作者ネタ切れにより「俺、幼なじみ(男の娘)と同棲します」は思いついた日常を季節関係なく書きます

煮干

4月4日

「んん……あッ……い、痛い……」


 けしからん……まったくけしからん。そんな声をだされたら欲情しない方が難しい。俺は少し前屈みになり、必死にごまかす。少し強くすると、明希は色味を孕んだ声をだした。


「ん……ヤダッ、強すぎ……」


「あれはなんだと思う?」


「性の営み」


「奇遇だな。俺もそう思ってた」 


 竜岡、横島、聞こえてるからな?  俺は睨みつけて威嚇する。だが、二人は気にする素振りを見せない。


「もういいでしょ……大樹君……」


 荒々しい呼吸と潤んだ目。理性の壁に、情欲が突進する。だが、俺の理性は脆弱じゃない。なん年も明希と共にいた俺の理性は強固たるものになった。ゆえにこれしきのことで理性の壁を壊すなど笑止千万!


「そうだな。ストレッチはこれくらいでいいか」


 準備体操は入念にしっかりとする。これは中学校の頃の俺からの戒め。そう、あの頃の俺は準備体操などくだらぬと思っていた。その結果、アキレス腱断裂。俺はあの出来事があって以来、他人にもストレッチはちゃんとするように言っている。


「そういえば今日は自由なんだろ?」


「うん。鬼頭おにがしら先生がいないからね」


 俺らの担任で、コワモテの先生。唯一の欠点は腰痛持ち。そして今日は、月に一度の定期検査らしい。代わりにきた先生は、雉尾きじお先生。おとなしい性格で、家庭科の先生だ。


 髪は短く、肩にかからない長さ。メガネと前髪についている髪留めがチャームポイント。容姿もよく、うちのクラスでは横島をリーダーとするファンクラブが結成したとか。


「ねえ先生!  一緒にドッチボールしませんか?」


 俺は雉尾先生をドッチボールに誘う。俺は会員じゃない、だがどうしてこんなことをするかと言うと……。


「おい……みんなでしようぜ?」


 こうすることによって、個々だった男子諸君は集まる。抜けがけは許さない、クラスの鉄則だ。


 男たちは賛同の声をあげ、集い始める。それはまるでライオ○キ○グみたいにゾロゾロと。
 そして、俺、もとい雉尾先生のもとへ集まる。


「先生はそこでタイマーの係お願いします!」


 横島は髪をかきあげ、スマイルを見せる。


「ええ……じゃあお言葉に甘えて……」


 そう言って雉尾先生は抜ける。すると、横島はみんなの前に出る。そして、咳払いをひとつ。大きく息を吸った瞬間、俺は察した。すぐに耳を塞ぐ。次の瞬間、横島の声が体育館に響きわたった。


「お前ら!  戦う覚悟はあるか!」


「オー!!」


「このボールに命かける覚悟はあるか!」


「オー!!」


 ダメだついていけない。俺は明希を見る。明希は小さい声で拳を振り上げていた。恥じらいあって、なんとも可愛らしい。
 

「やるぞ!  勝者は常に一人だ!」  


「オオー!!!!」


 一際大きい声を上げ、ついに戦いの幕があがる。




 相手は横島率いる雉尾先生ファンクラブ。対する俺らは、明希非公認のファンクラブ。


「おい……俺らは明希を全力で守るんだ……」

  
「分かってますよ大樹さん……ヤツらに我々の神聖を汚させるなどあってはならない。この本部もとべ命に変えてもお守りする所存です!」


 なみなみならぬやる気を感じる……。メガネを押し上げた時の強キャラ感はすさまじい……。


「頼りにしてるよ本部君……」


「おまかせください……」


「何してるの?」


 明希が会話に入ってきた瞬間、俺と本部は顔を見合う。


「なんでもないよな?」


「頑張ろうって言っただけです」


 互いに笑顔で誤魔化す。振り返った瞬間、俺は顔つきを変える。


「やる気満々ですね……」


「お前もな……」


「俺もだ……」


 最後誰だよ……。

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