異世界チートで友達づくり(仮)

川添 マカ

神眼②

 気を取り直して立ち上がった俺はスキルを試しに使ってみることにした。
 ほとんどが対人用のものだから試せるのは限られてるけどな。
 まずは<未来予知>だ。
 試しに目を閉じ頭の中で念じてみる。
 するとまるで未来の自分と視界を共有しているような感覚があった。
 音は聴こえない。視界だけの世界だった。
 そこで俺が見たのは小さな村で同い年くらいの女の子が俺に向かって握手を要求している場面だった。顔にはモヤのようなものがかかってよく見えなかったが…。
 それから先はだんだん不鮮明になっていき、最終的になにも見えなくなってしまった。
 目をゆっくりと開く。
 なるほど…見れるのは10秒ぐらいか…。
 多分あの女の子が俺の友達第一号だろう。早く会いたいものだ。
 どのくらい先の未来かはわからないな…。
 次は<透視>だ。
 とりあえず近くの木で試してみることにした。
 頭の中で念じると木が半透明になっていった。
 意識を高めるほど遠くのものまで透かして見ることができた。
 範囲でいうと半径5mぐらいは透視できるようだ。
 覗きにはもってこいのスキルだな…。
 まぁ俺は使わないがな!!………たぶん。
 最後は<千里眼>だ。
 確か遠くまで見えるんだったよな?
 早速意識を集中させるとカメラのズーム機能のように遠くの景色が見えてくる。
 しかもまるで自分がその場にいるかのように好きな場所を好きな角度から見ることができた。
 上空からだって見ることができた。
 なんだか不思議な感覚にちょっと感激してしまった。
 最大で50キロぐらい先まで見ることができた。
 見渡す限り森だったが、ここから10キロほど離れた場所に<未来予知>で見た村があった。
 すげぇ、ほんとにあった。
 あそこに俺の初めての友達がいるのか…。
 考えただけでワクワクが止まらなかった。
 早速行ってみよう!!!
 俺は村の方に向かって駆け出した。
 しかしそうなにもかも順調にはいかなかった。
 よく…というかゲームの世界では道中必ずモンスターと出くわすのが定番だ。
 しかしながら<千里眼>で森全体を見た時にはモンスターを一体も見つける事ができなかった。
 よってこの森の中でモンスターと出くわす確率は計り知れないほど低いはずだった。
 しかしだ。
 俺の運がどんなのか覚えているか?
 そう。俺の運は呪いによって-500になっている。
 何が言いたいかって?
 ーーーーーーーーーーーーモンスターと出くわしました。
 俺はモンスターと絶賛対峙中だ。
 目の前には狼がいた。
 しかも超デカイ。体長は10mほどもあり、黒色の体毛に覆われていた。
 いや、怖すぎるだろ!!!!
 内心そう叫んだ。
 とっさにそのモンスターのステータスを<神眼>で確認する。


 《ベアウルフ》
 属性:火
 レベル:120
 攻撃:3450  防御:2900  魔力:500
 魔攻撃:2000  魔防御:1800
 敏捷びんしょう:5400  力:2300  魅力:150
 運:0
 状態:なし
 スキル:神速/フレアドライブ/爆炎陣/咆哮/索敵
 魔法:火属性魔法«中級»


 高ぇ!!!!全体的に!!!!!!!!
 これ絶対勝ち目ねぇじゃんよ!!
 てか魔攻撃と魔防御ってなんだよ…初めてみるわ…俺のステータスに書いてないし…。
 魔法覚えたら出てくるのか?
 とりあえず逃げねぇとゲームオーバーだ。
 そう思いベアウルフに背を向けるがとてつもないスピードでベアウルフが俺の行く先に先回りしていた。
 はえぇよ!!!!!!!!
 <神眼>のおかげかわかんないけど何とか目で追えたけどさ!!!…にしても速すぎる…。
 これじゃ逃げらんねぇじゃねぇか。
 こうなったら…こいつのスキルとステータス俺のものにしてやる!!!!実験に付き合ってもらおうじゃないの!!
 そしてベアウルフに意識を集中させて<神眼>を使う。
 幸いにもベアウルフはこちらを警戒しているのか、俺から5~6mぐらい離れた位置を俺を中心にゆっくりと徘徊していた。
 まだこちらに襲ってくる様子はなかったので内心ホッとした。
 <神眼>の発動条件が分からなかったのでその場を動かずベアウルフを睨みつける。 
 するとベアウルフの目を見ている間だけ視界が黄色くなった。
 これが<神眼>を使ってるということなんだろうか。
 ステータス画面を開くと自分のステータス値が一秒間に10ずつ上がっていた。
 うん、チートだな…。
 そう思いつつ睨みつけていると<神眼>を使って早くも一分が経過していた。

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