派
 スキル:威圧/未来予知/ルート分析/罠捜索/文章理解/全記憶/透視/千里眼/幻惑/神速/索敵
 固有スキル:神眼
 所持金:0z


 <神眼>を使って分かった事がいくつかある。
 一つ目はステータス値とスキルは全部が同時進行で取り入れられるということだ。
 攻撃、防御、魔力、敏捷、力、魅力、運がすべて一秒間に10ずつ加算される。
 スキルは一瞬で覚えられるが実際に見たことがないと習得できないらしい。おそらく魔法も同じだろう。
 二つ目はステータス値の加算は相手の持っている分の値しか取り入れられないという事だ。
 つまり相手のステータス値が最大限取り入れられる上限というわけだ。
 以上が<神眼>について分かった事だ。
 我ながら自分がチートな存在であることを自覚せざるを得ない。
 友達つくる時に引かれないかな…。
 にしてもベアウルフは警戒心が強すぎるんじゃないか?全然襲って来ない…。
 今のうちにスキルを確認しよう。

 スキル<神速>…光の速さで移動できる。速度の制御可能。任意発動。
 スキル<索敵>…半径20mの生体反応を感知することができる。常時発動。

 薄々分かってはいたけど<神速>を使ったからあんな早かったのか…。
 てか、光を目で追えるって俺バケモノかよ…。
 ウィンドウを閉じてベアウルフの方に目を向けるといつの間にかベアウルフは臨戦態勢に入っていた。
 げっ!!いつの間に!!!
 慌てて俺も臨戦態勢に入ると同時に<神眼>を発動する。
 ほぼ同タイミングでベアウルフが<神速>を使って一気に距離を詰めてきた。
 それを俺も<神速>を使ってかわしベアウルフの背後をとる。
 俺を警戒してベアウルフはとっさに距離をとった。
 我ながらそこそこ戦えている事にちょっとばかし抵抗を覚えた…。
 そんな事を考えているとベアウルフが急にとてつもない大音量で遠吠えをした。
 「ぁおおォォォォん!!!!!!!!」
 まるで爆発音だ。身体中の皮膚がビリビリと振動しているのが分かる。
 遠吠えを終えるとベアウルフの眉間の辺りから尻尾にかけてと四本足から炎が立ち上る。
 な…なんだ!?自滅か!??
 それと同時に俺の頭の中に声が響いた。
『スキル<咆哮><フレアドライブ>を習得しました』
 そうか、この二つのスキルを使ったのか。
 お知らせの声が響いて間もなくベアウルフは<神速>を使い突進してきた。
 先程と同じように<神速>で避けようとするが、どうしてだかその場から一歩も動けなかった。
 「は!??どーなって…」
 言いかけたがそれを遮るようにベアウルフの頭が直撃した。
 ーーーーーーーーべキッバキッボキッ!!!!!!!!
 鈍い音と共に木々をなぎ倒しながら吹っ飛び10数m先の一際大きな木にぶつかってやっと止まった。
 「……くっ…そ…!!………ガハッ!!!!」
 吐血した。身体中が痛い。ろっ骨も何本か折れた。ベアウルフが炎をまとっていたからか火傷のような痛みもある。
 地球ではしょっちゅう喧嘩をしていたが比べものにならないほどの痛みが襲った。
 意識がもうろうとしてくる。次くらったら確実に死ぬ。
 <神眼>もいつの間に解けていた。
 とっさにベアウルフに対して<幻惑>を使った。
 するとベアウルフの目の辺りに黒いモヤのようなものが現れた。
 途端にベアウルフは俺に襲って来ないで無意味に辺りで暴れだした。
 無事発動したようだ。
『スキル<衝撃耐性><火炎耐性><苦痛耐性>を習得しました』
 耐性とかは実際に体験したら習得できるようだ。
 いつの間にか痛みが和らいでいた。<苦痛耐性>のおかげだろうか。
 しかし苦痛がいくら耐えられるからって攻撃によるダメージがあるのは変わらない。
 次くらったら苦痛関係なく単純な攻撃ダメージだけで死ぬだろう。
 どっちにしろ油断はできない。
 とりあえず回復しねぇと…幻惑の効果がいつまで続くか分からないからな…。
 何か食べれそうなものはないか辺りも見渡す。
 よくよく考えてみたらこの世界に来て半日ほど一切なにも口にしてなかった。
 木の実でもいいから落ちてないものか。
 すると近くに豆サイズほどの木の実がいくつも実っている膝下くらいまでの大きさの木が生えていた。
 左手は折れていたので右手でその木の実を2、3粒ほど手に取る。
 この際<神眼>で効果を見ずにそのまま口の中に放り込む。
 酸味が強くプチプチとイクラのような食感だった。
 ーーーーカハッ!!!
 飲み込んだと同時に吐血する。
 息が苦しくなりめまいもする。耐えきれられなくなり横になる。
 「はぁ…はぁ…まさ……か……」
 そう声をもらしてステータスを確認すると状態のところにひとつ追記されていた。

 状態:呪い/猛毒

 くそっ!!!踏んだり蹴ったりじゃねぇか!!!!
 さすが運-500だ…不運にも程がある。
 それから20秒ほど毒に耐え続けた。
『スキル<毒耐性>を習得しました』
 頭の中で声が響いて毒の効果が引いたのを確認して起き上がろうとするとあることに気づいた。
 あれ?傷…治ってね?
 立つことも困難な状態だった俺の身体は今は軽い身のこなしができるほどになっていた。
 慌ててさっきの木の実を<神眼>で確認する。

 «エンジェルツリーの実»…エンジェルツリーに実るという木の実。強い毒性があるがその分回復効果は強力なため重宝されている。一般的に毒性を弱める素材と<調合>し«ポーション»として用いられることが多い。

 まったく…俺はほんとはものすごく運がいいのではないだろうか…。
 そう思いつつも暴れているベアウルフへと向き直る。
 どうやら俺が<幻惑>を解かない限り効果は持続するようだ。
 俺は拳を鳴らし不気味な笑みを浮かべて言う。
 「さぁ…反撃といこーか!!」

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