戦力より戦略。

haruhi8128

経営方針とは

結論として。
ベーキングパウダーは諦めた。
いや、だってベーキングパウダーを使って色んなことをする方法は知ってるが、ベーキングパウダー自体をどうやって作るのかなんて知らない。
仕組みは知っているのだが、実際に作るとなると別の何かが出来てしまう可能性が非常に高い。

なら、多少クオリティが下がっても少なくとも成功する方法をとった方がいいだろう。
かん水なかったらただの水にするかと言えば、そうではない。
多少の差にはなるが、食塩水を使った方がいいという説もある。

ということで、試作だ。
ただの水からまあまあな濃度の食塩水まで全て試していくしかない。
しかも、条件をできるだけ揃えないといけないため、注意が必要だ。

とりあえず、こねこね。
ずーっとこねこね。
みんなでこねこね。

そして寝かせる。
とりあえず寝かせるしかないんだから仕方がないのだが、ここから一気に暇になる。
スープの試作を進めながら麺の出来を高めていくしかないな。
まぁ、こっからは根気だ。

地道に質を上げていくしかない。
人を集めて一気に行うという手もあるが、これは社外秘だ。
製作段階で情報が洩れたら他のところで似たようなものを作るのが簡単になってしまう。
だから、ここは少数精鋭で作るのだ。


「お、これ良くね?」

試作していた麺の中でわりかしましなものを見つける。
この配合がちょうどいいのか。

麺の種類にはストレートやらちぢれやらあるが、そんなもん知らん。
とりあえず食べられるクオリティの物が出来上がればそれでいい。

「スープは頑張らなきゃな……」

麺はある程度方針が決まったのでここから微調整して寝かせる期間とかを考えていくだけでいいが、スープはまだ方針も何も決まっていない。
どうしたらいいんだろうか。

「ご主人様、一度私たちに任せていただけませんか?」
「お、なんか考えがあるのか?」

メイドたちが鍋を囲んで何か話し合っている。

「恐らく、私たちの方が料理には詳しいですので……」
「それは間違いないな」
「もちろん、ご主人様から何か注文があれば承りますが……」
「豚骨ベースってことだけ守ってくれればいい」
「かしこまりました」

そうだな。
俺がない頭絞って考えるよりメイドたちが経験をもとに試してもらえばいいか。
俺は経営の方を考えよう。

ラーメン店となると、やはり屋内型の店の方が思い浮かぶが、それほど大きな規模では出来ないと思う。
それこそ雇用とか考えるのは面倒だからな。
小さな規模でいいかなと俺は考えている。
それこそ、屋台のような形で。
1日に出せる数は限られていても、お金に困っていることはないのだから。


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品